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2018年3月25日 (日)

PPバンドのサッカーボール

Ppbandsoccerball Sepak20t
PPバンド(荷造り用のPP(ポリプロピレン)製のバンド)で、サッカーボールを作る(編む)ことができます。左側の写真がPPバンドで作ったサッカーボールです(直径:約16cm)。右側の写真はPPバンドで作ったセパタクローボール(直径:約8cm)です。セパタクローボールは5角形(の穴)が12個あります。セパタクローボールをいくつも作っていたら、ある時ふと思いつきました・・・5角形の周りを6角形にしたら、サッカーボールになるんじゃない?!
Soccerballサッカーボールを観察してみましょう…(典型的なデザインの)サッカーボールは、黒い5角形と白い6角形が集まってできています。黒い5角形の数は…(サッカーボールがあったら数えてみましょう)…黒い5角形の数は12個です。セパタクローボールの5角形も12個です(同じだ~仲間だ~)。
白い6角形の数は…20個です。サッカーボールは12個の5角形と20個の6角形でできています。
PPバンドのサッカーボールを見てください。5角形の穴の周りに6角形の穴がありますね。何となくサッカーボールです。(この説明を書くために2つの写真を見比べていたら…5角形と6角形の数は同じですが、つながり方がちょっと違うことに気づいてしまったのですが…まぁ、そんなことは気にせず作ってみましょう(^^;)
PPバンドのサッカーボールを作るには…
PPバンドのセパタクローボールを、一色のPPバンドで、説明書を見ないで、作れるようになっていないと、PPバンドのサッカーボールを作ることはできません。「作りたい~!」と思ったら、PPバンドのセパタクローボールを説明書なしで作れるまで練習しましょう。



用意するもの
PPバンド 52cm×10本
両面テープ 幅1.5cm(強力タイプ)
目玉クリップ 10個 (小さめのもの)

作り方
PPバンドは巻いた状態で売られています。これをそのまま使おうとすると、巻き癖がついていて非常に扱いにくいです。ですので、最初にPPバンドを適当な長さ(この場合は6メートルほど)取り出して、逆巻きにして巻き癖をとります。
PPバンドを52cmの長さに10本切り、PPバンドの片方の端に両面テープ(1.5cm)を貼ります。

Ppbandsoccerball01
(1) 5本のPPバンドを5角形に組みます。ここはセパタクローボールと同じです。

Ppbandsoccerball02
(2)
5角形の周りの2本のバンドが交差しているところに、もう1本のバンドを「三すくみ」になるように差し込み、目玉クリップでとめます。これを5ヵ所繰り返します。

Ppbandsoccerball03
(3)
こうなります…セパタクローボールでは5角形の周りに1本の輪をはめたので、5角形の周りは5角形になりましたが、サッカーボールでは5本のバンドをはさみこむので、5角形の周りに6本のバンドで囲まれたところが5個できます。

Ppbandsoccerball04
(4)
5角形の周りの6本のバンドで囲まれたところに6角形を作ります。

Ppbandsoccerball05
(5)
6本のバンドが互いに「上・下・上・下」で「三すくみ」になるように上下関係を入れかえ、「三すくみ」のところの隙間がなくなるようにバンドを寄せて6角形を作ります。5角形をとめている目玉クリップを外して、6角形を目玉クリップでとめます。ここでできる6角形は何となくゆがんでいます(正6角形には見えません)でも、気にせず進めます・・・

Ppbandsoccerball06
(6)
上のステップを5ヵ所繰り返すと…こうなります。5角形の周りに6角形が5個できて、ちょっと丸くなりました。

Ppbandsoccerball07
(7)
6角形の上の段を見ると…上の写真ではピンクの目玉クリップのところに5角形がありますね~ここに5角形を作ります。

Ppbandsoccerball08
(8)
5本のバンドが互いに「上・下・上・下」で「三すくみ」になるように上下関係を入れかえ、「三すくみ」のところの隙間がなくなるようにバンドを寄せて5角形を作ります。目玉クリップでとめる位置を1位段上にします。

Ppbandsoccerball09
(9)
5角形を5個作ると…こうなります。だんだん丸くなってきますね~

Ppbandsoccerball10
(10)
ここから先は、作りかけのボールをひっくかえして、ボールを外側から見るようにした方が作りやすいです。(今まではボールを内側から見ていました。) ここで、目玉クリップを、最初に作った5角形の方向に向けて、グイグイと押し込んで「三すくみ」のところに隙間ができないように、目玉クリップをとめ直しておきましょう。

Ppbandsoccerball11
(11)
さて、上の写真のような位置で6角形の下を見ると…上の写真では黄色の目玉クリップのところに6本のバンドに囲まれたところがあります。ここに6角形を作ります。

Ppbandsoccerball12
(12)
6角形はステップ(5)と同様に、6本のバンドが互いに「上・下・上・下」で「三すくみ」になるように上下関係を入れかえ、「三すくみ」のところの隙間がなくなるようにバンドを寄せて作ります。目玉クリップでとめる位置を一段ずらして、作った6角形を目玉クリップでとめます。このステップも5ヵ所繰り返します。

Ppbandsoccerball13
(13)
上の写真のような位置で、5角形に注目してみましょう。5角形の周りに6角形が4個できています。サッカーボールは5角形の周りに6角形が5個ですから、6角形をもう一つ作ります。上の写真では、ピンクの目玉クリップの下です。PPバンドがごちゃごちゃしてきましたが、6角形にPPバンドが集まってるはずです。

Ppbandsoccerball14
(14)
6角形はステップ(5)や(12)と同様に、6本のバンドが互いに「上・下・上・下」で「三すくみ」になるように上下関係を入れかえ、「三すくみ」のところの隙間がなくなるようにバンドを寄せて作ります。このステップも5ヵ所繰り返します。

Ppbandsoccerball15
(15)
次はまた5角形を作ります。上のステップで作った6角形と6角形の間、上の写真では黄色い目玉クリップのところにPPバンドが5本集まっています。あ、違った、PPバンド4本と、PPバンドの端が2本ですね。ここに5角形を作ります。

Ppbandsoccerball16
(16)
PPバンドの端が2本は、実は1本のPPバンドの両端で、これを貼り合わせます。その前に…PPバンド4本と、PPバンドの端が2本を、互いに「上・下・上・下」で「三すくみ」になるように上下関係を入れかえ、5角形になるようにします。PPバンドの端を貼り合わせて5角形を作ります。PPバンドの端を貼り合わせて5角形を作るときは、もう目玉クリップでとめる必要はなく、じゃまになるだけなので、目玉クリップは外します。

Ppbandsoccerball17
(17)
上のステップを5回繰り返すと…こうなります。ステップ(16)で5本のPPバンドを貼り合わせましたから、残り5本のPPバンドの両端が残っています。PPバンドの両端を互いに貼り合わせます。このとき、PPバンドが互いに「上・下・上・下…」になっていること、貼り合わせるPPバンドの端は1本のPPバンドの両端であることを確認してから貼り合わせます。

Ppbandsoccerball18
(18)
PPバンドが互いに「上・下・上・下…」になっていることに注意しながらPPバンドを貼り合わせると、あ~ら不思議!5個の6角形と、1個の5角形ができて、サッカーボールのできあがり!
(忘れてた…最後に、貼り合せた部分を他のバンドの下に隠すようにずらします。これで見た目が良くなるだけでなく、両面テープがはがれにくくなります。)

大変長い手順の説明になって「難しそ~」と思うかもしれませんが、手順をまとめると、5角形(1個)→6角形(5個)→5角形(5個)→6角形(5個)→6角形(5個)→5角形(5個)→6角形(5個)・5角形(1個)となります。5角形と6角形を順に作っているだけです。作っていると、6角形と5角形を作るところは「自然に見えてきます」。セパタクローボールを、一色のPPバンドで、説明書を見ないで、作れれば、サッカーボールはそんなに難しくはありませんよ。

※あ~そうだ、作るために重要なことは…
手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」ことです。
そう思ったのは、例えばこちらのイベントで…
→2013/07/14 住吉文化センター納涼まつり「PPバンドのセパタクローボール」

さらに
正多面体とは、1種類の正多角形だけでできた多面体です。セパタクローボールは正5角形だけが12個でできているので、正多面体の仲間です。「仲間」と言っているのは、セパタクローボールは丸まってるから・・・
サッカーボールは正5角形と正6角形、2種類の正多角形でできているから、正多面体ではなく、半正多面体です。半正多面体は全部で13種類あり、サッカーボールは正20面体の頂点を切り落とした形なので切頂20面体です。
このページの最初に「この説明を書くために2つの写真を見比べていたら…5角形と6角形の数は同じですが、つながり方がちょっと違うことに気づいてしまったのですが…」と書きましたが、何が違うかというと・・・
サッカーボールは5角形と6角形の辺が接しているのに、PPバンドのサッカーボールは5角形と6角形が頂点で接しています。
ん~でも、気分はサッカーボールです(^o^)/

セパタクローボールを元にしてサッカーボールを作ることができました。ならば・・・サッカーボールを元に、もっと大きいボールを作ることができるんじゃない??→→→できました!!
Kagomeball「かごめボール」です (^o^)v
(これ、2007/8/26に作って、そのときは「こう作ればできるよ~」と、頭が「多面体脳」になっていたんでできたのですが、今思い返すと…どうやって作ったんだろう??
ポイントは「5角形を作ると丸まっちゃうから、5角形を作らず6角形を並べていけば大きくなるはず」でした。作ってみると正20面体の仲間になっているんで「お~!ここで20面体が出てくるか~!多面体の世界は奥が深い」と、ひとしきり感慨。。。)
カゴメボールを2009/3/8に再作成したときの、作成過程の写真を2010/6/6に発掘したので、作った本人も忘れかけている作り方を、写真だけ並べて記録にとどめておきます。
Kagome01 Kagome02 Kagome03 Kagome04
Kagome05 Kagome06 Kagome07 Kagome08
Kagome09 Kagome10 Kagome11 Kagome12

※この記事の作成日は 2007/10/06
~.dion.ne.jp/~kagaku というサイトに載せていましたが、ホームページサービス(dion.ne.jp)が利用者減少のため2017/10/31で終了したので、ホームページのコンテンツをブログに移しました。

※関連記事
2013/04/12 かごめボール…丸ビーズ360個の正20面体
2013/04/13 グラデーションかごめボール…丸ビーズ360個の正20面体

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コメント

おお~引っ越し完了ですね!
以前拝見したときに大方の情報はメモしてあったんですが、
イメージが追いつかなくて、、
写真というのはやはり強いですね。
がんばって作れる様になります。(なりたいです)

せかしてしまった様ですみません。
(そうではないとしても)
ありがとうございます。

こやまさん
以前のページを見られていたんですね。
> せかしてしまった様ですみません。
いえいえ、こやまさんのコメントのおかげで、HP→ブログへの記事の引っ越しするゾ!というモチベーションが上がりましたから(^o^)

 いつもは子供たちと楽しく無理なく作れるようにPPバンドに穴を開けてデジタル化して作っています。
 このブログを参考に作ってみました。53cm穴を均等に20個開けました。これを10本です。
 これでドッチボールやサッカーをして遊べます。ありがとうございました。作り方が確立したらホームページに掲載します。
URL: http:// hirakaretagakkou.web.fc2.com/

作ってあそぼう さん
このページがお役に立ったようで嬉しいです。
> PPバンドに穴を開けてデジタル化して
ここのところが分からなかったので、
> 作り方が確立したらホームページに掲載します。
掲載したらお知らせください。

 ブログに掲載しました。セパタクロウサイズの材料を2本つないで1本にしてあるので、少し歪んでいますが、間違いなくできました。確認してください。

  https://blog.goo.ne.jp/hiraku2014

 参考になりました。ありがとうございます。

作ってあそぼう さん
ブログ拝見しました。「PPバンドに穴を開けてデジタル化」って、こういうことだったのですね。
そして思いました。
あ~作ってあそぼうさんが伝えようとしていることと、私が伝えようとしていることが違うな。と
私は科学工作を通して子供たちに「科学」を伝えようと思っています。
私がPPバンドのセパタクローボール/サッカーボールで伝えたい科学は「三すくみ」と「正多面体」です。
「三すくみ」という構造を知ることで、6本の輪を組み合わせることで(針金等で留めなくても)ボールができる。という点が、この科学工作の面白い所だと思っています。
その関連記事が↓こちらです。ご参考までに。
▼「手順を覚えるのではなく、仕組みを理解する」…100回もリツイートされてビックリ!
https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/100-54b4.html
▼PPバンドのセパタクローボールの作り方…『三すくみ』で説明
https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/pp-844a.html

このボールを小学一年生から中学生が作るんです。次に遊ぶためです。しかし、難しいので諦めるかというと、そこが楽しいんだそうです。中には針金でいっぱい縛る子もいますが、全部はずしても壊れないことに気付く子もいます。三すくみの入り口に立っている子かもしれません。週に2回ほどのペースで放課後子ども教室や小学校のクラブ活動に行っていますが、このように、意外な発想を持った子に出会います。これが楽しみであり次への原動力です。

作って遊ぼう さん
> 難しいので諦めるかというと、そこが楽しいんだそうです。
あ~ そういうのありますね。
難しいけど、子供たちの集中力がスゴイと思ったのが↓
▼ふしぎ発見科学教室「正多面体ペーバークラフト」
https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-a14d.html
子供たちは、黙々と、休憩も取らずに、2時間半…
▼2014青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井「ストローとゴムひもで作る正多面体」
https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/2014-in-1db2.html
作るのにかかる時間は、6分・12分・30分… でも全部作っていった子 50人

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