ふしぎなひも
「ふしぎなひも」は紙筒に4つの穴を開けて2本のひもを通したもので、左側(上側)の写真の状態で、どれかのひもの端を引くと…どのひもの端が引っ込むと思う~?
引っ張ってみると、他のひもがみんな引っ込んだ!
そのあと、引っ込んだひもの端を引っ張ると、どれを引っ張っても、外に出ているひもの端が引っ込みます。
あれ~??? 1本のひもには端が2つだから~1つの端を引っ張ると、引っ込むのは1つ、だよね~。でも「ふしぎなひも」は4つの端がみんなつながってるように思えるぞ~ この紙筒の中で、2本のひもはどうなっているのかな? 考えてみよう!
考えたら、この紙(ふしぎなひもの中はどうなってるの?)に書いてみよう。
答えは、こっち⇒(筒を透明にしてみると・・・)だけど、答えを見る前に、考えてみてね。(あ~、上の写真と説明だけじゃ、不思議さが分からなくて、考えてみようという気にならないかな~。そのうち動画を載せようとは思ってるんですが・・・)
■用意するもの
◆紙管(しかん)長さ20cmぐらい、直径3cmくらい:短めのラップの芯でもOK。
◆ドリル(紙管に穴を開けるのに使用)
◆木工用ドリルの刃:直径6mmぐらい
◆ひも:太さ5mmくらい(穴よりやや細め)長さ50cm×2本
◆ウッドビーズ:穴の直径6mmくらいのもの×4個(なくてもよい)
◆ハサミ
◆セロテープ
◆クラフトテープ または ガムテープ(なくてもよい)
■作り方
(1) 紙管にドリルで穴を開けます。穴を開ける位置は、紙管の端から3cmぐらいのところ、4ヵ所です。(ドリルの刃は、木工用 直径6mmぐらいのものを使います。金属加工用の刃では紙管に穴を開けにくいです。穴の直径は、用意したひもよりやや太めにします。)
(2) ひもの長さは、穴と穴の距離×2+20cmぐらいで、紙管が20cmなら、ひもは50cmぐらい。2本用意します。
(3) ひもを紙管の穴に通すために、ひもの端に5cmぐらいのセロテープの端1cmぐらいを巻き付け、残った4cmの部分は(写真のように)よじって細くします。2本のひもの、それぞれの片方の端をこうします。
(4) 2本のひもの反対の端を結んで、ウッドビーズを通します。(ウッドビーズが用意できない場合は、なくてもかまいません。
(4') ウッドビーズがない場合は、ひもの端に油性マジックで色を付けて結んでもいいですよ。
(5) セロテープを巻いたひもの端を、紙管の穴に通します。
(6) ひもを、結んだ(ウッドビーズのある)端まで引っ張ります。
(7) 穴に通したひもを(写真のように)紙管の外に引っ張り出します。セロテープを巻いた方の端が抜けないように注意しましょう。
(8) 紙管の外に引っ張り出したひもを、紙管の中に入れて、紙管のひもの端が出ている方を握って、紙管を振ります。すると遠心力で、紙管の反対の端に、ひもの一部が飛び出します。
(9) まだひもを通していない穴に、もう一本のひもを通します。このとき、紙管の中でもう一本のひもの間を通すようにします。
(10) 2本目のひもをピンと張った状態で、1本目のひものセロテープを巻いた側を引っ張って、紙管の中で(写真のように)1本目のひもにたるみがないようにします。
(11) 1本目のひものセロテープを巻いた側にウッドビーズを通し、(写真のように)ひもを結びます。ひもの端を紙管の穴・ウッドビーズの脇ぎりぎりのところで結ぶのは難しく、結んだあと結び目と紙管の間に隙間が空いてしまうことがありますので、ひもを1cmぐらい引き出してから結ぶと隙間ができません。
(12) 2本目のひものセロテープを巻いた側も(10)と同じように引っ張って、(11)と同じように結びます。この状態で、ひもを色々引っ張って、動きを確認しましょう。
(13) セロテープを巻いた側の結び目の先をハサミで切り落として、できあがりです。
(14) あ~この状態では紙管の端の穴から中を覗くと「ふしぎなひも」がネタバレ状態ですね。中を覗けないように、紙管の端にクラフトテープかガムテープを貼って、はみ出した部分はハサミで切り落とします。
(15) これでスッキリ、できあがりです。
■さらに・・・
ひも3本・穴6個の「ふしぎなひも」を作ることもできます。ひも2本・穴4個の「ふしぎなひも」を作って、仕組みが分かってる君なら、ちょっと考えれば、ひも3本・穴6個の「ふしぎなひも」の中がどうなってるか分かると思うよ。まずは考えてみよう・・・
答えは、こっち⇒(ひも3本・穴6個の「ふしぎなひも」の筒を透明にしてみると・・・)
ひも3本・穴6個の「ふしぎなひも」の仕組みが分かったら、ひも4本・穴8個の「ふしぎなひも」もできるって、思いついたかな?その仕組みは・・・考えてみてね。
答えは、こっち⇒(ひも4本・穴8個の「ふしぎなひも」の筒を透明にしてみると・・・)
ならば、さらに・・・ひもを5本,6本・・・と増やした「ふしぎなひも」が作れる!
かな?
実際に、ひも5本・穴10個の「ふしぎなひも」を作ったことはないんですが・・・
たぶんダメです。論理的には考えられても、物理的な「壁」があります。それは「摩擦(まさつ)力」です。
ひもを引っ張ると、ひもが絡まったところで、ひもが互いにすべり、摩擦力が働きます。ひも2本なら絡まりは1箇所、ひも5本なら絡まりは4箇所で、ひも5本の「ふしぎなひも」は、ひも2本の「ふしぎなひも」の4倍の摩擦力が働きます。
ひも2本,3本,4本の「ふしぎなひも」のひもを引っ張ると、だんだんと引っ張るのに大きな力が必要になります。つまり、ひもの本数が多くなると引っ張りにくくなるんです。ひも4本の「ふしぎなひも」を作って…「あ~これが限界だな~」と思いました。ツルツルの摩擦の少ないひもを使えば、ひも5本の「ふしぎなひも」が軽々と引っ張れるかも?
※関連科学工作
・ふしぎな筒(動滑車バージョン)
※「ふしぎなひも」を実施したイベント
2008/07/26 鳴門競艇場 科学体験フェスティバル「ふしぎなひも」
2019/03/17 『ふしぎなひも、ふしぎな筒。中はどうなってる?…考えて作る』…発見工房クリエイト・科学教室
2019/06/01 ふしぎなひも/ふしぎな筒(動滑車4倍バージョン)の作り方(東芝未来科学館)
※この記事の作成日は 2008/08/06
~.dion.ne.jp/~kagaku というサイトに載せていましたが、ホームページサービス(dion.ne.jp)が利用者減少のため2017/10/31で終了したので、ホームページのコンテンツをブログに移しました。
※引っ越しし忘れていたことに 2018年夏「自由研究」ネタのアクセスが増えてるときに気付いたので、夏休みに引っ越し(汗;)
あ~ 2008年に「そのうち動画を載せようとは思ってるんですが・・・」と書いて、2018になってもそれをやってないって、どうなのよ(汗;汗;)
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