(飛ぶ種)フタバガキの種子の模型作りで、本物に触る
7/27(日) 東芝未来科学館『飛ぶタネの模型を作ろう~タネはどこからきたか?考えてみよう~』の講師をやって、子供たちに「フタバガキ」がどんな植物か知ってもらうために「フタバガキってどんな植物?」のお話をしましたが、もう一つ子ともたちにフタバガキの種子の実物を見てもらうために用意したフタバガキの種子~!
これまた今回のイベント準備のために多大な協力をしていただきましたあうるの森さんのコレクションです。
⇒フタバガキの種子の羽根は萼片なんですって〜!…観察してみました
それに加えて、各テーブルに一つずつフタバガキの種子を配布して観察できるように、自然の実色々 - 軽井沢 ジャムこばやしからフタバガキの種子(小)300円×3個を購入しました。
※フタバガキの種子の模型の作り方は
⇒(飛ぶ種)フタバガキの種子の模型:あうるの森
あ、型紙はこっちを使った方がいいです。
⇒(飛ぶ種)フタバガキの型紙: あうるの森
※次回やる時はこう説明しよう(備忘録) 画像の出典:クラウンシャイネスと木漏れ日(リンク切れ)
フタバガキの枝と葉が隙間なく(お互いの枝が重なることなく)上空を覆っています。
「クラウンシャイネス(Crown Shyness)」と呼ばれる現象です。
ここにフタバガキの種が落ちたらどうなるでしょう?
種から芽が出て~
フタバガキの芽が大きな木に育つためには何が必要かな?
「水」「光」「栄養」「二酸化炭素」などの答えが返ってくることを期待…
そうだね。植物が育つためには光が必要です。
でも親の木の下に落ちた種は、大きく育つために十分な光を受けることができるかな?
「できな~い」
ん、フタバガキの種が芽を出して大きく育つためには、他の木が生えていない空き地に種が落ちないとダメなんです。
フタバガキの種に羽根が付いてなかったら、種はストンと真下に落ちてしまいます。
フタバガキの種には2枚の羽根が付いていて、くるくる回りながゆっくり落ちてくるから、落ちる間に風が吹けば、種は遠くに飛ばされて行くんです。
↑
ここで実際にフタバガキの種子を投げ上げて、くるくる回りながら落ちてくるところを見せているのですが、ここで団扇(うちわ)を取り出し、フタバガキの種子を扇ぐ←これをやりたい。そのためには団扇を忘れずに。
そこで使う団扇はこれにしよ→大國魂神社『すもも祭』の『からす団扇』は軽かった!
※2014/09/20のコメントで…
『こうした果実は風の弱い熱帯雨林域ではたして親木からどのくらい離れたところに落下するのでしょうか? 果実の翼/羽根の役割は風により果実/種子を遠くへ運んでもらうためだけに進化してきたものでしょうか? 高所から落下するので、地面に当たる衝撃を和らげ、果実(命のカプセル)を損傷から守るということも考えられませんか?』
…これに対して私が答えると推測だけになってしまうので回答せずにいたのですが、
2020/11/25 twitterに ↓ この動画が流れまして、
「ふしぎな木の実図鑑」 発刊を記念して、この動画をアップしてみる。
— Tomoki SANDO (@TomokiSANDO) November 24, 2020
図鑑のp70に掲載しているフタバガキ科のShorea siamensisの落果の様子。 pic.twitter.com/m5gInqVeoE
『うわぁ~! フタバガキの実(偽翼果)がクルクル回りながら落ちてくることは知っていたが、こんなに大量に一斉にクルクルするんだ~😃』とリツイートして、ついでに「フタバガキ 偽翼果」で検索してみたら、この記事を見つけました…
⇒2019年ボルネオ・サバ州 フタバガキの一斉開花後の実が落ちる頃に訪れ、観察したこと 雑記|みきと行こう
そして、この記事に、2014年のコメントの質問への回答のヒントとなることが書かれていました。それは…
1、落ちている実のそばに樹はない。
2、茶色の実が落ちている時は、かたまって落ちている。
風に流されて、ちょうどその場所にたまるのか、落ちている時は、必ずいくつも落ちている。
3、かなり強風が吹かないと、実は落ちない。実が落ちてくるのはいつも突然です。
木がそばに無いので、
急に空から降ってくる感じです。
…ということで『親木からどのくらい離れたところに落下するのでしょうか?』の答えは「かなり離れたところに落ちる」ですね。
それと『地面に当たる衝撃を和らげ』ですが、その衝撃はたいしたことないと思います。熱帯雨林の地面はたぶん腐葉土で「ふかふか」です。私は熱帯雨林を歩いたことありませんけど💧 武蔵野の雑木林を歩くと地面はふかふかです。さらに、高いところから落下するとどんどん加速するかというと、そんなことはありません。空気抵抗があり、数グラムの木の実なら「終端速度」に達してしまうのではないかな? ←定量的に計算する必要がありますが、そこは面倒くさいので省略😅
クルクル回ることで、実への落下時の衝撃を和らげていると本には書いてありますが、
そんなに落下時の衝撃が実に打撃を与えるのか素朴な疑問。
樹高が高いから、そうかもしれませんが、それよりも遠くに飛ばすためではないかと思いました。
私もそう思います。
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コメント
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フタバガキの果実の中で、見た目に大きく、丸いものはかなり重いと思われます。皆さんが購入されたものは乾燥し、かなり軽くなっていると思われます。現地で完熟し、落下するものはクヌギの堅果にいわゆる翼/羽根をつけたくらいでしょうか? 高所から旋回しながらかなり早く落下するものと思われます。熱帯雨林域で他の木が生えていない空地はありますか? こうした果実は風の弱い熱帯雨林域ではたして親木からどのくらい離れたところに落下するのでしょうか? 果実の翼/羽根の役割は風により果実/種子を遠くへ運んでもらうためだけに進化してきたものでしょうか? 高所から落下するので、地面に当たる衝撃を和らげ、果実(命のカプセル)を損傷から守るということも考えられませんか? 種子の命は短いとも言われていますから、発芽に好ましい状態で着地するために進化してきたものとも考えられませんか?
投稿: ? | 2014年9月20日 (土) 16時02分
私も6年前に,アルソミトラマクロカルパの種子模型の研究&イベントをしました。
HPにのっていたように,はじめは発砲のブロックをスライスして,切り抜くという作業をしました。
その後,ブロック自体を種子の形に削っておいて,スライスすると種子模型が出来上がる「金太郎飴方式」にしました。その後,スチレンペーパーを購入し,印刷機で直接印刷してから,イベントに臨みました。種子の重さも量って記録したり,発砲リブ,上質紙の印刷に貼り付けるなど,色々ためしました。
RISOの印刷機に使う「マスター」が一番重さや手触りがにていたので,それを手でしわくちゃにして試したりしましたが,残念ながらココにあったようにuもまく飛ぶことはありませんでした〈笑い〉
同じようなことを研究されている方がいらっしゃると知り,ついコメントさせて頂きました。
投稿: Dr.I | 2018年9月16日 (日) 16時16分
そうそう,アルソミトラの殻を私が購入したのは,「ジャム小林」でした
投稿: Dr.I | 2018年9月16日 (日) 16時17分
Dr.Iさん
ジャム小林でアルソミトラの殻を購入されたんですか~!
そりゃすごい(^o^)
投稿: 正多面体クラブ | 2018年9月17日 (月) 06時58分
2014年のコメントの質問に、2020年になって回答のヒントを得たので、記事の最後に回答を追記しました😅
投稿: 正多面体クラブ | 2020年11月28日 (土) 19時45分