JOSHIBISION 2020(女子美術大学卒業制作展)に行ってきた
去年初めて藝大卒展に行ったら足が棒になるほど面白かったので、今年も藝大卒展を見に行った。そして思った… 他の美大の卒展も見に行ったら面白いんじゃない😊
2021/03/02(火)~06(金)東京都美術館で『JOSHIBISION 2020』女子美術大学(大学院、大学、短期大学部)学生選抜作品展・女子美術大学付属高等学校卒業制作展 をやっているので、3月2日に見に行ってきました。
で、私のお気に入り作品を並べておきます。作品画像の下の『…』は作品に添えられていた作者の想いです。
▼≪悲喜交交≫ 石井杏奈(大学院 美術研究科 洋画研究領域)
『我々の日常には悲しみと喜びがかわるがわるやってくるが、それらの感情に振り回されることなく心のバランスを保つためにも、仮面を被って生きているように思う。仮面の下でどのような表情をしているのかは、鑑賞者に自由に決めてもらいたい。』
会場に入ってすぐにこの絵はインパクトありました。
▼Waltz 大竹由子(デザイン・工芸学科)
『ワルツの旋律にのせて、舞踏会を背景に、ドレスや装飾をモチーフとし優雅な雰囲気や楽しい音楽の流れを表現しました。主旋律をドレスの回転する動きに、その間を縫うように流れるオブリガートを華やかで煌びやかな建物の装飾をモチーフに現しました。空間に揺らぐものは重低音の響きです。観る人に音楽が巡り、その空間に想像が広がるような作品にしたいと思いました。』
この作品、絵ではなくて、刺繍なんです!
▼絵古語帳 横山萌(短期大学部 造形科 デザインコース)
『古語は日本ならではの美しい言葉。しかし現代においては使われず、失われつつあります。古語の魅力を多くの方に知ってほしい。気軽に楽しんでほしい。そんな思いから絵古語帳は生まれました。古語をイメージしたイラストとそっと添えた一言で、趣のある古語の世界を味わってください。』
「言葉」と絡めた作品、私は好きだな~ なので、ひとつずつ・・・
▽朝催ひ【あさもよひ】朝食のしたく。また、朝食どき。
最初の 大仕事。
▽人馴る【ひとなる】(動物が)人になつく。
思いっきり甘えよう。
▽紙鳶【いかのぼり】凧のこと。
大人だって 子供になっていい。
▽紅差し指【べにさしゆび】口紅をつけるのに用いた薬指のこと。
自分は 自分の手でしか変えられない。
▽落ゆ【あゆ】(花・実などが)落ちる。/(血・汗などが)したたり流れる。
負けてなるものか。
▽しほたる 涙を流す。泣く。
失恋記念日。
▽一縷【いちる】一本の糸。また、そのように細いもの。/ごくわずかであること。一筋。
ひと筋でも手繰り寄せて。 離さないで。
▽月の客【つきのきゃく】月見をしている客。月を眺めにきた人。
『今夜は月が綺麗ですね。』
▽絶ゆ【たゆ】死ぬ。途切れる。息が絶える。
また会う日を楽しみに。
⇒Twitter ヨコヤマモエ @moe_oeo
※「紙鳶」 紙のトンビと書いて 「たこ」 だろうと思ったら、「いかのぼり」って読むのか~!
あ!そういえばNHKチコちゃんに叱られる!でも、
たこあげはなんで「たこ」なの? という質問がありましたね。
答えは、イカが禁止されたから~😃
・たこの起源は、紀元前4世紀ごろの中国で使われていた 紙鳶(しえん)
・江戸時代、バランスとるための長い紙や糸のついたものが多く使われるようになり、これを いか・紙鳶(いかのぼり)と呼んでいた。
・そしてそれが大流行。ブームが過熱しすぎてトラブル多発。いかのぼり禁止令が発令された!
・江戸の庶民は「いか」が禁止だったら「たこ」という屁理屈でたこあげを続けた😅
※「一縷」で検索したら
↓ この動画がトップに出てきた。
【好評配信中】上白石萌音「一縷」(映画『楽園』コラボMV)
※藝大卒展のときも「言葉」と絡めた作品『憑代』を楽しんでた私😊
▼Gaia hypothesis 劉佳緒(大学院 美術研究科 日本画研究領域)
『私達人間はきっと、いつか絶滅するのでしょう。ずっとこう信じて、でも悲しいと思いません。世のバランスの極普通の一環だと思います。一時的に盛んで、段々絶滅した動物が少なくないです。アンモナイトもそれらの一つ。一方、強くない身体を持ったまま太古から生き残ってきたクラゲのような動物も確かにあります。時々不思議と思うが、こういうものですね、世のバランスは。』
↓この絵具の盛り上がりが化石ぽくてイイな~😊
『私達人間はきっと、いつか絶滅するのでしょう。』ん、そう思います。
私がアンモナイトの化石のレプリカ作りを通して伝えたいことは、その絶滅の時をもっと先に延ばすための『持続可能な社会』
※題名の『Gaia hypothesis』は「ガイア仮説」です。
あ~!「Gaia hypothesis」で検索すると…
⇒ガイア理論 - Wikipedia がトップに出てくるんですが、「仮説」じゃなくて「理論」になってる!
デイジーワールドというシミュレーションで『生物学的にもたらされた恒常性が目的論的な説明を要しないということを確かに証明した』ので、仮説が理論になったのですね。
ん~ JOSHIBISIONをきっかけに、こういう(私にとっては)新しい知見が得られるとは… 楽しい😊
▼egg shell 吉田朋子(デザイン・工芸学科)
一目見て「これ入ってみたい!」と思ったんですが…
『これまで私は家族・先生・学校に大切に育ててもらい生きてきました。まるでたまごの中にいるかのように、たくさんの"殻"に守られていたのです。しかし、これからは私−1人の人間−として生きていくことを意識するようになるのでしょう。そんな私の支えになるように。そしてその決意を忘れてしまわないように。守ってくれた人たちへの感謝をこめて、私へ贈ります。』
あ~ 卵から出ていく自分を意識していたんですね。
JOSHIBISIONでは、女子美術大学(大学院、大学、短期大学部)学生選抜作品展の他に、
女子美術大学付属高等学校卒業制作展もあったのですが、こちらは撮影禁止なのでした。
撮らせてくれて芸術家の卵たちの作品を世に紹介した方がいいんじゃないの? と思ったんですが、ふと考えてみると…
高校生の時に自分の作品がネット/SNS等で「いいね!」されたり/されなかったりすると、舞い上がったり/落ち込んだりしちゃいますよね。(魔女の宅急便のキキみたいに)
美大を出た人は、自分の作品の評価に対するメンタル面も鍛える必要があるでしょうけど、高校生の時はまたメンタルより技術だよね~
だから撮影禁止なんだね。と勝手に納得。
ところで、女子美術大学付属高等学校卒業制作展の作品も面白かったですよ。大学生の作品とはかなり違う。女子高生~!(女子高生の頭の中のイメージを形にした!)って感じの作品でした。
さて次は、武蔵野美術大学の卒展を見に行こうと思っていたのですが…
『事前予約枠は定員に達しました。』💧 しまった、今どきの卒展は事前予約制のとこ多いから、もっと早くにチェックしておくんだった。
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