円形コドンテーブルのコースター (ori) 博物ふぇすてぃばる!3
去年 博物ふぇすてぃばる!2015に出展して、一日中自分のブースにへばりついていて他のブースを見る余裕などなかったのですが、今年(2016)博物ふぇすてぃばる!3 では「出展者プライベートタイム」が設けられ、一般来場者退出後、出展者同士で販売や交流できる時間がありました。←これ、なかなかイイです!
で、私がそこで買ったもの…
ブースB-36 ori で…
CodonTable 円形コドンテーブルのコースターです(^o^)
↑スキャナーでスキャンしたので実物のイメージが伝わらないな~
↓デジカメで撮影。周囲の光が映りこんじゃうのですが、これが実物イメージ
ところで、私がなぜこれに惹かれたかと言いますと~
「コドン表」が四角じゃなくて円形だから(^o^)
oriさんにお話を伺ったことろ、日本では四角(表形式)のコドン表が一般的ですが
⇒「コドン表」で画像検索
海外では、円形のコドン表も使われているとのこと。
⇒「codon table」で画像検索
…とは言っても四角い表が主流ですから、ちょとスクロールすると円形の codon table が出てきます。へ~ なるほど。
コドンは3つの塩基で1つのアミノ酸を決めます。塩基は4種類ですから、コドン表は 4×4×4=64マスになります。
円形コドン表の場合は、円を4分割×4分割×4分割=64分割したテーブルになります。そして最外周には「アミノ酸の1文字コード」が記されています。
科学イベントなどで「DNAストラップを作ろう!」という企画を時々目にします。
⇒「DNAストラップ」で画像検索
こういうのを作らせてるのを遠巻きに見てますと… その中で「遺伝子」「DNA」「二重らせん」「塩基配列」までは説明が出てくるのですが、「コドン」まで説明しているのに出会ったことがない。
「塩基配列」までお話しするのなら「コドン」のお話もしてもいいんじゃない?と思うのですが。
というか、一番面白いのが「DNAからタンパク質が合成されるしくみ」だと思うのです。
そのお話を子供(小学生)相手にわかりやすく伝えるのは難しいとは思いますが、比較的簡潔によくまとまってると思うのが…
⇒NHK高校講座|生物基礎|DNAとタンパク質合成
oriさんの出展内容紹介には「X'masCard アミノ酸でメッセージが書かれたポストカード」というのがあります。
これで何で“M E R R Y C H R I S T M A S”になるんだろう?と思った私は、CodonTable片手に塩基配列を「翻訳」してみる…
atg | gaa | cgc | cgc | tat | tgc | cac | agg | ata | tcc | acg | atg | gct | tct |
M | E | R | R | Y | C | H | R | I | S | T | M | A | S |
なるほど~!
※ところで、DNAの塩基は A T G C ですが、それがRNAに「転写」されると A U G C になります。そして、コドン表は一般に U C A G と並べられているのですが、oriさんの円形コドンテーブルは T C A G となっています。なぜでしょう?
この疑問を oriさんのサイト⇒ Orittle に質問してみました。そして、回答をいただきました~(^o^) たいへん分かりやすい「なるほど~」と思う回答でしたので、引用させていただきます。
コドンは「RNAからアミノ酸に翻訳する遺伝コード」となりますので、RNAを構成する塩基(A・U・G・C)で表を作った方が、「生物で実際に起きている現象」に則した形となるかと思います。
ただ、遺伝子を扱う研究をしている人達にとっては、「ゲノム(DNA)上での遺伝子の領域」について考える機会が多く、DNA配列上で(本当はRNAを介しますが)翻訳されるアミノ酸を示すという慣習もあります。
ん~↑これ私にもわかります!
atg | gaa | cgc | cgc | tat | tgc | cac | agg | ata | tcc | acg | atg | gct | tct |
M | E | R | R | Y | C | H | R | I | S | T | M | A | S |
↑これはDNAの塩基配列からの「翻訳」です。
私は最初、ネットで「コドン表」で検索して出てきた U C A G のコドン表で翻訳していたのですが、いちいち T を U に(頭の中で)置き換えるのが面倒くさくて…(^^;
T C A G の円形コドンテーブルだとコード表を引くのが簡単でした(^^)v
※oriさんの円形コドンテーブルの中央には、何やら気になる図が描かれているのですが、これ何でしょう?転写・翻訳に関わるタンパク質かな?
ここも質問して教えていただきました。
これは tRNA(トランスファーRNA)をモチーフにした図形だとのこと。
『四つ葉型(クローバーリーフ)構造という、特徴のある二次構造をとります。』
⇒「tRNA」の画像検索結果
お~!なるほど、これは tRNA だったのか~!
そして、まだしていなかった3つ目の質問…
「図の中の★マークは何ですか?」の答えも分かりました。
上端の★はアミノ酸がくっつくところで、
下端の★★★は Anticodon(アンチコドン) なのか~!
なるほど、tRNA はこういう構造なんだ~
とっても勉強になりました。
ありがとうございました m(_ _)m
※そして、こういう蘊蓄を知ると「買って良かった~(^o^)v」って思うんですよね~
※関連記事
・『くらえ ヒトゲノム塩基配列』…ヒトゲノムは30億塩基対じゃなくて、31億塩基対なのか~
・ロザリンド・フランクリン⇒生物と無生物のあいだ:福岡伸一
※私が後で読んでおこうと思う参考ページ
⇒タンパク質の生合成(翻訳)|福岡大学 理学部 機能生物化学研究室
※“M E R R Y C H R I S T M A S”DNAストラップを作ってみました~
2016/12/23 メリークリスマス☆DNAストラップを作る
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