猫ビーム!は『再帰性反射』
↓これが、猫ビィーーーム!です(^o^;
「猫ビーム」で画像検索すると、多くの人が「猫ビーム」画像をアップしてます。
ビー玉で「再帰性反射」の実験の記事を書いたら、「あうるの森」さんから「これも再帰性反射じゃないの?」と質問され、「お~!これも再帰性反射だよ!」と、その画像を借りてきました。
↑この猫の目の光の反射と、
↓ビー玉の光の反射と、
↓道路標識の反射
…これらの光の反射がみな「再帰性反射」なんです!
ビー玉と道路標識の再帰性反射の図(詳細は→ビー玉で「再帰性反射」の実験)
ネコの目でも↑これと同じことが起こってるんです。
↓ネコやヒト(哺乳類/脊椎動物)の目に入った光が網膜で焦点を結ぶ様子の模式図
でね、ネコの目の場合、網膜で光が反射するのです。
↓ネコの目に入った光が網膜で反射して帰っていく経路
はい、↑この図の光の経路は、ビー玉の再帰性反射の光の経路と同じですね。
でも、なんでネコの目は網膜で光を反射するの?
それは、網膜の下にタペタム(tapetum 輝板)という層があって、ここで光が反射するのです。
なんで、タペタムなんてものがあるの? ヒトには無いのに。
え~ 目に入った光は、網膜の視細胞(杆体・錐体)の中の光受容体と反応すると、その刺激が視神経から脳に伝えられます。目に入った光の全てが視細胞で受容されるかというと、そんなことはなくて、私のイメージでは網膜の視細胞/光受容体はスカスカだから、光の多くは網膜をすり抜けていく。光満ち溢れる昼間に活動する動物はこれで問題ないけど、夜行性の動物はこれだど暗闇の中でものを識別しづらい。そこで、網膜をすり抜けてきた光をタペタムで反射して、もう一度網膜を通せば感度が2倍になる!(^^)v ←これ、なかなか素晴らしいアイディアですよね。誰かが考えたんじゃなくて、進化の結果ですけど。
そんなわけで、夜行性の動物の多くはタペタムを持っています。[要出典] どこかで読んだ気がする。
その代表例がネコなんですね~
参考ページ⇒猫の目の仕組み・不思議:暗闇のなかでキラリと光る印象的な大きな瞳|参天製薬
また、キンメダイ(深海魚)の目が光るのもタペタムがあるからです。
⇒「キンメダイ タペタム」で検索
「猫ビーム」と言っても、ネコの目はライトのように自分で光っているわけではありません。目に入った光が網膜の後ろのタペタムで反射して、網膜上に焦点を結んでいるから反射した光は「再帰性反射」となり、入射した方向に帰っていくのです。
※参考リンク
目の構造とはたらき|参天製薬
網膜─デジタルカメラとは違う構造と機能|星城大学リハビリテーション学部[PDF]
深海の魚─眼とウキブクロとスクワレン|J-Stage[PDF]
※関連記事
2020/06/29 ビー玉万華鏡の仕組み
2020/07/07 ビー玉で「再帰性反射」の実験
2012/05/28 nepia鼻セレブのうさぎさん→視交叉はどうなってるの?
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