ビー玉で「再帰性反射」の実験
ビー玉を敷き詰めて、フラッシュ撮影すると…
↑ただのビー玉が…
↓全部白く光る!!
なぜ?
これ「再帰性反射」なんです。
⇒再帰性反射とは
入射した光が再び入射方向へ帰る反射現象です。
なんでビー玉が再帰性反射するの?(ビー玉万華鏡のしくみの繰り返しになるんですが…)
「凸レンズ」は知ってるよね?
凸レンズで太陽の光を集めて紙を焦がす実験したことない?
⇒虫めがねで紙をこがす|NHK for School
凸レンズ(虫めがね)で太陽の光を集めたとき、光が一番小さく絞られたところが「焦点」、レンズから焦点までの距離が「焦点距離」です。
さて、凸レンズが厚くなると、焦点距離は短くなります。
さらに厚くなると、焦点距離はさらに短くなります。
普通のレンズは球面レンズです。
そして、レンズをどんどん厚くしていくと「球」になります。
ガラスの球体=ガラス玉⇒ビー玉ですね。
ガラス玉レンズの焦点は(ガラスの屈折率にもよりますが)だいたい球面になります。
さて、空気→ガラス→空気と異なる媒質の中を通る光は「屈折」するのですが、すべての光が屈折するのでなく、一部分は「反射」します。
で、ガラス玉の中で反射する光を図で示すと…
入射した光が再び入射方向へ帰っていきますね。
これがガラス玉(ビー玉)の「再帰性反射」なんです。
そして、ガラス玉の再帰性反射は身近なところでとっても役立っているのです。
それが ↓道路標識
↑夜の道路標識をフラッシュを使わず撮影
↓フラッシュ撮影すると…
道路標識の表面には 0.1mm程度のガラスビーズが一面に貼り付けられていて、自分では光らなくても、車のヘッドライトの光が当たると、光が来た方に反射してドライバーに見える! という優れものだったのです。
ガラス玉と顕微鏡
レーウェンフックは『歴史上はじめて顕微鏡を使って微生物を観察し、「微生物学の父」とも称せられる』人です。
レーウェンフックの顕微鏡は『径1mm程度の球形のレンズを、金属板の中央にはめ込んだだけの単眼式のものであった。』のですが、径1mm程度の小さなガラス玉の倍率は何百倍にもなるのです。詳しいことは、こちらを参照⇒ガラス玉レンズの焦点距離と倍率|光と色と
ビー玉は径が大きいのでそんなに高倍率にはなりませんが、虫眼鏡よりは大きくものを見ることができます。ビー玉の焦点はだいたい球面にありますから、ビー玉を液晶ディスプレイ(液晶TV)の画面にピタッとくっつけてみると~
ほら、液晶ディスプレイの画素が見えるんですよ!
(スマホのディスプレイは画素が細かいので、ビー玉では個々の画素が識別できるほどにはならなかった。)
※関連記事
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