« 『花びらの数は(ほぼ)フィボナッチ数』仮説の仕組み解明される!? | トップページ | 丸ビーズとテグスで作る正多面体ストラップ@渋谷区こども科学センター・ハチラボ »

2023年10月 7日 (土)

すっとびボールとマグヌスコップを作って飛ばす@渋谷区こども科学センター・ハチラボ

Suttobimagnus00
渋谷区こども科学センター・ハチラボのワークショップで(⇒イベントカレンダー
「すっとびボールとマグヌスコップを作って飛ばす」の講師をしてきました。(⇒イベントのチラシPDF

ハチラボで「すっとびボール」と「マグヌスコップ」のワークショップをするのは、ほぼ10年ぶり。久しぶりすぎて💧10年前はワークショップのときにパワポのスライドとか作ってなかったので、今回のワークショップ用パワポは新規作成😅
そのパワポのスライド画像を以下に並べて、実施上の工夫点、問題点、次回やるときの改善点などをメモっておきます。
すっとびボールとは
Suttobimagnus02
動画を載せていますが、動画ではすっとんだ先の上側が画面から切れてしまうので、
実演してみせます。肩の高さのやや下から落とした「すっとびボール」のピンポン玉が、背よりも高く、2倍ぐらいの高さに跳ね上がるので「わ~!」という歓声とともに「作ってみたい!」という気持ちも跳ね上がっていることでしょう😃

すっとびボールの作り方①
Suttobimagnus03
こちら→「すっとびボール」の作り方に詳細を載せています。
ピンポン球の上下に正確に穴をあけるための「ピンポン球穴開け治具」が3個しかなく、一人一人に治具を使った穴あけ作業を体験してもらうことができないので、予め穴はあけておいて、その穴を丸ヤスリで 4mm~5mmの大きさになるまでグリグリ削るのをやってもらいました。
※またやることがあったら「ピンポン球穴開け治具」を1回の参加人数分用意しておこう。

すっとびボールの作り方②
Suttobimagnus04
スーパーボールに穴をあけ、竹串を刺します。
スーパーボールの穴あけについては、2012年の府中市青少年の科学体験フェスティバルで改善点が見つかっているのですが、「スーパーボール真っ直ぐ穴あけ治具」を開発するに至らず💧
それに、穴あけの工具(くじり目打ち、ドリルφ2mm)も人数分ないから、予め穴をあけておきました。

すっとびボールを飛ばそう
Suttobimagnus05
すっとびボールは、竹串の端を摘むようにして持って、指を離す。これだけなんですが、うまく跳びはねない場合がある。
うまく跳びはねない原因は主に3つ…
①ピンポン球の穴が正確に(中心を貫通するように)あいていない
②スパーボールの穴が正確に(中心にとどくように)あいていない
③竹串の端を摘むようにして持って指を離したときに、竹串が傾いている
…このうち①と②は対策済みですから、残る原因は③
「竹串の端を摘むようにして持って、指を離す」この簡単な動作を初めてするとき緊張して指に力が入ってしまうことがある。すると竹串が微妙に傾く。この傾きはスパーボールを中心とした竹串に小さな回転の力を加えているので、スパーボールが床に着くころには傾きが大きくなる。傾いている竹串を垂直に跳びはねようとするピンポン球は竹串との摩擦で速度が遅くなり高く跳びはねない。しかも真上ではなく、斜めに跳ね上がる。👈うまく跳ね上がらない子の動作を観察した結果です😅
「竹串の端を摘むようにして持って、指を離す」これをもう少し丁寧に
「竹串の端を摘むようにして軽く持って、ぶらーんとぶら下げるようにし、指の力を軽く抜いて落とす」

すっとびボールのなぜ?
Suttobimagnus06
それは説明しません! 観察してもらいます👈ココが重要
すっとびボールを観察することで「なぜ?」の理由を「発見する」子がいます。
いつもこんな風にやってます。→「すっとびボール」はなぜ高く跳ね上がるのか?

はい、これで「すっとびボール」は終了。
次は「マグヌスコップ」を作って飛ばします。

マグヌスコップとは
Suttobimagnus07
動画を見せるより、実際に飛ばして見せた方が効果的なので(マグヌスコップ飛ばし歴10年の私が)飛ばして見せると「お~! わ~スゴイ! おもしろい!」と盛り上がります😃

マグヌスコップの作り方
Suttobimagnus08
プラカップの底を向い合せてビニールテープで貼り合わせる。この作業が簡単なようで難しところもあるので、プラコップの底に予め小さく切った両面テープを2つ貼りつけておき、これで仮留めしてからビニールテープを貼るようにしました。
1回12人のワークショップで一人一人にビニールテープを配ると12巻きも必要になってしまう。
使用するビニールテープは 15cm/人×12人=180cm だけなので1巻あれば十分。
でもこれを一人一人に切ってもらって回していくと時間がかかる。だから予め切っておく。
また、全員が同じ色のビニールテープだと、飛ばした後で取り違えてしまうことがある。
そこで、何色かのビニールテープを用意し、好きな色を選んでもらう。
231007magnusvinyltapes
ビニールテープはカッティングマットに貼りつけておくと、キレイに剥がせます。
カッティングマットの表面には細かな凸凹があるため、ビニールテープの粘着成分がベターっとくっつかないから剥がしやすいのです。

「輪ゴム5本をつないでゴム紐にします」👈これが意外と難しかった。
輪ゴムのつなぎ方はこんな風に…と2本をつなぐ画像を示したのだが、2本はつなげても3本目がつなげない💧
次にやることがあったら、輪ゴムのつなぎ方を動画で説明する。
また、「ビニールテープを引っ張りながら巻く」ことも動画で説明しなくては、と思った。

マグヌスコップの飛ばし方
Suttobimagnus09
「輪ゴムをプラコップに巻きつけ、輪ゴムの端をつまんでいる右手を、ギューッと前に突きだし、プラコップを持った左手は顎のところまで引き、プラコップを持っている左手をパッと離す」👈簡単なようで、ちびっ子にはちょっと難しいようだ。初めての体験だから緊張して?プラコップがひしゃげるほど不必要に力が入ってるし、「パッと離す」で右手のゴムも離してしまったり。未就学児にはちょっと難易度高いかも。
マグヌスコップの飛ばし方
小学3年生以上の子なら何度か練習しているうちに、うまく飛ばせるようになりますね。そうなった頃を見計らって、「では次に別の飛ばし方の技を伝授するよ~」と、垂直発射して、プラコップがぐるっと回って自分のところに戻ってきたのをキャッチして見せると「それやってみたい!」と、また盛り上がります😃
Suttobimagnus10
YouTubeにも動画をアップしてます。
※この日アシスタントをしてくれた「あうるの森」さんより「若いころの画像使ってる~」と指摘を受けましたが😅 これ撮ったの9年前だったのね。その間に2.8万回も視聴されてる!

さて、みんながそこそこマグヌスコップを飛ばせるようになったら、一番だいじなお話…
マグヌスコップのなぜ?
Suttobimagnus11
マグヌスコップはなぜ飛ぶのか?の説明を、9年前は『そのうちやりそうにないから、「マグヌス効果」の画像検索結果をご覧下さい』と逃げていたのだが、小学生に説明するには自分が説明しやすい画像が必要だよね~ ということで、自分で描きました!🎉

マグヌス効果と球技
Suttobimagnus12
マグヌス効果は特別なものでなく、球技をすれば普通に働いている力です。
そのことを図を添えて説明したかったのですが、準備の時間が足りなくて💧 そこまで準備できませんでした。次にやる機会があったら図を添えて… あ、それより、卓球のピンポン球とラケット使えば、その場で実演して見せることできるね。事前練習が必要ですが😅

ゴルフボールや軟式野球のボールのディンプル
Suttobimagnus13
ゴルフボール軟式野球ボールのディンプルは、マグヌス効果を高めるためにあるんです。

マグヌス効果で飛ぶ飛行機
マグヌス効果で「揚力」が発生するなら、それで飛行機が飛ばせるじゃん! という例を二三ご紹介
Suttobimagnus14
上の画像(動画)はYouTube:Flettner-Modellflugzeug.m4v より

飛行機の揚力
Suttobimagnus17
マグヌス効果で飛ぶ飛行機を紹介して、飛行機がマグヌス効果で飛んでいると思われては困るので、飛行機の揚力についても説明

マグヌス効果
Suttobimagnus18
最後はマグヌス効果のこの図を示して〆
ワークショップが始まるとき「マグヌスコップって何?」という質問があって、「それは後で説明するから」と応えて、ワークショップを開始。ワークショップを楽しんだ子(と、その親)たちは「マグヌスコップ」の名前の理由は分かったし、「マグヌス効果」という言葉 覚えてくれたと思います😊

ニワウルシの種子が落下・回転するとマグヌス効果が働いていた~!
Suttobimagnus19
これはクルクルよく回るニワウルシの種が手元になかったので、省略💧

※そうだ、ただの板(長方形の厚紙)でも回転させればマグヌス効果で飛ぶという実験もやってみたかったのだが、1時間のワークショップの中には収まらないのでパス。いつかできたら…


※ハチラボのワークショップは私が講師をする場合、90分(午前と午後)2回で実施するのですが、「すっとびボール」と「マグヌスコップ」では60分でできるので、60分×3回(各12人)で実施しました。
だから、36人分の材料を用意したのですが、この日はなぜか参加者が少なく、3回で14人でした。
参加者は少なめでしたが、飛ばすのにスペースが必要でしたので、ちょうどいい人数だったかも😅
ハチラボのワークショップではアンケートをとっていて、その中に「おもしろかった ふつう おもしろくなかった」という選択肢があるのですが、今回は全員「おもしろかった」でした。
アンケートの中の自由記入の感想より…
『マグヌス効果について知れたことが 自分の知識になってよかった。』
…私が目指していた成果があって😊



※「すっとびボール」の関連記事
2013/07/10 「すっとびボール」の作り方
2013/07/12 「すっとびボール」はなぜ高く跳ね上がるのか?
2013/07/19 「すっとびボール」の原理…最適質量比についての考察
Jumpingballs41

2013/07/24 渋谷ハチラボ夏休みワークショップ「すっとびボール」
2012/02/18 府中市青少年の科学体験フェスティバル「すっとびボール」(参加者:500人)
2011/07/26 第29回戸田競艇場少年少女サマーフェスティバル「すっとびボール」(参加者:350人)

※マグヌスコップの関連記事
2014/07/09 マグヌスコップの作り方・飛ばし方
2014/07/26 ハチラボ夏休みワークショップ「マグヌスコップ」
2014/08/08 ニワウルシの種子が落下・回転するとマグヌス効果が働いていた~!
2014/08/09 『マグヌスコップ』を『空飛ぶプラコップ』と呼んではいけない科学的理由
2012/07/30 第30回戸田競艇場少年少女サマーフェスティバル「マグヌスコップ」(参加者:300人)
2015/03/30 『魔球の科学』Newton 2015/5 は面白かった~

« 『花びらの数は(ほぼ)フィボナッチ数』仮説の仕組み解明される!? | トップページ | 丸ビーズとテグスで作る正多面体ストラップ@渋谷区こども科学センター・ハチラボ »

クラブ活動」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『花びらの数は(ほぼ)フィボナッチ数』仮説の仕組み解明される!? | トップページ | 丸ビーズとテグスで作る正多面体ストラップ@渋谷区こども科学センター・ハチラボ »

フォト
2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

Google AdSense


無料ブログはココログ

blog parts

  • ココログカレンダーPlus HTTPS対応