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2020年11月15日 (日)

ネオジム磁石はすごいゾ!【磁石がゆ~っくり落ちるパイプ】

アルミは磁石にくっつきません。でも、
アルミパイプの中にネオジム磁石を落とすと、磁石がゆ~っくり落ちるんです。
その様子を動画でご覧ください。
磁石がゆ~っくり落ちるパイプ

この実験を初めて見た人の多くが、 え! なんで? どうして? という反応をします。これは科学を伝える絶好のチャンスです。
それは~「渦電流(うずでんりゅう)」と「レンツの法則」で説明できるのですが、それをWikipediaに書いてあるような説明をすると(科学イベントや科学教室の)お客さんが逃げて行ってしまうので、いかにに興味を引き付けつつ分かりやすい説明をするか。←ここが重要です。
で、私はそれを説明するのに「ふりふり発電機」と「電磁石」を使っています。

ふりふり発電機
Mfsipipe01
「ふりふり発電機」で検索すると、作り方はいっぱい出てきます。

電磁石
Mfsipipe02
「電磁石 作り方」で検索すると色々出てきますが、ボルトとナットを鉄芯にしてエナメル線をぐるぐると巻けば電磁石が作れます。簡単です。

↑この2つの実演をした後で、アルミパイプの中を磁石がゆ~っくり落ちる理由を次のように説明しています。
Mfsipipe5
金属の近くで磁石が動くと電流が流れ(電磁誘導による渦電流
電流が流れると磁石になる。
このとき流れる電流、それによってできる磁場の向きは、運動を妨げる方向になる。(レンツの法則
だから磁石がゆ~っくり落ちるんです。

この説明をすると、子供たちより、子供と一緒に来たお母さんの方が「ん、ん、そうなんだ~😃」と興味深げに聞いてますね。

そして何より、この実験の最大の見どころは、パイプの中を落ちていく磁石を覗いて見ることです。
Neodymp1
アルミパイプの中をネオジム磁石が何重にもなった光の輪をまとい、ふわふわ~と落ちていくのです。
これを覗いて見たときの皆さんの反応がイイですね。うわぁ! お~! なにこれ!? スゲー!
そして、これまでで一番の感想が…
「宇宙みたい~!」
「土星みたい~!」

この実験で、ふわふわと落ちていく磁石はアルミパイプに接触しません。どちらかに磁石が偏ると、そちら側の渦電流が強くなるので磁石が押し返され、別の方向に偏るとまた押し返され… そのため磁石はアルミパイプの中をふわふわと落ちるんです。
この落ちる様子を見てると、ちょっと癒されますよね。だから『癒し系物理実験』なんです😊



あ、この実験は銅パイプで行うと、さらにゆ~っくり落ちます。それは、アルミより銅の方が電気伝導率が高いからです。電気伝導率が高いと電磁誘導による渦電流も流れやすい。でも、銅パイプはアルミパイプより値段が高いし、ちょうどいい径の銅パイプの在庫が(東急ハンズに)なかったので、私はまだ銅パイプで実験してません。アルミパイプと銅パイプを並べて、同時にネオジム磁石を落として比べてみたい。

電気伝導率 - Wikipediaより、アルミ、銅、銀の電気伝導率をみると…
アルミ Al 37.4
銅 Cu 59.0
銀 Ag 61.4
…これより、銀パイプで実験すれば、アルミや銅よりも ゆ~~っくり落ちると推測されますが、その実験はまだ見たことがない😅


渦電流はリサイクルの現場で「アルミ選別機」に使われています。


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