皆既月食の月はなぜ赤い?
昨日、皆既月食2014…コンパクトデジカメで撮影したのが↓こちらの写真。
ね、月が赤いでしょ。なぜ皆既月食の月は赤くなるの?
という疑問を持ったとき、「皆既月食 なぜ赤い」で検索すればその答えは簡単に得られるのがインターネットが発達した恩恵なのですが~
このブログでは度々「リテラシー」特に「サイエンス・リテラシー」について触れておりまして、サイエンス・リテラシーの観点からは、そこですぐに検索してはダメです。
「なぜ?」と疑問を持ったら、まずは自分で考えてみましょう。検索する=人に頼るんじゃなくて…
そこで私も検索したいのをグッとこらえて、考えてみた…
地球の影になっているところまで光が届いてるってことは、光が曲がった⇒「屈折」したってことですね。地球には大気があるから、そこで光が屈折するよね。光が屈折するとき、虹のように波長によって屈折率が異なるから、青い光はあまり曲がらず、赤い光はそこそこ曲がって、月に赤い光が届くので月が赤くなる。←これでどうよ?
では「皆既月食 なぜ赤い」で検索・・・ 違った。私の推測は半分間違ってました(^^;
地球の大気による「屈折」は合っていたけど、波長による屈折率の違いではなく、波長による「散乱」される度合いの違いでした。皆既月食の月が赤いのは、昼間の空は青く、夕焼け空が赤いのと共通する理由によるものでした。
夕焼け空が赤いのと、皆既月食の月が赤いことを結び付けられなかった私は、まだまだ精進しなければなりません(^^;
ところで、「皆既月食 なぜ赤い」で検索して出てきたページの中で一番分かりやすかったのはこちら…
⇒皆既月食中の月の色について - 国立天文台
さすが国立天文台のページです。あ、でもこのページをいきなり読み始めると「本影」って何?となってしまいますので、その前に…
⇒皆既月食について - 国立天文台のページを読んでおきましょう。
※「皆既月食 なぜ赤い」で検索してトップ10に出てくるページではどれも同様の説明がされているのですが、それをいかに分かりやすく説明するか… 難しいですよね。
例えば、Nikon | キッズアイランド|月食をかんさつしよう (月食のふしぎをさぐってみよう) こちらのページの説明は…『皆既月食の月が赤っぽく見えるのは、地球の空気が太陽の光を曲げるからなんだ。夕やけと同じで、太陽の白い光が地球の空気やちりに当たって散らばって、赤っぽい光だけが月に届くから、赤っぽい色になるんだよ。』←え~なんで「赤っぽい光だけが月に届く」の?ちゃんと説明してよ~
それに、太陽の光が地球の空気で曲げられるという図←この図の矢印も変ですよ。「散乱」の説明としては矢印が長すぎるし、「屈折」の説明としては外側にも矢印が描かれているのがおかしい。(大気じゃなくて空気と書いてるのも違和感ある) キッズアイランドって子供向けなんでしょうが、子供向けでも科学的に正しい説明をしてよ~ と思う私でした。というか、子供向けだからこそ、科学的に正しい情報を与えなければいけません。子供たちはそこに書かれていることの正誤を判断する知識は持っていないのだから。
※ところで、最初の私の推測…波長によって屈折率が違うから…について、
「屈折率 赤 青」で画像検索すると…あ~波長の短い青の方が屈折率が大きいんだ。すると、屈折率で説明しようとすると月は青くなってしまいますね。こりゃダメだわ(^^;
※検索する前に、自分で考えよう!
→考えるカラス(NHK for School)…これは素晴らしい科学番組だ~!
※「サイエンス・リテラシー」の関連記事←クリックしてご覧ください。
※関連記事
・月食の本影と半影の図って…本当にそうなる?
・皆既月食の本影と半影…太陽・地球・月のスケール感
・「空が青いのはレイリー散乱だ」…アルドノア・ゼロ
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