2014青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井「ストローとゴムひもで作る正多面体」
イベント:2014青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井
アイテム:ストローとゴムひもでつくる正多面体
日時:2014/8/31(日)10:00~16:30
場所:東京学芸大学 小金井キャンパス
アイテム出展責任者:関野
アイテム出展協力者:河野,小沢,里見,澤田,斉木,村中
クラブ外の協力者:3人(高校生ボランティア:2人,中学生ボランティア:1人)
アイテム参加者:約90人
イベント来場者:約8000人
正多面体シリーズ第6弾!ストロー正多面体です。
これまでの正多面体シリーズのアイテムは…
2008 鏡の中のサッカーボール
2009 ビーズ正多面体ストラップ
2010 PPバンドのセパタクローボール
2011 MOVE FORM
2012 正20面体サイコロ(ペーパークラフト)
子供たちにマンツーマンで作り方を指導するのは協力者の方々にお任せし、私は正多面体作品多数を並べて正多面体についてお話と、ストロー正4面体の作り方実演。
入り口に、ストロー正4面体・正8面体・正20面体をぶら下げておき、「ここではコレを作っています。作るのにかかる時間は、6分・12分・30分です。」『え、そんなに!』「でも全部作る必要はありません。自分はここまででいいと思うところまで作って下さい。正4面体だけを作れば6分です。」
出展エントリーしたときは「正4面体,正8面体,正20面体の何れか一つを選んで作ります。」としていたのですが、8/17に事前研修をしたとき皆さんがストロー正多面体を作るのを見ていて…「正20面体を選んだら、多くの人が途中で躓いてしまう!」と思ったので、正4面体→正8面体→正20面体の順番に作るようにし、3つ全部作らせると一人48分もかかってしまうので、「自分がここまででいいと納得できるところまで作って下さい。」というやり方にしました。
前々から「ストロー正多面体は正4面体→正8面体→正20面体の順に作ってこそ、理解ができるし正多面体の面白さが伝わる。」と思っていたので、正4面体→正8面体→正20面体とステップアップする方式にしました。
各々の製作人数…
正4面体:90人
正8面体:80人
正20面体:50人
正20面体まで作っていった子が50人もいた!というのが予想外。嬉しい(^o^)
午前中は正4面体,正8面体まで作って、正20面体まで挑戦する子は少なく、まぁ予想通りだな~と思っていたのですが、午後になったら正20面体まで作る子が続出… 当初ゴムひもは28人分しか切っていなかったのですが、その場で追加でゴムひもチョキチョキ…(^^)
午前中に正8面体まで作っておしまいにしたけど、午後になって正20面体を作りに来た女の子もいました。
あ、子供だけじゃなくて、大人の人で『私も作らせてもらっていいですか?』と、正20面体まで作っていった人もいました。
「青少年のための科学の祭典」メインターゲットは子供たちですが、大人も参加できます。私は大人の方にもっと参加して欲しいと思っています。「大人が作っていると、作れる子供の数が減ってしまうじゃないか~」とは思いません。ここでストロー正多面体の作り方を知った大人が、自分の子や身近にいる人達にストロー正多面体の作り方を伝えてくれたらそれでイイんです。その方がイイと思ってます。
●この日のトピック(サイエンスコミュニケーション)
入り口のところには正多面体の作品多数を並べておいて、順番待ちの子供たちに自由に触らせています。
で、子供たちから「これ何?」という質問はいっぱい出てきますが、
「なぜ?」という質問はあまりない(^^;
でも「なぜ?」を質問してきた男の子がいた~!
その子は5種類のストロー正多面体を触っていて、『これとこれ(正6面体と正12面体)はふにゃふにゃなのに、他のは固いのはなぜですか?』という質問をした。
「お~!イイ質問ですね~」
この質問、いつもは私から来場者にしている質問です。順番待ちをしていて(正多面体作品を一通り触って)ヒマそうにしているときに…「ストロー正多面体5種類を全部触ってみて、固いのと柔らかいのがあるでしょ?」と。こっちから注意を向ける前にそのことに気づく子は何人かいるんですが、それが「なぜ?」と質問してきた子は初めてです!
あまりにイイ質問なので、語ってしまう私(^o^) ついでに「丸ビーズだと固いのと柔らかいのが逆転するんだよ」というお話も。そしたらその子「それはなぜ?」と質問してくる。お、イイ質問ですね~
ちょうどそのとき他から声をかけられて、その子への回答はおろそかになってしまったんですが…
その子、正20面体まで作ってその後で『さっきの質問ですけど、こっち(丸ビーズの正12面体)は固くて、こっち(丸ビースの正20面体)が柔らかいのはなぜですか?』と、もう一度質問してきた!
お~素晴らしい!この子「サイエンス・リテラシー」=「科学する心」の素養十分だね。もちろん私はその子が納得できるように回答しましたよ。こういう子に会えて、とっても楽しい私でした(^o^)
●親も楽しい科学イベント
子供に付いてきた親(親が子供を連れて来てるんでしょうが)待ち行列の間や子供が工作している間はヒマそうにしています。そういうときこそ正多面体について語るチャンスです。今回の正多面体のお話は「正多面体とボール…意外と身近にある正多面体」みたいなお話。その話をここで書くと長くなるので別途…
(こちらにまとめました→正多面体とボール…意外と身近にある正多面体)
で、私の正多面体のお話を聞いたお母さん『これって幾何学ですよね? 数学って面白いんだ。私が数学習っていたときにこういう風に教えてくれたら… 数学が楽しいって今日初めて思いました。ん、ほんとに楽しかった』
そういう感想を聞けて、正多面体なんぞというニッチな物について語り続けている私もとっても楽しかったです(^o^)
▽この日の出展ブースの様子
右上にぶら下がっているのが…
→ヒンメリ…ストロー正8面体×6複合体を作ってみた
→ヒンメリ…ストロー正8面体×19複合体を作ってみた
※次にストロー正多面体をどこかでやる時のために…
重要なデータをまとめておきましょう。
ストロー正多面体を作るのにかかる時間は…
正4面体(辺の数 6):6分
正8面体(辺の数 12):12分
正20面体(辺の数 30):30分
辺の数=ストローの本数≒製作時間で、だいたいストロー1本≒1分というのがこれまでの経験値でした。
さて、今回の実績値はどうでしょう?
開催時間は昼休みを除いて5.5時間。同時に8人をマンツーマンで指導したので、延べ製作時間は…
8人×5.5時間/人×60分/時間=2640分
今回作った実績からストローの本数を計算すると…
正4面体:90人×6本/人=540本
正8面体:80人×12本/人=960本
正20面体:50人×30本/人=1500本
計3000本
よって、ストロー1本あたり要する時間は…
2640分/3000本=0.88分/本
…となり、1分はかかっていないけど、まぁだいたい1分です。
この数値は次にまたどこかでストロー正多面体を実施するときに非常に役立ちます!
イベント開催前に開催時間と指導者数は決まってます。
そして「0.88分/本」という数値があると、そこから必要な材料の量が割り出せます。
すると、過大に材料を用意してしまって、材料が余ってしまった~という事態や、見積もり(予想)があまくて材料が足りなくなってしまった~という事態を避けることができます。
一般に、材料が余ったら次で使えばいいから、材料が足りなくなって子供たちをガッカリさせたくないよね。と、材料を過大に用意しがちです。
でも、自分の出展実績をこの様に数値として残しておくことで、次の出展のときに無駄のない材料準備をすることができます。
あ~そうそう、材料に無駄がないというだけでなく、材料準備にかかる労力の無駄も省くことができます。
今回の準備作業→2014青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井「ストローとゴムひもで作る正多面体」準備中~
…今回は過大な材料を準備し、その準備作業にも過大な労力を払っていたということになります(^^; でも次にやる時は今回のデータがありますからバッチリです(^^)v
あ~そうそう、今回の『正4面体→正8面体→正20面体の順番に作って、「自分がここまででいいと納得できるところまで作って下さい。』というやり方も初めてだったので、どれがどれくらいの比率になるか?予想するのは難しい。
今回実施して、正4面体:90人,正8面体:80人,正20面体:50人 という数値が得られたのも貴重な成果です(^^)v
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