樹村みのり『冬の蕾―ベアテ・シロタと女性の権利―』…憲法の男女平等はここから…
1980年代は少女漫画の黄金期だったのか~と、マイコレクションを並べてみた(後編)…倉田江美、樹村みのり、清原なつの を書いていて、それぞれの作品にAmazonへのリンクを張ったんですが、私は大好きな作家さんでも、一般的にはマイナーなので、今は中古本でしか手に入らなかったり、Amazonカスタマーレビューは僅かだったりするのですが…
そうだ! twitterで検索すればマイナーでもコアなファンの熱いツイートあるよね? と検索してみた。
⇒倉田江美
⇒樹村みのり
⇒清原なつの
そして「樹村みのり」に関するツイートの中に
↓このツイートがあった。
#憲法記念日におうちでデモろう
— hontuma (@hontuma) May 3, 2020
日本国憲法に男女平等の草案を加えたアメリカ人女性のベアテ・シロタの半生を描く樹村みのりの傑作。当時の時代背景と女性の権利、憲法の制定を今一度考えながら読んでほしい一冊。
https://t.co/b8GSq4ZqqD #冬の蕾―ベアテシロタと女性の権利―
冬の蕾―ベアテ・シロタと女性の権利―樹村みのり 2005年作
ベアテ・シロタ・ゴードン - Wikipedia 『日本では日本国憲法第24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)草案を執筆した事実が1990年代になって知られ、著名となった。』あ、そうだったんですか。知りませんでした。
私と同様にベアテ・シロタ・ゴードンさんと憲法第24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)の経緯について知らない方は、是非!このマンガを読んでみましょう。
読んでみて驚いた!(日本人として自分がこのことを知らなかったことにも驚いた)
以下ネタバレですので、まずは読んでみてください。
※現在は公開終了してますので、お近くの本屋さんへ。Amazonなら⇒冬の蕾――ベアテ・シロタと女性の権利 (岩波現代文庫)
↓画像をタップ
第1話:48ページ、第2話:42ページ、第3話:40ページありますので、お時間のない人は以下をどうぞ。
『冬の蕾』第1話より戦前の女性が法律的にはどのように扱われていたかを抜粋…
まず戸主権というものがあり、戸主(家長)の家族に対する支配権は絶対的であり、家族は服従しなければならなかった
女子は25才まで家長の同意なしには結婚ができなかった
夫の許可のない妻の経済行為は無効
結婚したら妻の財産だって夫に管理権がある
夫の姦通は離婚原因にならないが、妻の姦通は刑法上の罪となるうえ、夫が2人を刺傷しても罪にならなかった
そして夫が死ぬと…
あくまでも男子尊重の制度だった
戦前の女性は法的にはまったくの無能力者で…だって仕方ないんです
愛がなくても結婚しますのよ 日本では
↑なにこれ~! 戦後生まれの私たちにとっては「ありえな~い!」世界ですね。こんな世界に転生しちゃったらどうする? それが戦前の大日本帝国憲法下の実際にあった世界なのですよ!
日本の女の人が優しく淑やかで謙虚で忍耐強いのは、何ひとつ自分の手で自分の人生を決めることが出来ない諦めゆえなのかしらね
日本人女性の美徳的イメージは、この旧世界の制度によるものだったのか~
『冬の蕾』第2話は、ベアテ・シロタが憲法第24条の元になった人権条項の草案の原案を書くまでの話で…
…ここからが感動の展開…
その頃の日本の女性は法律的にはほとんど無力でした
それらは長い間に因襲となって人々の心の中に固定されています
日本の民法を書く人達が女性のことを考えてくれるとは思えません
ん、そう思う!
ベアテ・シロタのつくった原案のうち第18条だけが最終的にGHQの憲法草案の中に残り、憲法24条のベースになったんだけど…
戦前の女性労働者の母性保護と
非嫡出子(正式な夫婦の間に生まれた子供ではない子供)差別についての
彼女の明快な回答ともいえる第19条があった
あ~これが日本国憲法に取り入れられていたらよかったのに。。。
現代を生きる私にとっては「こうあるべき!」と思う内容です。でも当時はまだ早すぎたみたい。
『冬の蕾』第3話は、GHQ草案から日本国憲法成立に至る感動のお話です。
冬の蕾―ベアテ・シロタと女性の権利― 是非お読みください。
憲法第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。憲法第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
ん~憲法と言うと9条ばかりが話題になりますが、24条はそれにもまして守っていくべきものだと思いました。
※2020/12/11追記
性差(ジェンダー)の日本史
国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で、そんな企画展をやってたんだ~
見に行きたかったな。
↓こちらの記事が詳しく伝えてる。
驚きの連続「性差の日本史」展 -歴博、売買春にも切り込む|47NEWS
※2020/12/26追記
日本のジェンダーギャップ、グラフでみたらこんなに遅れていた|HUFFPOST
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