『ヒンメリカフェ』…東芝未来科学館でサイエンスカフェ
2015/11/22(日) 東芝未来科学館で、
【リカタンず】 ヒンメリカフェ~「ヒンメリ」を作って楽しむ正多面体の不思議~の講師をしてきました。ヒンメリを作るサイエンスカフェなので『ヒンメリカフェ』です(^_^)
サイエンスカフェなので対象は中学生以上としていたのですが、事前予約した人は少なかったようで… でも、当日受付で満席に。科学館に来るのは子供連れの家族が多いですから、親と一緒なら小学生以下のお子さんもOKですよ~ ということで満席に。そしてなんと…
午前の回は定員15人のテーブルについたのは全員子供!その後ろに親が控えるという構成に←サイエンスカフェとしては珍しい状況。今年のシルバーウィークには東芝未来科学館で60歳以上限定のサイエンスカフェ(サイエンス茶房)をやっていまして←これはサイエンスカフェ史上初かも? だったんですが、サイエンスカフェが子供で埋まるのも珍しい(^o^)
さて、それで親子でヒンメリを作って、作ったヒンメリをぶら下げてニコニコ顔の子供が何人か「今日はありがとうございました。」って挨拶しに来てくれました。ん、教えた私も楽しかったよ(^o^)
『ヒンメリカフェ』ってどんなの?
まぁ、簡単に言えばヒンメリを作るワークショップなのですが、サイエンスカフェなので、ヒンメリを科学的/数学的視点から見まして、副題が『作って楽しむ正多面体の不思議』なんですね(^^)v
では、この日のために(前日夜中まで汗;汗;で)準備したスライドを載せておきます。
◆ヒンメリとは?
まずはヒンメリとはどんなものか「ヒンメリ」の画像検索結果を見てもらい…
◆ヒンメリ(himmeli)とは
ヒンメリ(himmeli)はフィンランドの伝統的なヨウル(joulu)の装飾品である。藁に糸を通し、多面体を構成したら、最後にそれらを繋ぎ合わせて吊るす。別名「光のモビール」。…by Wikipedia
◆ヨウル(joulu)とは
ヨウル(joulu)はフィンランドのクリスマス。もともとは冬至祭をヨウル(Joulu)と呼んでいました。12世紀に入ってスウェーデン領となってからキリスト教が広まったことで、クリスマス装飾の一つとしてヒンメリが活躍するようになります。…by キナリノ
今ではヨウル≒クリスマスなんでしょうが、私はヨウル=冬至祭が重要だと思います。
ヨウル(Joulu)を祝っていた北欧の先住民族 サーミ人 … 狩猟・遊牧の民で、寒さ厳しい冬を生き抜くのはそれは大変なことです。冬になってだんだんと日照時間が短くなり…このまま太陽が昇らない日が来てしまうのでは?と不安になることもあるでしょう(そういう環境に私が住んだら、たぶんそういう不安を抱くな(^^;) でも、冬至を過ぎると、そこからまた日照時間が長くなるんです=太陽が復活するんです! これは「祭」せずにはいられませんよね(^o^)
サーミ人の信仰は森羅万象に精霊が宿るとするものでした。→サーミ人 - Wikipedia
森羅万象の中で太陽は大きな存在です。その太陽が復活するお祭り「冬至祭」は重要なイベントなんだと思います。
ヒンメリ=クリスマスの飾りという理解だけでなく、ヒンメリ=冬至祭(ヨウル)の飾りという理解も大切だと思います。
日本人の精神的ベースにも森羅万象に神が宿る(八百万の神々)というのがありますね。ヒンメリの精神的背景には日本人にも共通するものがあるのではないでしょうか。
※ちなみに2015年の冬至は12月22日です。あなたの身近な神社で「冬至祭」をやっていないか調べてみてはいかが? (うちの近くの神社では… お!冬至祭やってる~)
◆ヒンメリは藁(ストロー)で作る正8面体
左の写真は藁で作ったヒンメリの一部を拡大したもの。右は今回のヒンメリカフェで作るヒンメリ。同じ形でしょ。正三角形が8面あって、それがユニットになっています。この形を「正8面体」といいます。
◆正多面体とは… 正8面体とは…
すべての面が同一の正多角形で構成されてあり、かつすべての頂点において接する面の数が等しい凸多面体のこと。
ヒンメリを作るときに大事なのが「ヒンメリは正8面体」という理解なのです。
◆ストロー正8面体の作り方
ヒンメリ(ストロー正8面体)はこの手順で作れますが、作り方を「手順」として覚えてはいけません!
「手順」ではなく「ルール」として理解すること大事なんです。
その「ルール」は・・・
◆作り方のルール
① ストロー3本で三角形を作る。
② ストローが4本集まったら、
まだゴムひもが1回しか通っていないストローにゴムひもを通す。
まずは最初の三角形の作り方を説明しますね~と、「ゴムひもに右からストローを3本通して、最後のストローは左からゴムひもを入れてクロスさせます。そして左右のゴムひもをズーーーっと引っぱると~ ほら、三角形ができた!」と実演して見せたら、ここで「お~!わ~!」パチパチパチ・・・と拍手が沸き起こりました。ここでそんなに受けるとは思わなかったよ~(^o^)
上のスライドに載せた写真はストロー正8面体の半分ですが、ここまでを実演→作成→実演→作成→…と進めて、皆さんピラミッド型までできましたね。では後は①と②のルールで作ってみましょう。特に②のルール「ストローが4本集まったら」に注意して作りましょう。
皆さんヒンメリ(ストロー正8面体)作りは初めてですから、あちこちで躓きますが、そこは適時フォローして。中にはすいすい作ってしまう人も。ストロー正多面体作りを指導していて難しいのは、人によって進み方が全然違うってこと。早く作り終えちゃう人もいれば、なかなか出来上がりに至らない人もいる。
でも今回のヒンメリカフェではストロー正8面体を小→中→大の順に3つ作りますので、「最初のが出来上がった人は、次の中と大を順に作ってください。」と、手持ちぶさたで待ってもらうことがなくて済む。でも全部出来上がってしまったら?→サイエンスカフェなんで「カフェ」なんです。お茶とクッキーが出るんです(^_^) 「出来上がった人は、お茶とクッキーをどうぞ」という対応ができる。←これ、なかなかイイね!
しかも、今回のクッキーは「ヒンメリ」に合わせてクリスマスツリーとお星様型(^_^)
そのクッキーの写真をブログに載せようと思っていたのに、クッキーはどこ行った?見つからないよ~(涙;)
東芝未来科学館のサイエンスカフェの時間は1回80分。ストロー正8面体を1つ作るのに15分かかったとして、3つで45分。かなり時間が余ってしまうかも?と思っていたが、実際は…最初の一つを作るのに40分もかかってしまった~(汗;) なので所定の80分では作り終わらず、10分延長。でも全員が完成させることができました。
さて、みんながヒンメリ(ストロー正8面体)を作って盛り上がってるところですから、ここでさらに上を示してヒンメリ/正多面体への関心・モチベーションアップを図っておくために、以下のスライドで〆のお話・・・
◆ストロー正8面体(ヒンメリ)のアレンジ
→ヒンメリ…ストロー正8面体×6複合体を作ってみた
→ヒンメリ…ストロー正8面体×19複合体を作ってみた
◆ストロー正多面体はアレンジのしやすい作り方
◆作り方のルールの違いはたったこれだけ
① ストロー3本で三角形を作る。
② ストローが3/4/5本集まったら、
まだゴムひもが1回しか通っていないストローにゴムひもを通す。
◆星型のヒンメリ
→銀の20角星と金の20角星★Silver & Gold Icosa Stars
◆星型のヒンメリ
→12角星…ストローとゴム紐で作る星型のヒンメリ…クリスマスにどうぞ
◆正8面体が出てくるシーン
左側は蛍石(フローライト)
→新宿ミネラルフェア2014…アンモナイト/フローライト/ノジュール
右側は青い塩ビ板で作った正8面体 ←これ、どこかで見たことない?アニメの映画で…
◆見たまえ、この巨大な飛行石を!
ん~これでまた ラピュタの飛行石は正8面体なんだってことを何十人かの皆さんに伝えることができました(^o^)v
→コーナーキューブ⇒正8面体⇒天空の城ラピュタの飛行石
終わってから…「さっきの作り方のルールのスライドをもう一回表示してくれませんか」と言ってきたお父さんがいました。「これ写真撮ってもいいですか?」 はい、どうぞ、どうぞ。
ん、このスライドこそヒンメリ作りの要点なんですね。ここに着目してくれて嬉しかったです。
そしてさらに…「②の 3/4/5 を 6 とか 7 にしたらどうなるんですか?」という質問をしてきた男の子がいた~!「お~!それはイイ質問ですね~!」 あまりにイイ質問だったので、満面の笑みで答えてる私(^o^)
でも手元にそれを分かりやすく説明するためのグッズがなくて… 言葉だけで説明しなければならなかったのがちょっと残念。その子、私の説明で納得はしてくれたんですが、そこに説明グッズがあれば、さらにその子に正多面体の面白さを伝えられたのに~
小学生に正多面体が5種類しかないことを「証明」して伝えられるチャンスだったのですよ。
→正多面体はなぜ5種類しかないのか?実験
色々あれこれ準備したハズなのだが、ちょっと忘れてたりする…
前日になって説明用のパワポ資料を作っている(しかも当日の未明までやってた)ようじゃ、何か忘れたりするね(^^;
↑言い訳・・・
11/14(土) サイエンスアゴラ2015『作って楽しむ万華鏡の不思議』で出展して←この出展準備で手一杯。やっと終わった~ ふ~と息つく間もなく、その一週間後11/22(日)にヒンメリカフェだったので、夜な夜な準備・・・
ヒンメリの材料1人分
・3cmに切ったストロー 12本 … ゴムひも100cm
・4cmに切ったストロー 12本 … ゴムひも125cm
・5cmに切ったストロー 12本 … ゴムひも150cm
・(ストローと同系色の)刺繍糸30cm (3つのヒンメリを繋ぐのに使う)←30cmでは短くて結びにくかった。次回またやることがあったら 50cmにする。
↑これを袋詰めして~↓
↑これを33セット(15人/回×2回+アシスタント練習用・予備 3)
ストローを1セット分切るのに10分かかった。
・・・というように、準備が大変だったのですよ~(^o^;;
ストロー切るのを各自にやらせればいいんじゃない?
ん~最初にめんどくさい作業から入ると「作るぞ!」というモチベーションが下がっちゃうかも? だから、まずは一つ完成させて「出来た!」という成功体験から、2個目・3個目もスイスイ… という展開を狙ってまして。
しかし、最初の1個で40分かかるというのは予想外だった。ストローを予め切っておいて良かったよ~(^o^)v
※「予想外だった」と書いたが、実は予想できたことだった。1個15分というのはマンツーマンで指導した場合の時間だった。教室形式で1:多で指導するときは、マンツーマンのときの倍の時間がかかるのでした。そのことを失念していた。
まぁ、結果オーライだったから、いいかっ(^o^)
※関連記事
・RikaTan 2017年2月号は冬の科学なので…「ヒンメリ」ストロー正8面体
・ストーンヘンジと冬至…NHK地球ドラマチックより
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