ビーズ正多面体(ビーズボール)の作り方…エッセンス(本質)を伝えるか、手順を伝えるか?
世田谷区立教育総合センター STEAM教育講座のワークショップで
丸ビーズとテグスで作る「正多面体ストラップ」の講師をしてきました。
このアイテムはこれまでに3回…ふしぎ発見科学教室(2013)、東芝未来科学館(2019)、ハチラボ(2023)…と実施してきましたが、ビーズボール6個→12個→30個を全員完成に至るのはなかなか難しい。そのために色々改善を重ねているのだが(2時間できっちり終了させなければならい)今回は全員完成に至らなかった💧
そんなこともあろうかと、家に帰ってから続きを作れるように
👇『ビーズ正多面体(ビーズボール)の作り方』の資料を作っておいた。
👆クリックするとPDFが開きます。
でも「手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」ことが重要なので、
いつも👇このスライドで作り方を説明している。
これをまとめると👇こうなる。
👆これなら覚えられるよね。でも、ビーズ12個、30個を手順として示すと👇こうなる。
👆こんなの覚えられないよね💧(覚えなくても、手順書見ながらできればイイじゃん。という考え方もあるけど、私は何も見ないで作れるようになることを目指していた。)
でも、この説明では全員完成に至らなかったのだが。。。
で、終わった後の「お疲れさま~🍻」反省会で、今回もアシスタントをしてくれたあうるの森さんが、『手順書を見ないで、2つのルールだけで作れと言ってるけど、みんな「ビーズが3つ集まったら」のところが解らないんだよ。それより私は手順書の方を見せて「〇はビーズ、×はクロス、●はもう一度通す」と説明したよ。その方が出来てた。」と言う。
あ~そうなのか~ と、参加者の立場で考えてみると… 初めてビーズを編む小学生にとっては1ステップずつの手順を見ながら作る方が簡単だよね。私はビーズ正多面体の編み方のエッセンス(本質)を伝えることに拘っていたけど、私が正多面体ビーズ工作を始めたときはトライ&エラーを繰り返し、何個も何個も作った末に「たった2つのルール」のエッセンス(本質)に辿り着いたんだよね。
初心者に最初にエッセンス(本質)を伝えるのって、初心者にいきなり「奥義」を伝えるような無理があったのかな😅
いくつもビーズボールを作って(少なくともビーズ6個→12個→30個を作って)その結果、ビーズ正多面体(ビーズボール)は「たった2つのルールでできている!」という発見に結びつける進め方にすべきだった‼ と、反省と同時に開眼(かいげん)😃
あうるの森さん曰く「あの 〇×●の記号の手順 解りやすいよ!」
あ~そういえば、この前 60角星★竹ビーズ270本を編んで作った180面体 の記事に…『最初は、この図式のようなレシピに、なんだ!?これ!?と驚いたものの、進んでいくにつれ、この方法を考えたあなたはスゴイ!天才かッと感動を覚えたことを、今でも鮮明に記憶しています。』というコメントを頂いてまして、
そうか~ 〇×●の記号の手順 そんなに画期的だったのか~
いつかまた、丸ビーズとテグスで作る「正多面体ストラップ」をやる機会があったら、今度は手順を繰り返し、エッセンス(本質)に至る。という展開にします😊
あ、そのためには手順書のクリアビーズに赤いテグスを通した画像が印刷すると薄暗いので、撮り直して手順書を作り直さねば😅
あ~それより、コメントでお応えした 60角星のレシピ(手順書)を(年内に)作らねば‼
いつかまた、丸ビーズとテグスで作る「正多面体ストラップ」をやる機会があったときのために、今回の振り返り…
▼この日のメニューと時間割
▼最初のお話は、いつものスライド
小学生に「正多面体とは?」を伝えるためのスライドですが、この日の講座は「4年生以上」としていたため、「正多面体って知ってる人?」という問いかけに(17人中)半分ぐらいが手を挙げた。
低学年の参加者が多いときは「この中で特別な三角形/四角形は?」という問いかけに対する反応がイマイチだったのですが、今回の参加者は4年生以上だったので、即座に「正三角形」「正方形」という答えが返ってきた。
▼ひもの結び方/本結びの手順
ビーズをテグスで編みストラップをつけるので、テグスをしっかり結んでおかないとストラップを引っ張ったとき結び目が解けてしまわないように、解けにくい結び方「本結び」にした方が良い。ハチラボ(2023)でやったときは「本結びの練習」をしていて、今回もそれをやるつもりでいたのだが、前日に「明日 持って行く物」の確認をしていたら…「本結び練習台」が(参加予定18人なのに)14人分しかない💧(もっと早くに確認しておかなくちゃ!と反省しつつ)まぁ、スライドでの説明だけでいいか😅
当日の参加者に「本結びって知ってる人?」と聞いたら数人は手を挙げた。なら、なんとかなるかな?と思ったのだが… ひもを結べない子がいた! 参加者は小学4年生以上だけど(科学工作イベントやってて思うんですが)ひもが結べない子どもって多いよね~💧
ひもの結び方の練習👈これはやるべきだ!と再認識した。
▼おまけ
ビーズ正多面体(ビーズボール)作りは、「解った!」子と、そうでない子で、作る時間に30分ぐらいの差が出る。2時間という時間は全員が作り終えるのに必要な時間なのだが、解ってしまった子は30分ぐらい手持ち無沙汰になる。これに対処するために「おまけ」を用意している。でも、他の子がビーズボール作りに集中しているときに、おまけの「ストロー正多面体」の作り方を説明するわけにはいかないので、作り方の手順書を用意した。
ビーズ正多面体の材料は、テグスを所定の長さに切って、ビーズを6個、12個、30個と数えてチャック袋に入れるのですが、
ストロー正多面体の材料は、ゴムひもを所定の長さに切って、ストローを6本、12本…と切るのは大変過ぎるので💧 切ってないストローを入れて、ストローは切ってもらうことにしました。
ん~ 手順書ベースの進行にしたら、2時間の中でビーズ正多面体(ビーズボール 6個、12個、30個)だけでなく、ストロー正多面体(正4面体、正8面体、正20面体)も作り終わる子いるんじゃないかな? そしたら、その子は正多面体に興味をもち→数学が好きになり→対称性の美にハマり→宇宙の謎に迫ってくれるかな?😊
こんなふうに👇
ワークショップのアンケート結果を記しておきます。
▼学年
・4年生:9
・5年生:5
・6年生:1
・中学2年生:2
▼講座の長さ
・ちょうどよい:10
・みじかい:5
・ながい:2
▼講座の内容
・おもしろかった:15
・ふつう:2
・つまらなかった:0
▼一番勉強になった事もしくは発見した事(太字は「お~そこ大事だよね😊ポイント)
・せいためんたいについてくわしくしることができた
・正多面体のこと
・正多面体をしれた。
・ビーズの通す場所や、1つのくぼみに3(4,5)つのテグス(糸)が通っているかを変えるだけで、自由に形を変えることができるということがわかりました。材料がそろえば、また家で作ってみたいとおもいました!とても楽しかったです!
・むすび方を学べた
・30個のビーズボールがむずかしかったけど、できたことがいんしょうにのこっている。
・ビーズでつくること(正多面体)は5しゅるいだけでも 360こつかってつくれるならつくいだ
・正多面体を作るのはむすかしかったけど、楽しかったです。
・きまりをおぼえれば、紙がなくてもできる。そんなにふくざつなきまりがないこと。
・同じ動作のくりかえしでもふくざつなものを作れることを おどろきました。
・正多面体で色々なグッズをつくれるのを はじめてしった。
・ビーズのあみ方と算数の多面体の応用が分ったので良いべんきょうになったと思います。
・つくりかたが分った。同じ手順で色々な作品ができるのがすごいと思った。
・正多角形が
・正多面体のしくみについて、理解できた。
・どんな多面体でも同じ動作を繰り返すだけでできてしまうことが面白かったです。小さなビーズでも、大きなビーズでも コツを覚えてしまえば作ることができるので、家でも作ってみたいと思います。また最後に見た360個のビーズで作るかごが印象的でした。とても楽しかったです。
・基本の作り方をアレンジするだけでたくさんの形を作れること。360個ビーズもいつか作りたい。
▼今後参加したいワークショップ
・今日のづづき:7
※2時間の長いワークショップだけど「ながい」は2人だけで、「みじかい」が5人もいる。これは、30個を完成できなかった子かな? やっぱ完成したときの達成感って大事だよね~(全員が完成に至る進行…次にやる機会があったら、できると思う!)
※感想を読むと、私の伝えたかったことが かなり伝わってる😊
※関連記事
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