囲碁≫将棋≫チェス…天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る
2016/05/15 NHKスペシャル | 天使か悪魔か羽生善治 人工知能を探る を見ていたら…
↑お~!これを知りたかったよ~!
これは、囲碁、将棋、チェスの「場合の数」を示したもので、コンピュータ・プログラムを組むとき、この場合の数の大きさ=プログラミングの難しさになります。
で、私のアバウトな認識は、場合の数は 囲碁≫将棋≫チェス だったのですが、それが具体的にどのくらいなのか知りたかった。
それを示しているのがこのカットなのです。
囲碁 10360通り
将棋 10220通り
チェス 10120通り
従来の囲碁、将棋、チェスのプログラムは「しらみつぶし」に何手か先まで探索して、その中で最善の手を打つというアルゴリズムでした。
ですから場合の数が増えると探索に時間がかかるので適当なところで打ち切らないといけない。
チェスは(将棋や囲碁に比べれば)場合の数が少ないので、プロ棋士に対戦できるレベルのプログラムが(今から見れば)早くに開発された。
そして… 1996/02/10『コンピューター、チェス王者を破る』という衝撃のニュースが世界を駆け巡りました。
でも、将棋と囲碁はチェスに比べて場合の数が桁違いに大きいから、まだまだ… だったのですが~
2016年3月 コンピュータ囲碁プログラム AlphaGo(アルファ碁)がプロ棋士を破るという衝撃的な出来事があったのです!
→2016/03/15 アルファ碁、最終局も制す 最強・李九段に4勝1敗|朝日新聞DIDITAL
お~!ついに、そこまで来てしまったか~!!
1996年 チェスのコンピュータプログラム ディープ・ブルーが(グランドマスター)ガルリ・カスパロフを破ってから、
2016年 囲碁のコンピュータプログラム AlphaGoが李世ドル九段を破るまで、20年かかった。
この20年の間にコンピュータの性能が上がって囲碁も制したのかというと、そうではない。
コンピュータの性能が毎年2倍2倍…と上がっていても(ムーアの法則)20年では220≒106にしかならない。チェスの10120通りと囲碁の10360通りの差を埋められるわけもない。
20年の間に進化したのはハードウェアだけでなく、ソフトウェア(アルゴリズム)の進化によるところが大きい。その辺の解説は私にゃ無理なので、こちらをご覧ください。
⇒AlphaGo対李世ドル - Wikipedia → AI分野における難問
※ところで、囲碁 10360通り、将棋 10220通り、チェス 10120通りという数字はどうやって計算したのでしょうね?
「囲碁 将棋 チェス 場合の数」で検索して、この数字が出てきたページ…
⇒将棋で相手から取ったコマが打てることにより生じる チェスとの特徴の違いは何がありますでしょうか。|YAHOO!知恵袋のベストアンサー
⇒将棋と囲碁では囲碁のほうが上なんですか?|YAHOO!知恵袋 ←このベストアンサーは秀逸です。
⇒コンピュータ将棋はどのようにしてアマ4段まで強くなったか - 人工知能学会[PDF] ←この論文の参考文献に出ていた『松原仁 最近のゲームプログラミング研究の動向,人工知能学会誌,Vol.10 No.6 pp.835-845 (1995)』←これに囲碁・将棋・チェスの場合の数が出ているようなのですが、Web上で(無料で)この論文を見ることができなかった(^^;
NHKスペシャル | 天使か悪魔か羽生善治 人工知能を探る で、もう一つ重要なシーンがココ↓
これは将棋の次の一手をさすまでに盤面のどこを見ているか、アマチュアと羽生の視線の動きを追ったものである。
『アマチュアと比べると大きな違いが明らかになった。アマチュアの場合、盤面をくまなく見ながら次の手を思案する。一方の羽生、最初は盤面全体を見渡すが、その後右上の限られた部分に絞ってすぐに次の手を思いついている。』
そして、このあと羽生が語ったのが…
『ほとんどの手は考えてないです。
将棋が強くなるっていうことは、たくさんの手を考えなくても済むようになることが強くなることなので、たくさんの手が読めるから強くなるわけではないです。』←お~!ここ重要です!
初期のチェス・将棋・囲碁のプログラムはたくさんの手を力任せに探索しようとしていました。でも、それじゃ強くなれないんです。そこで、最近のプログラムは人間のプロ棋士が脳内でやってることをシミュレートしようという流れになってきたのですね~
⇒AlphaGo - Wikipedia アルゴリズム
え~プロ棋士と同じように「たくさんの手を考えなくても済むようになる」には『直観』を養います。NHKスペシャルの中では↓こういうカットが出てきたのですが…
『直感 Intuition』←ここ「直感」じゃなくて、「直観」だろ~!
実は、『直感』と『直観』はちょっと違うのです。
『直感』は、まぁ 誰でも持っていますが、
『直観』は、継続的な練習の積み重ねで養われるものなのですね~
⇒素人でも訓練によりプロ棋士と同じ直観的思考回路を持てる|理化学研究所
そして「継続的な練習の積み重ね」を人間がやろうとすると(私を含めて)途中で飽きてしまって投げ出す人多数なんですが(^^; コンピュータ プログラムは飽きることなく繰り返すことができますから、強くなっちゃうんです。
⇒ディープラーニング(深層学習) - Wikipedia
※関連記事
2014/11/28 羽生名人 vs. チェス王者カスパロフ氏
2016/02/07 「人工知能対プロ棋士の囲碁対局」へ~!ディープラーニングのプログラムなんだ~
※2020/07/17 こんなツイートが流れてた。記事を読んでみると面白い。
【将棋とAI】
— 講談社ブルーバックス (@bluebacks_pub) July 17, 2020
藤井聡太七段が史上最年少でタイトルを獲得したとういニュースが話題ですが、棋士とコンピュータの頂上対決の舞台裏に迫ったこんな記事も読まれています。https://t.co/47YZuzw8eM
もう一つ、この記事も…
⇒囲碁王者を倒したAlphaGoをゼロから始めて30時間で打ち負かす「AlphaZero」、将棋・チェスの最強ソフトもサクッと制圧|Gigazine
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