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2014年8月 8日 (金)

ニワウルシの種子が落下・回転するとマグヌス効果が働いていた~!

7/27(日) 東芝未来科学館『飛ぶタネの模型を作ろう~タネはどこからきたか?考えてみよう~』の講師をやりまして、そこで身近にある飛ぶ種(ヒマラヤスギ,トウカエデ,ニワウルシ)を子供たちに配布して、実際に落として、くるくる回転するのを観察しました。
これをやるために、私は準備段階でこれらの種子を落下させて、くるくる回転するのを観察していたのですが~
Niwaurusi04a
ニワウルシの種子は黄色い矢印で示したように(長軸を回転軸にして)くるくる回ります。

ニワウルシの種子が落下・回転するのを何度も観察していると…
ヒマラヤスギの種子やトウカエデの種子は無風の環境で落とすと、くるくる回転して滞空時間は延びますが、落としたところの直下に落ちます。
ところが、ニワウルシの種子を落とすと、落下軌跡が下向きからだんだん水平方向(斜め下方向)に変化し、無風であるにもかかわらず、落下を始めたところの直下には落ちず、少し離れたところに着地するんです!お~これは種子散布としては優れた性質ですね。

ニワウルシの種子はなぜそういう落下軌跡になるのか?
考えてみた…
そして同時期、ハチラボ夏休みワークショップ「マグヌスコップ」の準備中~だったので、ニワウルシの種子の落下・回転と「マグヌス効果」がリンクした~!
ニワウルシの種子が落下・回転するとマグヌス効果が働いて、落下軌跡が水平方向に変化してるんです!!
↓こんな感じ…
Niwaurusi_magnuseffect
ニワウルシの種子が落下すると、その形状と微妙なひねりによって回転します。
落下により種子の回りには空気の流れができます。
上図の種子の左側は、種子の回転に引きずられる空気の流れと、落下による空気の流れが逆方向なので、空気の流れが遅くなり、水平方向の空気の圧力は高くなります。
一方、上図の種子の右側は、種子の回転に引きずられる空気の流れと、落下による空気の流れが同じ方向なので、空気の流れが速くなり、水平方向の空気の圧力が低くなります。
この結果、上図の回転をする種子には左から右への「マグヌス力」が生じます。
このため、種子の落下軌跡は斜め右下、斜め右下とだんだんと変化し、上図の「ニワウルシの種子の落下軌跡」に示したような曲線となります。
※この様子を動画に撮ろうと試みたのですが、4cm程度の小さな種子ですし、落としてみるまでどっち方向に行くかは分からないので、それをカメラに収めるのは…できませんでした(^^; 図中のニワウルシが回転している画像は、なんとか一瞬とらえた動画の一コマです。

「ニワウルシ マグヌス効果」で検索しても、ニワウルシの種子が落下・回転するときにマグヌス効果が働いていると書かれたページは出てこない。
これってもしかして…新発見!?(^o^)



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