皆既月食の本影と半影…太陽・地球・月のスケール感
月食の本影と半影の図って…本当にそうなる? で描いた図が分かりやすくなかったので、描きなおしてみました。
地球と月、皆既月食の時の本影と半影を縮尺約25億分の1で描くと↓上段の図のようになります。これではちょっと分かりにくいので~
縦方向に10倍に拡大してみたのが↑下段の図です。
このように拡大すると、本影と半影ができてることが見て取れます。
さて、なぜ地球の影に本影と半影ができるのでしょうか?
それは、太陽は遥か彼方にあるとはいえ無限遠にあるのではなく、点光源ではなく大きさがありますから、本影と半影ができるんです。
ですから、上の図を描くためには太陽も描く必要がありました。
太陽・地球・月をこの画面に納まるように約1000億分の1で描くと↓こうなります。
何コレ?ですよね(^^;
そこで、太陽・地球・月を100倍(約10億分の1)で描くと↓こうなります。
やっと地球が見える大きさになりました。
月も見えているんですが、1ピクセルの大きさで、100倍に拡大した地球に飲み込まれてます(^^;
この図でもまだ地球の本影と半影ができるしくみを説明することができないので、さらに地球と月を大きくして、位置もずらして~
↑これが地球の影に本影と半影ができることを説明する図です。
一般的に月食のしくみを説明するために、このような図が用いられますが、その縮尺は実際とは全然違うんだよ~ってことを頭の片隅に置いて見てくださいね。
参考までに、太陽・地球・月のデータを並べておきます。
太陽と地球の距離 約149,600,000km
太陽の直径 約695,800km
地球の直径 約12,756km
月の直径 約3,476km
地球と月の距離 約384,467km
※関連記事
・地球と月の距離と大きさのスケール感
・皆既月食の月はなぜ赤い?
・月食の本影と半影の図って…本当にそうなる?
※2014/11/02追記
本影 - Wikipedia に↓この図がありました。(ブログの横幅より大きかったので右側カットしてます)
月の部分を拡大↓
ん、本影と半影、本影の中での月の大きさの比率など、私が描いた図とだいたい合ってますね。自分が描いた図が間違ってないようで(^_^)
そうか、半影の部分はグラデーションで示すと、より科学的に正確な表現になりますね。
※2014/11/03さらに追記
上の図、地球と月の距離が384,400kmとなっています。
ところが私がどこからか引っぱってきた『地球と月の距離 約384,467km』
あれ?違ってる! おかしいな~こういう数字を載せるときは十分調べて載せてるんだけど…
「地球と月の距離」で検索すると、Google先生が『384,400km』と答えてくれる。(汗;)
『地球と月の距離 約384,467km』はどこから引っぱってきたんだっけ?
あ、この記事だ→十五夜なので… アポロが月に置いてきた物に想いを馳せる
この記事を書いていて、月レーザー測距実験|Wikipediaから引用したのでした。
そうそう、月レーザ測距実験の精度は非常に高く『月は、年間3.8cmの速さで、地球かららせん状に遠ざかっている』なんてことも解ってるから、地球と月の距離が384,400kmなんていう100km精度のアバウトな値ってことないよね。
でもGoogle先生は『384,400km』と答えてくるし~
「384,400km 月」で検索すると→ 約 3,250 件
「384,467km 月」で検索すると→ 8 件 え!? たった8件
しかも、8件中6件は「正多面体クラブ」の記事、1件は中国語で、1件は英語。
え~!! 日本語で『地球と月の距離 約384,467km』と書いてるページは私が書いたページしかないの!?
あれ、なんで月レーザー測距実験|Wikipediaがヒットしないんだ?
あ、Wikipediaには「約38万4,467km」と記載されてるからだ。←「万」いらないんじゃない(^^;
しかし、日本語で『地球と月の距離 約384,467km』と書いてるページは私が書いたページしかないという驚愕の事実!
英語ではどうよ?
「384,400km moon」で検索→ 約 19,400 件
「384,467km moon」で検索→ 約 777 件
あ~よかった。 約 777 件あったよ~ と胸を撫で下ろしている私(^^;
しかし英語圏でも日本でも、地球と月の距離はまだ384,400kmが優勢なんですね。
月レーザー測距実験のすばらしい成果が一般に浸透していないのはなぜ?
↑その理由、分かりました。
2015/4/4は皆既月食…赤い月が見られる~!を書いていて、
日食と月食の「しくみ」を丁寧に説明しているこちらのページ
⇒日食・月食のふしぎ|キヤノンサイエンスラボ・キッズを読んでいて…
『どうして地球から見た月の大きさが変化するの?』
『月が地球のまわりを回る公転軌道や地球が太陽のまわりを回る公転軌道は、完全な円ではありません。』←あ~!そうだよ。「ケプラーの法則」のことを失念してた(汗;)
『例えば月の場合、地球に一番近づいたときは約35万km、遠いときは約40万kmと5万kmほどの差があり、地球から見たときの見かけ上の直径は約10%も違います。』 へ~!近いときと遠いときで5万kmも違うんだ~!
だから『地球と月の距離 約384,467km』と言うと、月の軌道が円軌道のようなイメージを与えちゃいますね。実は「ケプラーの法則」のことを失念してた私の頭の中では「円軌道」だったので、より正確な半径を書いた方がいいよね。と思ってた。
でも月の軌道は「楕円軌道」なんです。。。こんな基本的なことを忘れているなんて(汗;)
まだまだ精進しなければ…
※このほかにも、サイエンスリテラシーがまだまだ足りません。精進しなくては…(^o^; と思った記事
2013/09/09 2013「青少年のための科学の祭典」東京大会 in 小金井に行ってきました~
2014/04/02 大國魂神社 本殿裏の朱色の格子、本殿が北を向いていること、屋根の千木・鰹木
2014/6/13 12:10 東京都府中市で雹(ひょう)が降った~ 氷の粒の最大直径2cm
2014/10/09 皆既月食の月はなぜ赤い?
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