せたがやだいた自然科学教室『ウニの殻を観察しよう!』

せたがやだいた自然科学教室(会場:まもりやまテラス)で
『ウニの殻を観察しよう!』の講師をしてきました。
この回の講師は『あうるの森』さんだったのですが、やんごとなき事情により、私が代理講師をしてきました。
いつもは幾何学ネタでやってますが、今回は生物ネタです😊
どんな内容でやってきたか、以下にスライドを並べておきます。
⇒は画像の引用元にリンクしています。


まずは、ウニの事をどれくらい知っているかを探るための質問です。
※答えは私の想定。ウニは高いと言う子はいませんでしたね😅


これ何のためのスライドかというと、
動物はそれぞれの種ごとに名前があり、同じ特徴をもつ動物は「哺乳類」「爬虫類」「鳥類」「有袋類」「昆虫」などのグループに分類されるね。そして「ウニ」というのは…
哺乳類=哺乳綱と同じレベルの「ウニ綱」なんだよ。そして、ウニには色々な「種」があって、例えば「ムラサキウニ」というような名前がついているんだよ。…という前振りをしておいて…

👆このウニ画像は『ウニ ハンドブック』の表紙なので
ウニに興味をもったら『ウニ ハンドブック』と紹介してきましたが、漢字いっぱいだから小学生向きではなかったかな😅

⇒【楽天市場】礼文島船泊漁業協同組合
⇒ウニって何者なんだ?|Hatena Blog
『川本達雄 編著 東海大学出版会「ウニ学」3ページ ウニの模式図を参考に複写着色』

ここから、本物のウニ殻の観察です!
この日のウニ殻は5種類
まだ名前は出さず、5種類のウニ殻に共通することを探してもらいます。
観察した後に「お品書き」を配って…
「お品書き」の紙の上にウニ殻を並べると名前が分ります。
今回のウニ殻で、似てるから「どれかな?」と判別が難しかったのは、ムラサキウニ、バフンウニ、サンショウウニ。これらを間違えてる子がちらほら。

ウニの名前が分ったら、ハンディ顕微鏡を使ってウニ殻をより詳しく観察します。
ハンディ顕微鏡で観察するウニ殻の部位は、
・棘疣(とげいぼ)
・孔対(こうつい)
・歩帯(ほたい)
・間歩帯(かんほたい)
棘疣(とげいぼ)を観察していて、姉、兄と一緒に参加していた年長さんの男の子が「ママのおっぱいみたいだ😃」と言いまして、「ん、おっぱいみたいだね😃」と応えてる私。観察したことを的確な言葉で表現するというのは大事なことですから!
皆さんも大きな画像で観察してくださいね😊

⇒ウニの棘|Dr.オクノのウニゼミ
5種類のウニ殻の他に、ムラサキウニの棘(2~3本)も配布しています。
ウニの棘の根元をハンディ顕微鏡で拡大して見ると、丸い凹みが見え、ここが棘疣(とげいぼ)の凸の上にハマっていたんだ~ってわかりますね。
左の図にあるように、ウニの棘と殻は筋肉でつながっています。だからウニは棘を動かすことができます。でも、ウニは棘を使って歩くわけではなく、「管足」歩きます。(管足については、この後で説明)
ウニの棘と殻は筋肉でつながっているので、ウニが死ぬと筋肉は分解され、棘が外れ、殻だけが砂浜に打ち上げられることがあります。それを拾ってきたのが、今日みんなに配ったウニ殻なんです。
※ウニの棘と殻は筋肉でつながっていますが、棘を棘疣の上にしっかり立てておくには筋肉が緊張していなくてはなりません。一日中(だけでなく一生)筋肉を緊張状態にしておくのは疲れますよね💧 なので(左側の図には)筋肉と並んで「キャッチ結合組織」があります。
👉キャッチ結合組織|Wikipedia
『キャッチ結合組織は棘皮動物にのみ見られるもので、硬さが短時間内に変わる結合組織です。
キャッチとは「掛け金」の意味。硬くなった状態では、掛け金がかかった時のように、大きな外力をかけても変形せず、変形しない状態を、ほとんどエネルギーを使わずに保っておけます。』つまり、疲れないんです。
👆『キャッチ結合組織は棘皮動物にのみ見られる』と記されているけど、二枚貝の閉殻筋にも「キャッチ筋」があるんだけどな~
👉二枚貝は貝殻をどうやって開くか?…筋肉は縮むことしかできない!
あ~ 棘皮動物のキャッチ結合組織の出典は1984年で、二枚貝のキャッチ筋の解明は2001年か。
え~と、キャッチ結合組織のことは(小学生向けの教室なので)お話してません😅

ハンディ顕微鏡でウニ殻を外側から観察したあとは、
ウニ殻ランプで(内側から)光を透して観察します。

棘皮動物の「五放射相称」は「形の科学」ができるから、もっと説明したかったんですが、教室当日の朝 スライドの最終チェックをしていて…あ!五放射相称が無い💦と気づいたので(手抜きの)これ1枚だけです😅
ウニについては一通り説明したので、このあとは観察した5種類のウニの説明(お話)です。
▼ムラサキウニ
ムラサキウニは紫というより黒っぽく見えて、まとまっていると「まっくろくろすけ」に見えるので、
⇒「まっくろくろすけ」となりのトトロ|スタジオジブリ
⇒まっくろくろすけウニ〜|あうるの森
ムラサキウニは「まっくろくろすけ」ぽいですが、よ~く見ると「紫」です。
でも、フレッシュなうちは「紫」なんですが、乾燥すると…
ムラサキウニはウニ殻ランプしたときの孔対の並びが一番ゴージャスだと思います😅
砂浜に打ち上げられたウニ殻は下と上に穴が開いていることが多いのですが、たまに上の穴が開いていないウニ殻を拾うことができます。ウニ殻のてっぺんは「頂上系」と言い、頂上系の残っているウニ殻を拾えたときはラッキーです😊
そして、頂上系をウニ殻ランプやハンディ顕微鏡で観察すると、
👇こういう構造になっています。
▼バフンウニ
⇒ウニ殻コレクション【バフンウニ】|あうるの森
「バフンウニ」という残念な名前は、短いトゲがついたまま打ち上がったときの見た目の印象からつけられてしまったのでしょうか💧 棘がとれたあとの殻はキレイなんですけどね。
⇒2か月ぶりのビーチコーミングの収穫は【バフンウニ殻】
ウニ殻は(左)乾燥した状態より、(右)濡れた状態の方がキレイです。
一般的に乾燥したものは表面の凸凹により光が乱反射して白っぽく見えますが、
濡れた状態では表面の凸凹による乱反射がなくなるので、そのものの本来の色が見えます。
バフンウニの殻は、この様に緑色なんです。
そして、ウニ殻ランプすると緑が映えます😊
▼サンショウウニ
⇒ウニ殻コレクション【サンショウウニ】|あうるの森
サンショウウニの殻の表面は、山椒の樹皮に似ています。

ウニ殻は小さな「殻板」が多数くっついて構成されています。
歩帯には歩帯板、間歩帯には間歩帯板がそれぞれ2列ずつ並びます。
サンショウウニの殻板を一つ一つ(丁寧に、地道に)外して並べた展示が 2022年の博物ふぇすてぃばる!8 C-27『五放射の世界』にありました! 出展者は「ロイローニ」さん。
これには感動したな~👏👏😃
▼コシダカウニ
⇒ウニ殻コレクション【コシダカウニ】|あうるの森
コシダカウニの殻の模様はバリエーションに富んでいて、たくさん並べて見ると楽しい😊
コシダカウニを横から見ると、ちょっと高さがあって「腰高」です。
ウニ殻ランプもカラフル✨✨

「ウニ殻ランプ」を画像検索すると「色の変わるLEDライトを使っている人もいるのですが、ウニ殻本来の色がこれだけカラフルなのに、それに色をつけちゃうなんて💧と思うので、ウニ殻ランプの光は「白」です‼
▼ナガウニ
⇒ウニ殻コレクション【ナガウニ】|あうるの森
ナガウニは沖縄や奄美に行かないと拾えない南方系のウニなので、三浦半島では拾えません。だからナガウニだけは(拾ったんじゃなくて)買ったウニです💧

▼アリストテレスの提灯
断面カットモデルは⇒アリストテレスの提灯|UNI CLUB
「五放射相称」と並び「アリストテレスの提灯」はウニの説明には必須ですね。
アリストテレスは『古代ギリシアの哲学者』と紹介されますが、古代ギリシャの当時まだ学問は細分化されておらず、学問してれば皆「哲学者」だったんじゃね?💧
『当時の哲学を、倫理学、自然科学を始めとした学問として分類し、それらの体系を築いた業績から「万学の祖」とも呼ばれる。特に動物に関する体系的な研究は古代世界では東西に類を見ない。』とのことで、アリストテレスは現代では「動物学者」だったかも知れないね。
アリストテレスがウニの口器の構造を調べて記録したので「アリストテレスのランタン」と呼ばれ、「ランタン」を日本語にしたら「提灯」になっちゃったのよね💧
でも、🏮提灯はウニの口器に似てるとは言い難いので、「古代ギリシャ ランタン」を画像検索してみたら… 古代ギリシャのランタンは四角く描かれてますが💧 (現代のヨーロッパの街灯だと思われますが)ウニの口器に似た形のランタンがありますね😅
▼ウニは海藻を食べる
⇒ムラサキウニの食事風景!?いのこ家海水水槽飼育日記|ウニとうみ / uninoko|YouTube
ウニは管足で海藻をたぐり寄せ、口器(アリストテレスの提灯)で海草を食いちぎって食べる!ということが良く分る動画です。
▼ウニは管足で歩く
⇒ウニの移動・驚異の足!!.MOV|吉田繁|YouTube
ウニは棘を使って歩くのではなく、管足で歩く(移動する)ことが良く分る動画です。
▼ウニの体のつくり
⇒ウニって何者なんだ?|Hatena Blog
『川本達雄 編著 東海大学出版会「ウニ学」3ページ ウニの模式図を参考に複写着色』
この図、ウニの体の構造を説明するのにとても良いです。
▼ウニの殻の謎
⇒ウニ ハンドブックより
『殻の成長とともに、新しい殻板が上から追加され、それに伴って古い殻板は下へ下へと移動していく。』のですが、
古い殻板が下へ下へと移動するとき、そのままの形ではウニ殻の形が保てません。それぞれの殻板が下へ下へと移動するとき、その場所に合った形に作り替えられねばなりません。
貝殻(軟体動物の殻)は付加成長で大きくなるが、ウニの殻板は単純な付加成長ではありません。脊椎動物の骨は破骨細胞と骨芽細胞で常に作り替えられていますが、ウニの殻板もそれと同様に常に破壊・再生が繰り返されているのでしょうか?👈これが私の長年の(ビーチコーミングを始めてから10年間ほどの)疑問なんですが、いまだに答えが見つかっていません。
もし、このことに興味をもったら、将来研究してみてね😊
▼地球温暖化→海洋酸性化→海から貝・ウニがいなくなる!?
2016年から「あうるの森」の出展では海洋酸性化の危機を伝えてきました。
今回、ウニ殻も炭酸カルシウムだよね~と確認するために🔍したら…
👉海が酸性化する|海洋アライアンスに、いろいろな二酸化炭素濃度で飼育したホンナガウニの幼生の画像が載っており、濃度が上がるほど育ちくくなることが分ります。
そこで、
「海から貝がいなくなる!?」にウニも加え、
「海から貝・ウニがいなくなる!?」にしました。
貝やウニの幼生は動物プランクトンなので、食物連鎖の底辺を支える重要な生物です。
さらに重要なのが植物プランクトンの円石藻です。円石藻は炭酸カルシウムの円石を作るので、海洋酸性化すると食物連鎖の一番底辺の生物がいなくなり、それを食べる生物は次々と死に、やがて海に生物がいなくなってしまうかも😱
この後もまだスライドは用意してたんですが、お話が長く続いて小さな子はダレダレ状態💧 あ、もう限界だな!と思ったので(予定の90分に20分ほど早いけど)お話はここまで。あとは質問タイムとウニ殻標本観察タイムにして、この日の教室は終了しました。
ウニ殻標本は「あうるの森」さんから受け取れる量が限られたため、厳選してます😅
ウニ殻が5つあると…
積み上げたくなるよね~😃
ウニ殻ランプ用に小さなLEDライトを用意していたのですが、光量が足りませんね💧
保護者の方がスマホのライトを使ってたんですが、
スマホのライトはそれなりの光量があるので、ウニ殻ランプが断然映えます😃✨


この日 配布した5種類のウニ殻は
👇このようにカップに詰めました。
この日の資材は「あうるの森」さんから受け取りまして、
5種類のウニ殻を詰めるカップは…
「しろくま」アイスのカップ😃
この日のために「しろくま」アイスを食べ😋そのカップをコレクションしてたの?😂
ウニ殻が割れないように「鼻セレブ」なティッシュペーパーに包み
参加者7人でしたので、予備を含めて10セット
ウニ殻をカップに詰めていて「ちょっと臭うな~」とは思ったので
子どもたちに配布したとき「蓋を開ける前に言っとくけど、
ちょっと磯の香りがするからね😅」と…
そしたら子どもたちは蓋を開けると、あえてウニ殻に鼻を近づけて「臭っさー😬」って💧
警告しておいたのだから、あえて匂いを嗅がなくてもいいと思うんだけど~ 探求心は大事ですね😅
海岸の砂鉄で ふしぎ発見科学教室「磁石で遊ぼう」をしたときは
「海のにおいがする~!」で、これは悪い匂いではなかった。
ウニ殻の匂いとは、匂いの素が違うのでしょうね。
「磯の香り」で🔍したら、海の植物が作り出す硫化ジメチル(DMS)によるもので、腐敗臭ではないのですね。一方、ウニ殻に残る匂いは、殻板の間や棘疣の付け根に残った有機物の腐敗臭なのでしょうね。次に『ウニの殻を観察しよう!』をやることがあったら、匂い対策(脱臭処置)をしておかなければ💧
除菌・消臭環境で育った子供たちは、匂への耐性がないのでしょうか?🤔
終わったあとに話をしていて『今の子は金木犀(キンモクセイ)の花の香りを「トイレの匂いだ」と言いますからね』というエピソードを聞いて、え~!それはある意味 残念だ💧
👇このネーミングの良さがわからないよね
大人になるまでに金木犀(キンモクセイ)の花の香りを楽しめるようになってね😊
この日 用意していたけど お話しなかったスライドは以下
ん~『貝/ウニ/人間 近いのはどれとどれ?』だけは お話してくるんだった。忘れてた💧










⇒「進化」とは「優れたものになること」ではありません。多様化することです。
⇒「進化」のイメージ画像…「進化」という言葉は誤用されていること甚だしいので
⇒地球・生命の歴史と5回の大量絶滅(6回目進行中)
ん~ これだけのボリュームのお話は「子ども向け」にはオーバーフローしてるね💧
「大人向け」の科学教室の需要はないのかな?🤔
ウニの視覚についての中学生の研究が素晴らしかったので、またウニをやる機会があったら紹介したい。
全国こども科学映像祭受賞作品 (93)H28年度第15回文部科学大臣賞中学生部門『海の宝石 ウニの秘密~ウニの視覚にせまる~』SCIENCE CHANNEL(JST)
7:18のところで「ウニは一つの大きな目玉だ!」👈卓見ですね👏👏😃
※2025/11/14 ウニは全身が「脳」でできた動物だった|#ナゾロジー 👈この記事も面白かった。
要約すると…
若いウニの細胞の遺伝子の活動パターンを調べたら、48種類に分類され、そのうち約60%ににあたる29種類が神経系に関係した細胞群だった!
ヒトを含む脊椎動物の脳や脊髄を作るのに使われる遺伝子がウニの体のあちこちで働いていた‼
その神経系(脳)はどこにあるのか?
簡単に言えば、ウニの体の外側部分は、胴体というよりほぼ「頭」だった😃
※ウニの遺伝子の数はヒトとほとんど同じであり、しかも70%がヒトと共通してますからね~
👉貝/ウニ/人間 近いのはどれとどれ?













































































































作り方は動画で見せてます。












































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