大和市 冬のおもしろ科学館『アンモナイトの化石のレプリカ作り』のスライド
2020/12/05(土)大和市文化創造拠点シリウスにて、冬のおもしろ科学館2020が開催されました。これに『アンモナイトの化石のレプリカ作り』で出展しました。
出展者は『あうるの森』で、正多面体クラブは『あうるの森サイエンスラボ』でして、科学イベント出展のときは互いに協力関係。今回『アンモナイトの化石のレプリカ作り』にしたのは、コロナ禍で中止になってしまったイベントの材料があったから💧
今回はコロナ禍で三密を避けるため参加人数を80人に制限しての開催。80人一斉にではなく、8人ずつ10グループに分け、午前と午後、5つのアイテムを1アイテム20分(移動時間10分)で順に巡るという方式。
今年はコロナ禍で科学イベントは軒並み中止。そんな中でもオンライン実験教室を1回担当しましたが、子供たちと対面での科学イベントはこれのみ。だから色々気合が入って、説明用のパワーポイントのスライドが25枚にもなってしまった!
1回20分の中で、作り方を説明し(5分)、8人の子供たちが作り(10分)、お話の時間は5分しかないのだが、25枚ものスライドを作ってしまって💧 どうすんのよ💧
だって、子供たち&子供と一緒に来る親たちに伝えたいアンモナイトのお話が盛りだくさんで😅 まぁ、時間の許す限りお話させてね😊
ということで、そのスライドの内容をここに載せておきます。
(⇒で示したリンク先は、そのスライドで引用させていただいた画像のページです。
→は正多面体クラブ内の記事へのリンクです。)
▼化石のレプリカ
・レプリカ(replica)は複製
・化石は太古の生物の痕跡が砂や泥などの中に埋もれ、何億年という時を経て、地層の中に残されたものです。
・アンアンモナイトは古生代の中頃 約4億年前に誕生し、中生代の末期 約6600万年前に恐竜とともに絶滅しました。
⇒「大恐竜展」大阪・なんばで、実物大"ティラノサウルス"ロボット&触れる巨大ウンチ化石|FASHION PRESS
▼「おゆまる」で作るアンモナイトの化石のレプリカ
動画で作り方を説明しました。その動画は近日中にYouTubeにアップする予定 ←と言いながら、8か月後にアップしました💧
この動画のあとレプリカ作りを行い、作り終わったら以下のスライドでアンモナイトのお話です。
▼生物の進化
⇒動物とは - コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説「動物の系統樹」
・化石を調べることで生物がどのように進化してきたのかを知ることができます。
・アンモナイトは軟体動物・頭足類
▼頭足類(とうそくるい)
⇒頭足類とは――まさしく海の霊長類|有限会社ホワイトラビット
こちらの図、頭足類を子供たちに説明するのにとってもイイ!😊
▼頭足類の進化
⇒頭足類とは――まさしく海の霊長類|有限会社ホワイトラビット
頭足類の進化の系統図で、アンモナイトはイカやタコの仲間だということを伝えます。
アンモナイトは螺旋状の殻をもっていたけど、イカやタコは殻をもってないよね。でも、現在でも殻をもつイカやタコがいるんです。
▼コウイカ
⇒コウイカ目 - Wikipedia
⇒コウイカ(スミイカ)の捌き方!|魚屋三代目日記
コウイカの甲は殻のなごりなんです。
もともとは体を守るためのものだった殻が退化して、体の中に取り込まれ、螺旋状ではなく真っすぐになってますが、今でも螺旋状の殻をもったイカがいます。それが…
▼トグロコウイカ
⇒【トグロコウイカ】の殻…石垣島 貝殻拾いの旅で拾った逸品|あうるの森
⇒トグロコウイカ - Wikipedia
⇒Open Ocean Exploration|twitter
殻をもつタコもいます。
▼アオイガイ
アオイガイの殻は雌だけが保育のために作り、雄は殻をもちません。
アオイガイという名前は、殻を二つ並べると「フタバアオイ」という植物の葉に似ていることからきてます。フタバアオイは徳川家の紋「三つ葉葵」の元になった植物です。
⇒珍魚採集報告第64号 アオイガイ|東京都島しょ農林水産総合センター
⇒アオイガイ - Wikipedia
現生頭足類にはイカ、タコの他にオウムガイがいます。
▼オウムガイ
⇒イカ、タコ、オウムガイの仲間|鳥羽水族館
オウムガイは鳥羽水族館に行くと見ることができますよ。
※以下、オウムガイの生態画像は鳥羽水族館のものです。
▼これ、な~んだ?
ディズニーシー 海底2万マイルの潜水艦 ノーチラス号
⇒「ディズニーシー ノーチラス」で画像検索
ノーチラス号はジュール・ヴェルヌが1870年に発表した古典的なSF冒険小説『海底二万里』に登場する潜水艦です。
そして、潜水艦になぜノーチラス号という名前をつけたのかというと~
▼オウムガイは Nautilus
オウムガイは英語で“Nautilus”です。
⇒「海底2万マイル ノーチラス号」で画像検索
⇒近くて遠い宇宙空間、深海 【沼津港深海水族館】② - Next Education
⇒潜水艦はどうやって潜行したり、浮上したりしているのでしょうか?|Yahoo!知恵袋
潜水艦はバラストタンクの水と空気の割合を増減することで、沈んだり浮いたりすることができます。
オウムガイも同じような仕組みで海の中で浮いているのです。
▼オウムガイの殻
※右側のオウムガイの殻はMyコレクション
▼オウムガイの殻の中
オウムガイの殻の中を覗くと、螺旋のずっと奥まで続いていると思いきや、壁があって行き止まり。そして、壁には小さな穴が開いています。壁の奥はどうなっているのでしょう? オウムガイの殻は半分に切断してみると~(って、私が切断したわけではありません💧 博物館のショップで購入したものです。)
▼オウムガイの殻の断面
オウムガイの殻の中は隔壁によって仕切られた多数の空間がありこれを「気房」と言います。オウムガイの体(軟体部)は殻の入り口から一番手前の隔壁の間に入っていて、ここを「住房」と言います。気房の中には気体と液体が入っていて、その割合を変化させることで浮力調節を行っています。←ここんとこが潜水艦と同じなんです。
この浮力調節は気房を貫く「連室細管」によって行われます。
→オウムガイの浮力調節は「浸透圧」による
▼アンモナイトの化石の断面
アンモナイトの化石を半分に切断してみると~(って、これも私が切断したわけではなく、半分に切断して断面を磨いたものが売られています。)オウムガイと同じように隔壁があって多数の「気房」があることが分ります。だから、オウムガイとアンモナイトは進化的に近縁の仲間なんです。
→アンモナイトの螺旋
→アンモナイトの隔壁は凸で、オウムガイの隔壁は凹、なぜ?
▼オウムガイ と アンモナイト
アンモナイトは絶滅してしまい、化石として残っているのは殻の部分だけ。軟らかい体は化石として残っていないので、生きていたときの姿は想像するしかありません。アンモナイトとオウムガイは仲間だから似たような姿だろうと思われるのですが、アンモナイトはイカやタコに近い生き物なので、その想像模型(右側の写真)はイカやタコに似た姿になってます。
→「化石のレプリカ」 アンモナイトのお話
▼このポケモン 知ってる?
・ポケモン№138
⇒オムナイト|ポケモンずかん
オウムガイとアンモナイトが仲間だと知ってると、ポケモン『オムナイト』が何でそういう名前なのかわかるよね😃
▼これな~んだ?
⇒風の谷のナウシカ:虫図鑑|ジブリ博物館
「オーム」は、でっかいダンゴムシだと思ってたんだけど、オームの触手とオウムガイの触手…似てるよね~😃
※以前、化石のレプリカを作った子に「あ~これ作ったんだ~これ何だか知ってる?」ってきいたら
「かたつむり~」
( ̄□ ̄;)ガーン
という、とってもショックなことがありまして~
以来、化石のレプリカ「アンモナイト」を記憶に留めるための科学的?お話をしています。
▼地球カレンダー
地球は46億年前に誕生しました。
でも「~億年前に~がありました」と言っても日常のタイムスケールと大きく違うので直感的に理解できません。そこで、地球が生まれてから現在までを12か月の「地球カレンダー」として説明すると分りやすくなります。
地球が生命で満ち溢れる世界になったのは、地球カレンダーでは11月の中頃からです。アンモナイトは恐竜とともに絶滅してしまったけれど、アンモナイトが海の中で繁栄していた期間は…こ~んなに長いのです。それに比べて私たち人類は…たったこれだけなんです💧
⇒地質時代 - Wikipedia 地質時代のタイムスケール
(画像は2012年に検索したときのもの)
※20分の時間の中で、このスライドを使ったアンモナイトのお話は5分程度。10回のほぼ毎回時間押せ押せ💦ちょいオーバー💧でスタッフの皆様にはハラハラさせてすみませんでしたm(_ _)m
ほとんどの回は、ここでおしまい。
↓博物館のお話までしたのは2回ほど。
▼神奈川県立 生命の星・地球博物館
アンモナイトは長~い間繁栄していたので、アンモナイトの化石は大量に出てきます。
神奈川県立 生命の星・地球博物館には、こんなに大きなアンモナイトの化石の壁があって、アンモナイトの化石を触ることができます。箱根に行くことがあったら、ぜひ生命の星・地球博物館にも行ってみてください。
※画像は神奈川県立 生命の星・地球博物館に行ったとき(2014年)に撮影したもの
▼北海道 三笠市立博物館
もっと大きいアンモナイトの化石を北海道の三笠市立博物館で見ることができます。北海道は遠いけど、北海道に行ったら行ってみたい博物館。さらに、三笠ではアンモナイトの化石を採集できるらしい。注意!クマよけの鈴は必携らしい😅
※画像は2014年に「三笠市立博物館 アンモナイト」で画像検索したときのもの
↓ここまでお話できたのは1回だけ。時間も5分ほどオーバー💧
▼アンモナイト ammonite の語源
アンモン(Ammon)の石(-ites)⇒「アメン神の石」
カルナック神殿のスフィンクス参道
太陽神アメン(シンボル:雄羊)
⇒エジプト神名リスト:アメン
⇒アメン - Wikipedia
さらに、↓こんなスライドも用意してたんだけど、盛り過ぎでした😅
▼化石の入った石 ノジュール(コンクリ―ション)
→三葉虫の土だんご(Trilobite In Nodule)
→化石の入った丸い石…ノジュール(球状コンクリーション)はそうやってできるんだ~
▼三葉虫
→三葉虫の土だんご(Trilobite In Nodule)
⇒風の谷のナウシカ:虫図鑑|ジブリ博物館
▼この日の会場のセッティング
前列のテーブルには、ノートPC、プロジェクター、「おゆまる」を温めるための電気鍋、そして「おゆまる」山積み
2列目のテーブルでアンモナイトの化石のレプリカを作ります。
8人の子供たちが4人ずつ
待っている間は3列目のテーブルの標本を見てもらいます。
この日並べた標本は…
▼アンモナイトとチョッカクガイ
↑化石
↓現生頭足類の殻
▼コウイカの甲、アオイガイ、オウムガイ
化石のレプリカ「アンモナイト」を記憶に留めるための科学的?お話の手法として、
視覚・聴覚・触覚…複数の感覚刺激を同時に与えるために、化石標本は自由に触ってもらいました。
(コロナ対策のため、毎回除菌ウェットティッシュで拭いてます)
こういうところで私の化石コレクションを活用しないと、押し入れの奥で眠ってるだけになっちゃいますからね😊
また、アンモナイト→頭足類→軟体動物→貝 というつながりで、貝殻の標本展示をし、参加者には貝殻標本も配布しました。
▼貝殻標本の展示
アンモナイトの殻は巻いているので、貝殻標本は巻貝のみ。
『アンモナイトの化石のレプリカ作り』参加者アンケート抜粋
・アンモナイトの話を聞いて、昔の生物に興味を持ちました。
・標本がたくさんあり、興味が湧きました。
・アンモナイトのブースは、子供が楽しめ、親も勉強になりました。←ココ!私が目指す科学イベントの姿です😃
ところで、引用させていただきましたこちらの画像ですが…
⇒頭足類とは――まさしく海の霊長類|有限会社ホワイトラビット
なんで 有限会社ホワイトラビット CT・画像解析・ソフトウェア開発の会社のサイトの資料・コラムに頭足類のお話があるのでしょう?
あ、棘皮動物とは――海中の五角形なやつら こっちの話も面白いぞ😃
そして ↓こんなツイートが貼ってあった。
ケーキを買ったら、リボンがテヅルモヅルだった件 pic.twitter.com/jpwyH28jgJ
— 有限会社ホワイトラビット (@XRayCT) August 27, 2018
ケーキのリボンからテヅルモヅルを連想してしまうところがいいね😃
プロフィールを見ると…
『東北大学理学部、同大学院。化石の研究で博士号(理学)取得後、起業』あ~ それで!
面白いコラムをありがとうございます。
ところで、私は「ノーチラス号」と聞くと →「ネモ船長」→「ふしぎの海のナディア」と連想し…
『私を艦長とは呼ぶな。この船は軍艦ではない!』を思い出してしまう😅
⇒船長と艦長の違いて何ですか?|Yahoo!知恵袋
え! じゃぁ 『私を艦長とは呼ぶな。この船は軍艦ではない!』 これが名セリフとして通用するのは日本だけなの?
“Nautilus”で検索すると、いろんなものの名前に使われてるんですね~⇒ノーティラス - Wikipedia
「オウムガイ」で検索すると… うまいらしい。
⇒オウムガイの捕まえ方と食べ方 :: デイリーポータルZ
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