ふしぎなひも/ふしぎな筒(動滑車4倍バージョン)の作り方
東芝未来科学館で『ふしぎなひも』の講師をしてきました。
『ふしぎなひも』を【リカタンず】でやりましょうよと提案を受けて、どうせやるなら子供たちに「不思議だね~」をいっぱい感じて、そして「中はどうなってるの?」と考えてもらいたいから、
↓これ全部やることにしました!
1つ作るのに20分で、4つで80分。90分の時間内に収まるよね? と目論んでいたけど、対象が「小学1年生-中学生」で、低学年の子も多かったので、1つ作るのに30分かかり、時間内にできたのは3つまで。最後の『動滑車4倍バージョン』は「お家にもって帰って作ってみよう」となりました。
ん~ これ作るの難しいから、作り方をブログに載せておかねば!
ふしぎなひも/ふしぎな筒(動滑車バージョン)を初めて作るなら、基本の2倍バージョンの方から作った方が仕組みを理解しやすいです。
→ふしぎなひも/ふしぎな筒(動滑車2倍バージョン)の作り方
■材料・準備
・紙管:長さ20cm、内径30㎜、厚2mm ※紙管をカットする方法
・紙管の一方の端に2個の穴を開けておきます。
この穴は、ひもの端を結ぶための穴と、定滑車用リングを結わえるための穴です。
1.5㎜のハンドドリルで穴を開け、くじり目打ちで使用する紐の太さに合わせてグリグリと穴の大きさを調整してます。
・製本テープ:幅25mm、長さ11cm、2枚
・蝋引き紐:太さ1mm~1.5mm、長さの違う以下の3本を用意します。
30cm(紙管の長さ+10cm)
90cm(紙管の長さ×4+10cm)
10cm(定滑車固定用)
※紐は伸縮しない表面が滑らかな物なら他の素材でも大丈夫なハズ
(以前リリアンを使っていて、リリアンは伸縮するから適材じゃなかったことに最近気づいた。)
・蓋:Φ33mm(紙管の外径-1mm)2枚
厚紙をサークルカッターでくり抜き、中心に紐を通す穴を開けておきます。
・カラーリング:Φ17mm(両端用)2個
・クリアリング:Φ15mm(動滑車・定滑車用)2個
■作り方
▼蓋の取り付け準備
製本テープは剥離紙が半分ずつ剥がせるようになっているので、まずは半分剥がして(紙管の端にぐるっと一周貼り付けます。注意:紙管の端に穴の開いていない側に貼ります。
製本テープの剥離紙の5㎜間隔の線に合わせてチョキチョキとぐるっと一周切り込みを入れます。
▼短い紐(30cm)と「動滑車」の取り付け
30cmの紐の端にクリアリングを結びつけます。このクリアリングが「動滑車」の役目をします。
※固結びした後、リングと紐を引っ張って結びがほどけないことを確認しておきましょう。
紐をクリアリングに結び、蓋の穴に通し、端をカラーリングに挟んで仮留めしておきます。
クリアリングを結んだ方の紐の端を紙管の中に入れ、製本テープを巻いた紙管の端に蓋をはめ込みます。
短冊状に切ってある製本テープの剥離紙を剥がし、一つ一つ蓋の中心に向けて引っ張るように貼って行きます。
ぐるっと一周すると、片側の蓋が出来上がり~
▼長い紐(90cm)と「定滑車」の取り付け
紙管のまだ製本テープを貼っていない端には2個の穴があります。
その穴の一つに10cmの紐でクリアリングを結びつけます。このクリアリングが「定滑車」の役目をします。
もう一つの穴には90cmの紐の端を結びつけます。
※紐を結んだら、引っ張って結びがほどけないことを確認しておきましょう。
先ほど短い紐の端に結んだ「動滑車」のクリアリングをこちら側の端に出して、
長い紐(90cm)を「動滑車」のクリアリングに通し、「定滑車」のクリアリングに通し、もう一度「動滑車」のクリアリングに通します。
↓こういう風に紐を通します。
何でこう紐を通すのか?
筒の中で紐は↓こうなっているからです。
筒の中で長い紐は「行って帰って、行って帰って」と2往復しています。だから短い紐の4倍の長さの紐が筒の外に出てくるんです。
▼長い紐の側に蓋を取り付け
短い紐を引っ張ると、長い紐は筒の中に引き込まれていきます。
長い紐の端を蓋の穴に通し、端をカラーリングに挟んで仮留めし、先ほどと同様に製本テープをぐるっと一周巻いて蓋をします。
▼紐の長さの調整…外側のカラーリングの位置決定
紐を引っ張って止まったところ(もうそれ以上引っ張れなくなったところ)がカラーリングの取り付け位置です。
そこにカラーリングを固結びします。反対側も同様に位置決めしてカラーリングを固結びします。
余った紐は切り落とします。
はい、これで出来あがり~(^o^)v
「ふしぎな筒」の「ふしぎなひも」をゆっくりと引っ張ってみましょう。
片側は筒と同じ長さの紐が出て来るのに、
反対側を引っ張ると~
こ~んなに長い紐が出て来るよw(^o^)w 不思議だね~
■「動滑車」とは?
この『ふしぎなひも/ふしぎな筒』は(動滑車バージョン)と呼んでいるように、「動滑車」を応用した科学おもちゃです。では「動滑車」って何?
こちらをご覧ください。⇒中学校理科 第1分野/仕事とエネルギー - Wikibooks
「動滑車」を習うのは中学理科のようなのですが、小学生でも『ふしぎなひも/ふしぎな筒(動滑車バージョン)』を引っ張ってみれば…
短い方を引っ張るときは大きな力が要る。
長い方は軽~く引っ張ることができる。ということが分かります。
大きな力で短い距離
小さな力で長い距離… どっちが楽? と考えることで「仕事とエネルギー」を知るきっかけにはなると思います。
でも「仕事とエネルギー」なんていう小難しそうな言葉をもちだすと興味をなくす子/人がいるので、最後は「動滑車が活躍しているところ」を「クレーン 滑車」で画像検索して… おしまい。
※関連記事
2019/06/29 ふしぎなひも/ふしぎな筒(動滑車2倍バージョン)の作り方
2019/03/17 『ふしぎなひも、ふしぎな筒。中はどうなってる?…考えて作る』…発見工房クリエイト・科学教室
2014/07/04 ふしぎな筒(動滑車バージョン)
2008/08/06 ふしぎなひも
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