20・12面体ボールを作ろう!『振り返り』
2021/04/03(土) 東芝未来科学館にて【リカタンず】科学実験工房『20・12面体ボールを作ろう!』の講師をしてきました。
このアイテムは、去年PPバンドとトジックで20・12面体ボールを3種類ほど試作していて…
…この中で子供たちに作らせるなら、トジック60個は作るの大変だから、トジック30個のボールを作らせてみようかな🙂と、↓ これを選択。
イベント案内には『30本のPPバンドを30個のトジックでつなげるので、作るのに30分以上かかるけど「できた!」ときは楽しいよ。』と書いてる。自分で作ると15分なのだが、子供たちはその倍以上かかるだろうから。
このボールの作り方は『PPバンドとトジックで作る 20・12面体ボール』に書いているのを、パワポのスライドにすればいいね。と思っていたのだが、スライド作ってて思った… これ試作時の自分の思考/試行過程を書き出しているので、ここに書いてる作り方では小学生(初めて作る人)には伝わらないな~ ということで、小学生にも伝わるように、作り方説明用画像を撮り直して、作ったスライドが
以下の18枚にもなってしまった~😅
これだけ説明すれば、なんとか30分ぐらいでできるかな?
この日のアシスタントの皆さんにこのスライドを見せて作ってもらったら(皆さん作るのは初めて)30分でできた。
想定タイムテーブルは…
・初めのお話:10分
・PPバンドの角を切る:10分
・組み立てる:30分
・終わりのお話:10分
で、60分の想定だったのだが・・・
大幅に時間超過してしまった~💦
『60分の講座終了後、希望者には30分のオプションコースで、おまけのセパタクローの作り方をご説明します。』の予定だったのだが、オプションコース用の30分は超過した時間に消えてしまった💧
参加者全員が20・12面体ボールを完成させることはできたが、セパタクローボールまで作れた子は午前の回の4人だけ。
どこに問題があったのか? 次に実施するときのために「振り返り」💧
●予想外に時間がかかった一番が ↓これ
PPバンドの角を切るのに10分程度と見込んでいた。アシスタントの皆さんが切るのに10分だった。
しかし、子供たちが切るのに、午前中の回は15分、午後の回は20分もかかった。
ハサミの使い方に慣れていない子供が多いこと。紙より硬いPPバンドを切ること。30本のPPバンド×4角=120回も切ること。などの要因で時間がかかった。
ここをどうする?
(案1) 事前にPPバンドの角を切っておく。←これをするとさ~ 30本のPPバンド×4角×40人分=4,800回も✂チョキチョキすることになる💦
既に、30本のPPバンドを切る×40人分=1,200回
PPバンドに3つの穴をあける 1,200本×3穴=3,600回の事前準備作業をしているのに加えて、
4,800回の角切りは・・・やりたくない!😢
(案2) PPバンドの角切りはしない!
何のためにPPバンドの角切りをするかと言うと、角が尖ってると組み立ててるときそこに指が当たるとちょっと痛いのと、↓ 組み立てたあとの見た目の悪さ😅
この状態でボールとして遊んだとき、指に引っかかって痛いというようなことがなければ、角切りしなくてもいいかな~
●もう一つの問題点(こちらが、より本質的)
ものづくりをするとき「手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」ことが重要なのだが、
今回のスライドは、手順を説明していた💧
私はかつて↓こういうツイートをしている。
RikaTan『作って楽しむ正多面体の不思議』第4回 PPバンドを編んで作るセパタクローボール https://t.co/zJg2pbEZkT
— 正多面体クラブ (@RPolyhedra) February 27, 2016
この記事で一番伝えたかったことは「手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」ということ pic.twitter.com/rCKVoGqZcc
しまった💧
とっても大事なことを忘れてた!
こういう工作をしていて楽しいのは、仕組みを理解していると自然と次にすること(手順)が見えてくることなんです。だから、中には「解った!」子もいて、こちらが説明しなくてもどんどん作っていく。今回もそういう子がいたのですが、私が手順に重点をおいたスライドを作ってしまったために💧「解った!」の境地に達する(=楽しかったと感じる)子が少なかったのではなかろうか?💧
帰りの電車に乗ってるとき、今日は何がまずかったのだろう? と一人脳内反省会をしていて、
かつて自分が「手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」と言っていたのを失念してたのに気付き💧
仕組みを理解するためには、どういう説明をしたらいいのだろう?
正多面体(20・12面体は準正多面体)を説明するときは「対称性」に着目しなくちゃね。
そもそも今の作り方(三角形作って、五角形作って、下から上に組み上げていく)のは妥当か?
20・12面体ボールは6つの大円でできている。とある1つの大円を赤道として上下を見れば・・・
あ~! 赤道から作れば劇的に分りやすく簡単になるじゃないか!!
次にやるときは、このスライドを全面改訂します😃
※「手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」スライドにすれば、30分以内で組み立てができる。さらに、PPバンドの角切りをなくせば、タイムテーブルは…
・初めのお話:10分
・組み立てる:30分
・終わりのお話:20分 ←ここで以下のスライドのお話ができる。
このスライド、今回のスライドの一部なのだが、午前の回では速足で説明。午後の回ではパス💧
ものづくりの科学教室では「作っただけで終わりにせず、必ず科学的なお話もする」のが私のポリシーなのだが、今回はそれが出来なかった。準備に多大な時間を割いているのは、この科学的なお話をして子供たちに「科学のタネ」を植えつけるためなのに~
次回はそこんとこ、しっかりやります🙂
それと「20・12面体って何? 」を説明するためのスライド…
…これを作る前にお話ししたのだが、最初にこういう話をすると興味をなくして聞いてない子がいる。
完成品の20・12面体ボールを見て、これからこれを作るんだ!とワクワクしてるとこで、こういう進め方をしてはいけなかったのだ。まず作らせる。そして「できた~!」とテンションアップしてるところで科学的なお話をすると、それが記憶に残り「科学のタネ」になる。
次回は、まず作る! お話はそのあとで😊
その結果→2021/05/01 東芝未来科学館【リカタンず】『20・12面体ボールを作ろう!』2回目
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