名刺3枚で正20面体
名刺に切れ込みを入れ、3枚の名刺を互いに直交するように組み合わせることができます。
組み合わせた名刺の角(頂点)を互いに結ぶと正三角形になっており、一つの頂点には正三角形が5面集まった形になるので、これ正20面体なんです!
その作り方~
名刺に下図のようにL字型の切れ込みを入れます。
切れ込みの長さは、短辺の長さの1/2です。
これを3枚用意し、組み合わせます。
組み合わせ方が分かりやすいように、3枚の名刺を3色に塗り分けておきますね。
▼2枚の名刺の切れ込みを下図のように重ねて互いに滑り込ませます。⇒
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▼短辺の1/2の切れ込みが左右に並ぶ位置で、2枚の名刺が互いに回転できるようになり、2枚の名刺が交差しました。
▼3枚目の名刺も同様に滑り込ませます。⇒
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赤い名刺に青い名刺を滑り込ませていますが、青い名刺の先には緑の名刺がありますから、ここも滑り込ませるには、緑と青の名刺の切れ込みが互いに向き合っていなければなりません。
▼3枚目も滑り込ませました。
▼最後に青い名刺を90度回転させるのですが、、、 どうやって?
裏側を見ると…
緑の名刺の切れ込みがあります。ここに青の名刺を挟み込むのです。。。 どうやって?
▼名刺は紙です。紙は曲がるんです。⇒
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緑の名刺の切れ込み部分を、ゆ~っくりと曲げて、そこに青い名刺を挟み込みます。そして緑の名刺は何事もなかったかのように真っ直ぐに戻しておきます。完成形だけ見ると、あ~ら不思議!3枚の名刺が互いに直交してますね。
■なぜ正20面体になるのか?
3枚の名刺を直交させ、その頂点を結ぶと正20面体になるのはなぜでしょう?
正20面体をとある頂点から見ると、正三角形が5枚集まって正五角形です。正五角形の各頂点を互いに結ぶと、みなさんご存知の☆型が描けます。
この星形は「五芒星」という形で、五芒星には「黄金比」という比率がいくつも隠されています。その一つが、正五角形の一辺と五芒星の一辺の比。1:φです。円周率がπというギリシャ文字で表記されるように、黄金比はφ(ファイ)というギリシャ文字で表記されます。
名刺3枚を直交させたとき、名刺の長辺は正20面体の頂点を1つ飛ばして結んでいました。これが五芒星の一辺に相当し、名刺の縦横比は黄金比なので、名刺3枚で正20面体が現れたのです。
ん~ RikaTan 2017年6月号 連載『作って楽しむ正多面体の不思議』第11回『名刺3枚で正20面体』では↑こう説明したんですが、なんかいまいち釈然としませんね(^^;
そこで改めて正20面体に黄金比が現れる理由を検索してみたら…
とっても分かりやすい説明を見つけました!
⇒正20面体の頂点座標の求め方 - Weblog on mebius.tokaichiba.jp
■実は…名刺は黄金比ではない
「名刺の縦横比は黄金比である。」と言われていますが、実は名刺の縦横比は黄金比ではありません。日本で使われている名刺のサイズはほとんどが55 mm×91 mmです。
55 mm×黄金比(1.618…)≒89 mm
2 mmも違うのです。ですから、黄金比ではない名刺を3枚組み合わせてその頂点を結んだ立体は正20面体ではありません。20面体ではありますが、「正」20面体ではありません。
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