ストロー正20面体
短く切ったストローに一本のゴムひもを通して「編んで」いくことで、正多面体を作ることができます。
この「編む」作り方は、実はビーズアクセサリーの作り方と同じです。
ストローを竹ビーズ、ゴムひもをテグス糸に代えると、小さくてcoolなビーズアクセサリーを作れますよ。
■用意するもの
・ ストロー ※できれば細めのストロー
・ ゴムひも(丸ゴム・2本丸 または 1本丸) ※手芸用品店や100円ショップで売っています
・ はさみ,定規
■作り方
▼ストローを切る
ストローを3cmの長さに、30本切ります。
正20面体の辺は30あるので、ストローは30本必要になります。
最初に一本3cmの長さに切り、後はそれを定規の代わりにして、長さを揃えて切りましょう。切ったストローの長さが揃っていないと、出来上がりの形が悪くなります。
▼ゴムひもを切る
必要なゴムひもの長さは…
ゴムひもはストローの中を2回通ります。3cm×30本×2回=180cm
それとゴムひもを最後に縛るために、予備が30cmぐらい必要です。
ということで、合計210cmです。
▼編む
◆step 1
右側のゴムひもにストローを3本通し、3本目のストローに左側のゴムひもを反対側から通してクロスさせます。
左右のゴムひもを(ずーーと)引っ張ると、3本のストローが三角形に集まります。
このとき左右のゴムひもが同じ長さになるように調整します。
◆step 2
右側のゴムひもにストローを2本通し、2本目のストローに左側のゴムひもを反対側から通しクロスさせます。
左右のゴムひもを(ずーーと)引っ張ると、ストローが三角形に集まりもう一つ三角形ができます。
◆step 3, step 4
step 2 を繰り返します。毎回左右のゴムひもが入れ替わることに注意してください。
ゴムひもをクロスさせると、左右のゴムひもが入れ替わります。
ゴムひもの左右を間違えると途中でおかしな形になってしまいます。
左右の見分け方は…ストローが3本以上集まっているのが左側、ストローが2本だけ集まっているのが右側です。
三角形が一つできるたびに、左右のゴムひもを(キュッキュッキュッと)良く引っ張っておきましょう。
ゴムひもがゆるんでいると、出来上がりがかっこ悪くなってしまいます。
◆step 5A
左側にストローが5本集まったら、
5本のストローの内まだゴムひもが一回しか通っていないストローに左側のゴムひもを通します。
◆step 5B
今度はストロー1本だけ、右側と左側からゴムひもを通しクロスさせます。
左右のゴムひもを引っ張ると、5つの三角形が五角形に集まって立体になります。
◆step 2 と step 5 の繰り返し
後は、step 2 と step 5 を繰り返していけば、自然と正20面体が出来上がります。
注意することは、「ストローが5本集まったら」 step 5 をすることと、
ゴムひもの左右を間違えないようにすることです。
◆最後に…
左右のゴムひもが一箇所に集まるので、ゴムひもをかたく結んで、あまったゴムひもは切り落とします。
■編み方を分析してみると…
ストロー正20面体は、全20ステップで出来上がります。
各ステップの操作をさらに分解すると、次の3つの操作になります。
○ 右側のゴムひもに新しいストローを通します。
× 左側のゴムひもを右側のゴムひもに通した最後のストローに通しクロスさせます。
● 左側のゴムひもをゴムひもが一本だけ通っているストローに通します。
step 2 は○○×、step 5 は●○×となります。
以下に各ステップの写真と操作記号を示しますが、
最初と最後のステップ以外は step 2 か step 5 と同じ操作です。
このようにストロー正20面体は単純な操作の規則的な繰り返しでできてしまいます。
簡単でしょ? 多くの人はストロー正20面体は難しいといいますが…
正多面体の単純さや規則性を美しいと感じ、
ストロー正多面体を簡単に作れるようになったあなたの脳は「かなり多面体してます!」
■さらに…
◆他の正多面体もストローで作ってみよう→ストロー正多面体
◆サッカーボール(C60フラーレン)も作ってみよう
C60フラーレン=サッカーボールの作り方
◆カーボンナノチューブの分子模型だって作れるゾ
カーボンナノチューブ(アームチェア型)分子模型
カーボンナノチューブ(ジグザグ型)分子模型
イベントなどで、カーボンナノチューブの分子模型を展示しておくと、「このカゴみたいなもの何~?」と聞かれて「これはカゴじゃなくて~・・・長~いカーボンナノチューブが大量生産できるようになれば軌道エレベータだって夢じゃない!・・・そのうち日本人がカーボンナノチューブでノーベル賞をとるかもしれないから、それまでカーボンナノチューブを覚えておいてね~」と説明するのですが、2008 青少年のための科学の祭典 東京大会 in 小金井 で(鏡の中のサッカーボールの指導を手伝ってくれた)中学生ボランティアの男の子に「これ(サッカーボール)はC60フラーレンですよね? こっち(カゴみたいなもの)はカーボンナノチューブですよね?」と質問(確認)されて、感激!そうそう!これはサッカーボールとカゴじゃなくて、C60フラーレンとカーボンナノチューブのストロー分子模型なのよ~! 今まで、すぐにそれと分かってくれる人がいなくてね~
さらに、「カーボンナノチューブは構造的に2種類あるんですよね」お!お!お!どうしてそこまで知ってるのよ~!こいつはただ者じゃないゾ 「よくそこまで知ってるね~」「え~僕ちょっと科学が好きですから」・・・こういう科学少年に会えて、かなり嬉しい私でした(^o^)
◆自然界には正20面体の形をしたものはあるのかな?
例えば「アデノウィルス」や「バクテリオファージ」で検索してみよう。
※この記事の作成日は 2004/12/19
~.dion.ne.jp/~kagaku というサイトに載せていましたが、ホームページサービス(dion.ne.jp)が利用者減少のため2017/10/31で終了するので、ホームページのコンテンツをブログに移しました。
※関連記事
2013/02/21 ストローと輪ゴムで作る正20面体についての考察(直観)
2012/10/06 ウイルスにも正20面体
2018/08/14 ジオデシックボール(ストロー80面体)を作る
※2023/09/02追記
「カーボンナノチューブ アームチェア型 ジグザグ型」で🔍したら…
⇒世界初:ジグザグ型カーボンナノチューブの化学合成|東北大学[PDF] 2012年
あら、カーボンナノチューブは3種類(アームチェア型、らせん型、ジグザグ型)あるんだ!
そして…『カイラル指数で表記するとそれぞれ (n,n)、(n,m)、(n,0)となる。』って、何それ?
こちらの カイラリティ(Chilarity:螺旋度)の説明が分りやすかった。
⇒CNT - カーボンナノチューブの性質|大阪大学 産業科学研究所
あれ? こちらも、ジグザグ型が「初」なんですけど?
⇒ジグザグ型カーボンナノベルトの合成に成功|分子科学研究所 2021年
あ~ こちらは「カーボンナノチューブ」ではなく「カーボンナノベルト」なんですね。
⇒世界初!カーボンナノベルトの合成に成功|科学技術振興機構 によりますと…
『カーボンナノベルトはカーボンナノチューブの一部であるため、これをテンプレート(ひな形)として延ばしていけば、設計どおりの構造を持つカーボンナノチューブのみを製造することが可能になる。』 なるほど~
で、これが画期的だから、内閣府のホームページにも出ているようです。
⇒カーボンナノチューブ|内閣府のホームページ[PDF]
ところで、ストローとゴム紐で編むカーボンナノチューブ模型は、C60フラーレンを半分作って後はひたすら六員環を作って、最初のC60フラーレンを五員環から始めるとアームチェア型、六員環から始めるとジグザク型になる。じゃぁ、らせん型はどうやったら作れる? と思っていたのですが、カーボンナノベルトで編み始めれば、任意のカイラリティのカーボンナノチューブを作れますね!
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