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2018年4月 1日 (日)

『ヒト指向型人工知能の複製等に関する法律』…AIの遺電子

『ヒト型AIの複製が人格の尊厳や社会秩序に問題を及ぼすとして制定』
『違反者には30年以下の懲役が課され
ヒューマノイドは場合によっては身体を剥奪される』
Ai_no_idensi_01
AIの遺電子』 山田胡瓜
(あいのいでんし やだまきゅうり
その第1話『バックアップ』に出てきたのが、
『ヒト指向型人工知能の複製等に関する法律』で、
ヒューマノイドのバックアップは違法とされている社会です。

お~!その着眼点がすごい!
そうか~!ヒトと同じように考え感じる人格のあるヒューマノイドが、ヒトと一緒に暮らすようになったら…
ヒューマノイドの脳のバックアップは禁止・違法。←ん、そうだよ。そうしなくちゃ!
何でそう思うかって?
あなたの脳をバックアップして、それを別の身体、または元の身体に戻すことを考えてみてください。それって、あなた自身でしょうか? さらにそれを複数の身体に戻したら… 自分が二人以上いることを許容できます?

私、SFファンとしては古い人間でして、アシモフ・ファンで、
ロボット工学三原則』はすごいよ~!って、高校生のときはそらんじていたのですが、
あれ!?途中でつっかえる(汗;)←ダメじゃん。復習しておこ…

第一条
 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条
 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条
 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

これ↑ロボット(ヒューマノイド)の基本だよね。と思っていたのですが、
『AIの遺電子』を読んで、とっても考えさせられた。
ヒューマノイドとヒトとが共存する社会、ヒューマノイドが人格をもつまでに発達した社会では、三原則だけじゃ成り立たないよね。
アシモフの時代(20世紀)では、三原則だけであれだけ面白い話(思考実験)ができたけど、21世紀 AI(人工知能)研究がここまで進んできたら、新たな視点の発想が必要だよね~!

『AIの遺電子』…「このマンガがすごい!」第1位 と帯には出てますが、これ年間第1位じゃなくて、月刊第1位のようです。でも、このマンガはすごい!


※ところで、ヒューマノイドの脳のバックアップは技術的に可能なのか?
AIの遺電子のヒューマノイドは、ヒトと同じように考え、行動する、感情を持ち、人格のある存在です。
それを創るには?
人間の脳の規模を見てみましょう…
 ニューロン数:千数百億個
 シナプス数:150兆
現在のAIはニューラルネットワークを使ったディープラーニングで目覚ましい成果を出しています。で、これをどんどん推し進めて行ったらヒトの思考をシミュレートできるようになるでしょうか?
私のイメージは…
 脳 ≠ コンピュータ
 ニューロン ≒ コンピュータ
脳はニューロンの巨大ネットワークですから、ニューロンに相当するプロセッシングユニットの巨大ネットワークを作らないと脳をシミュレートできないんじゃない?と思ってる。
で、この巨大ネットワークを「バックアップする」って、どうやったらできるだろう?
メモリ/ハードディスクのバックアップとは次元が違うのですね。
千数百億個ものプロセッシングユニットを一瞬でピタッと停止させ、その内部状態をバックアップするって… できる?



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