『テーパードミラーのビー玉万華鏡』の作り方
普通の万華鏡(左側)はミラーを「三角柱」に組みますが、
テーパードミラーの万華鏡(右側)は「三角錐」です。
テーパー(taper)とは『細長い構造物の太さ、幅、厚みなどが、先細りになっていること。』です。
そして、
普通の万華鏡に映る像(左側)は「平面」ですが、
テーパードミラーの万華鏡に映る像(右側)は「球面」になります。
「三角柱」の鏡に映る像は「平面」で「無限」に繰り返すのですが、
「三角錐」の鏡に映る像は「球面」で「有限」になるんです!
これが万華鏡を作っていて見つけた「万華鏡の幾何学」の面白いとこの一つなので、東芝未来科学館で『鏡の中のサッカーボールと万華鏡』をやったときは、この2つの万華鏡+鏡の中のサッカーボールを作りました。
「普通の万華鏡」って、筒に入っていて、先端にはキラキラの対象物(オブジェクト)があって、それを覗き穴から見る様になっていますが、そういうふうに作るの大変なんで、もっと手軽に万華鏡を作れるのが『ビー玉万華鏡』です。
ビー玉万華鏡も筒(紙管)に入れて作ると、また色々手間がかかるので、今回はもっと手軽に…
3枚の鏡を組み合わせて先端にビー玉をくっつけるだけの手軽な作り方にしてみました。
※これ、紙管をカットする手間がなくて準備作業が楽でイイわ(^^)
■ 用意するもの
◆ ポリカーボネイト・ミラー:0.5mm厚
三角柱の万華鏡用:幅2cm、長さ15cmに3枚カットします。
テーパードミラーの万華鏡用:上底2cm、下底6cm、高さ(長さ)15cmに3枚カットします。
※ポリカーボネイトミラーは青い方が裏で、表の保護シートが貼ってある側からカッターで切り込みを入れ(切り離しません。ていうか、普通の力では1回で切り離せません。)切り口を板チョコを割るように曲げると…パキッと簡単に切り離せます。
◆ ビー玉:直径25mmぐらいのもの
◆ ビニールテープ:16.5cm×6枚
※ビニールテープは都度16.5cmの長さにハサミで切るより、予め切ったものをカッティングマットに貼り付けておくとよいです。ビニールテープを適当な長さ出して、カッティングマットの上に置くように載せ、16.5cmの長さにカッターでちょいと切ります。
カッティングマットは表面に細かい凸凹があるので、ビニールテープがべたーとくっつかず、簡単にはがせます。こうしておくと、一人一人にビニールテープを1巻き用意する必要がないので、多人数に対応するときもビニールテープ一巻で済みます。(代わりにカッティングマットが人数分必要になりますけど。)
■ 三角柱のビー玉万華鏡の組み立て方
◆ 長方形のミラーを3枚、青い裏側を上にしてピタッと並べます。
◆ ミラーの合わせ目にビニールテープを貼ります。
15cmのミラーに対し、ビニールテープは16.5cmの長さなので、
ビニールテープは片方の端をミラーの端に合わせ、もう一方の端は1.5cmはみ出します。
◆ ビニールテープを1枚、2枚貼ったら、3枚目は1枚目と2枚目の隙間と同じ間隔を開けて貼ります。
3枚目のビニールテープはミラーから半分はみ出した状態です。
◆ ミラーにテープを貼ったら裏返して、手前のミラーを折り紙を折るようにしっかり押さえながら折ります。
この操作はミラーとミラーの間に三角形に組むときに適度な隙間を空けるために行います。
◆ 2枚目のミラーも同じように、折り紙を折るようにしっかり押さえながら折ります。
◆ 折って戻すと、ミラーとミラーの間には適度な隙間が空いています。
保護シートを剥がすと、きれいな鏡面が現れます。
◆ ミラーを三角形に組みます。
ミラーを三角形に組んだら、ビニールテープの真ん中あたりを押さえて貼り合わせ、そこから左右に、ビニールテープを上から下になぞるように押さえるときれいに貼れます。
◆ ミラーの端に出っ張っているビニールテープを皮をむくようにひっくり返します。
◆ そこにビー玉を載せ…
◆ ビニールテープでビー玉を包むように貼ります。
※ビー玉はビニールテープで貼っているだけなので、ビー玉がしっかり貼り付いているか確認してください。
◆ これでビー玉万華鏡の出来上がり~
ビー玉万華鏡はビー玉の先にあるものを映し出す万華鏡なので、
例えばテープルの上のミカンを見ると…
ミカンがいっぱい!(^o^)
■ テーパードミラーのビー玉万華鏡の組み立て方
長方形のミラーが台形のミラーに変わっただけで、組み立て方は同じです。
◆ 台形ののミラーを3枚、青い裏側を上にして扇形に並べ、ビニールテープを貼ります。
ビニールテープはミラーの幅広い方の端に合わせ、狭い方の端は1.5cmはみ出します。
◆ ミラーにテープを貼ったら裏返して、手前のミラーを折り紙を折るようにしっかり押さえながら折ります。
◆ 2枚目のミラーも同じように、折り紙を折るようにしっかり押さえながら折ります。
この操作はミラーとミラーの間に三角形に組むときに適度な隙間を空けるために行います。
ミラーとビニールテープを折ったとき、時たまビニールテープがミラーから剥がれて浮き上がることがあるので、
ビニールテープをしっかりとミラーに押しつけておいてください。
◆ 折って戻すと、ミラーとミラーの間には適度な隙間が空いています。
保護シートを剥がすと、きれいな鏡面が現れます。
◆ ミラーを三角形に組みます。
ミラーを三角形に組んだら、ビニールテープの真ん中あたりを押さえて貼り合わせ、そこから左右に、ビニールテープを上から下になぞるように押さえるときれいに貼れます。
◆ ミラーの端に出っ張っているビニールテープを皮をむくようにひっくり返します。
◆ そこにビー玉を載せ…
◆ ビニールテープでビー玉を包むように貼ります。
※ビー玉はビニールテープで貼っているだけなので、ビー玉がしっかり貼り付いているか確認してください。
◆ テーパードミラーのビー玉万華鏡の出来上がり~
またテープルの上のミカンを見ると…
ミカンがいっぱいボール!(^o^)
天井のシーリングライトを見ると…
ライトボール!?
明るい日中にレースのカーテンにビー玉を近づけて見たら…
お~!なんだこのモワモワボールはw(*゚o゚*)w
※ビー玉は焦点がほぼ球面上にある凸レンズなので、ビー玉を対象物にくっつけるようにして見ると、対象物が拡大され、レースのカーテンの場合はその繊維の織り目が拡大されて映し出されていたのでした。
ビー玉万華鏡を色々な対象物に近づけて、ゆっくり動かしながら見ると… うわぁ~!なんだコレ!面白い~という発見することができますよ。テーパードミラーのビー玉万華鏡は、それが球面の像になるのでさらに楽しいよ(^o^)
テーパードミラーの万華鏡のテーパーの角度が小さければ、映る球面は大きくなり、
テーパーの角度が大きければ、映る球面は小さくなります。
テーパーの角度により球面の大きさ:球面に映る三角形の数が変わります。
そして、テーパーの角度をどんどん大きくすると、球面に映る三角形の数はどんどん少なくなり…
とあるところで、三角形がぴったり20面=正20面体を映し出す万華鏡になるんです。
それが『鏡の中のサッカーボール』なんです。
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