発泡スチロール・スライサー(アルソミトラの種子の模型を作るために…)
(飛ぶ種)アルソミトラの種子の模型を「飛ぶおもちゃ」ではなく「本物に似た模型」になるように、本物をスキャンして普通紙にプリントして作ってみたんですが・・・
上が本物、下が模型
「本物に似た模型」にはなりましたが、飛び方がイマイチ…(^^;
ん~やっぱり本物のように軽くするには「発泡スチロール・ペーパー」でないとダメか~?
でも白い発泡スチロール・ペーパーで作ると「飛ぶおもちゃ」になってしまうんですよね(^^;
ん~~
お!100円ショップに茶色の発泡スチロール・ブロックがありました。
左:薄茶色、右:濃い茶色(濃い茶色は濃すぎてアルソミトラ向きではありませんでした)
これをスライスして、中央の種は実物をスキャンして印刷したものを貼って~
「本物に似た模型」にはまだまだですが… 透けて見えるくらいの薄さは達成したので、妥協(^^;
では、自作した発泡スチロール・スライサーのご紹介…
30×15cmの板に木ネジを2本立て、その間に発泡スチロール・カッターのヒータ線を張っています。
ヒーター線は「ハッコースチロールカッター専用」のヒーター線を流用してます。
2本の木ネジの間にヒータ線を張り、それをピーンと張るために一方の端は太い輪ゴムで引っ張っています。(ヒーター線を指で弾くと、ピーン♪と高い音がするくらいの張力で)
※この作り方は~昔(2000年ごろ)科学体験クラブ府中発足前に日本科学協会による「体験学習指導者の養成」事業の研修に参加して教えてもらったのを思い出しながら作ってます。
板の裏側には滑り止めのゴムスポンジを貼り付けてます。
電源には乾電池ではなく、使わなくなった携帯電話の充電器のACアダプターを流用してます。
私の場合、数枚スライスするんじゃなくて、100枚スライスする必要があったので、
乾電池だとスライスしてるうちに電圧・電流が落ちてくるだろうし~
常に一定の電圧・電流を得られるものは~(安定化電源なんて家にはないし~)
そうだ!使わなくなって転がってるACアダプターを使えばいいじゃん(^_^)v
家にあった一番容量の小さい 9V 200mA のACアダプターを接続…
→発泡スチロールが切れない(融けない)~(´Д`)
このACアダプターでは容量が足りないようで… 他のACアダプターを探す…
ありました。昔使っていた携帯電話の充電器のACアダプター 5.3V 1A
これでどうだ!?
お~!スーッと切れます(^o^) 面白いように発泡スチロールをスライスできます。
スライスした発泡スチロール・ペーパーでアルソミトラの種子の模型を作って飛ばす(落とす)と…
ふわ~っと飛ばない(^^;
発泡スチロール・ペーパーが厚すぎるようです。
計ってみると、約1.2mm
もっと薄くしようと、スライス厚を調節できるように木ネジにヒータ線を引っかけて、木ネジを回せばスライス厚が調整できるハズだったのですが… それより下に下がらない(^^;
ならば…↓
もう一本木ねじをねじ込み、木ねじの頭でヒーター線を押さえ込んでます。
これでようやくアルソミトラの種子の模型に要求される紙一重の薄さになりました。
約0.4mm
「紙一重」と言うには(ちなみに手元にあった普通紙の厚さは約0.1mm)まだ厚いのですが、これ以上薄くしようとするとヒーター線が発泡スチロール・ブロックにくい込まず(ヒーター線の上を発泡スチロール・ブロックがスライドすることになって、スライスできなかったのです(^^;)
発泡スチロール・ブロックの大きさは20×10×5cm
発泡スチロール・ブロック1個から、約40枚~50枚スライスできました。
スライス前の厚さに対して、スライス後はその半分。なんでこうなっちゃうの?
熱で溶けた分、厚みが減った? 発泡してた空気の分が減っただけ?
ACアダプタで連続運転すると、ACアダプターが発熱します。
ACアダプターを使って調子よくスライスできるので、では1ブロック(40~50枚)連続スライスしてみましょう~ と、スライスしていたら… 30枚ほどスライスしたところでスライスできなくなってしまいました! あれ?融けない=電流が流れていない=ACアダプターに異常発生!?
ACアダプターを触ってみると、熱ッ! 慌ててACアダプターをコンセントから引っこ抜く(^^;
ん~考えてみれば、ヒーター線の負荷があるとは言え、ショートしてるみたいなもんだからな~ 発熱するよね。
…ACアダプターが冷めるのを待って、再度電源投入… またスライスできました(^_^)
以後は、10枚スライスする毎に電源切って一休みするようにしました。
※0.4mm厚にスライスすると~
スライスした直後、スライス片の片端(先にヒーター線に触れた方)は発泡スチロール・ブロックに軽くくっついています。
↓スライス片(左端がくっついていた側=スライスを始めた側)
このようになるのは~
最初、発泡スチロール・ブロックはヒーター線と板との0.4mmの隙間にくい込まず、上に乗り上げてしまいます。その後、ヒーター線の熱で発泡スチロールが融け、ヒーター線が発泡スチロール・ブロックの中にめり込みます。で、ここから後は0.4mm厚でスライスされるんですが、最初の部分は融けた発泡スチロールがまだくっついた状態になってます。
↑これ、ちょっと違ってました。1回スライスして、次にスライスするまでの間にヒーター線が過熱されて、最初の部分の発泡スチロールが融けていたんです。1枚スライスする毎に電源を切るようにしたら、きれいにスライスできるようになりました。
また、前端と後端、または左右でスライスした状態に差があると、その差が蓄積してしまいますから、この差が蓄積しないよう、1枚スライスする毎にブロックを180度回転させ、前後・左右を入れ替えてスライスしています。
そして、めでたく100枚スライスできました~(^o^)
※なんで100枚もスライスしてるかというと~
2014/07/27(日) 東芝未来科学館で
【リカタンず】 飛ぶタネの模型を作ろう~タネはどこからきたか?考えてみよう~ の講師をします。
「飛ぶタネ」には「科学」がいっぱいありますよ~
夏休みの自由研究ネタに是非どうぞ(^o^)
→東芝未来科学館『飛ぶタネの模型を作ろう』で小学生と『バイオミメティクス』
※あ~そうだ、本物のアルソミトラの翼果の厚さは~
約0.1mmでした。
※紙のように薄く(0.1mm厚)、紙のように「へな~」とならず、アルソミトラの翼果のようにピンと張ったままでいられる、できればインクジェットプリンターで印刷できて、かつ安い!そんな材料どこかにないかな~?
※スライスした発泡スチロール・ペーパーでアルソミトラの種子の模型を作る方法は…
→(飛ぶ種)アルソミトラの種子の模型…発泡スチロール製
模型を作って飛ばす→うまく飛ばない→本物を観察する→本物を真似る→ふわ~っと滑空するようになった~!
この過程で、アルソミトラの翼果の凸凹には揚力増加以外のもう一つの効果があることを発見しました。
※100枚も、また150枚もスライスしてるとノウハウが蓄積されるので、それをまとめました…
→アルソミトラの種子の模型を作るために発泡スチロールをスライスするノウハウ
※濃い茶色の発泡スチロール・ブロックをスライスしたもの↓
発泡スチロール・ブロックは、一般的な梱包用/衝撃吸収用の発泡スチロールより発泡した粒が小さいです。これはブロックの上に重量物を置いたりすることを想定して、ちょっと丈夫に作られているのだと思われます。
薄茶色のブロックでは発泡粒が目立ちませんでしたが、濃い茶色のブロックの場合、粒々が目立ちすぎ(^^; これでアルソミトラの翼果を作ると、白い発泡スチロールより本物から遠ざかった模型になってしまうので、コレは使えません(^^;
参考リンク⇒発泡スチロールの作り方(成型方法) 成形機名称(金型名称)|日新化成工業株式会社
※発泡粒の比較
左から、濃い茶色ブロック,薄茶色ブロック,白い通常の発泡スチロール
やはり、発泡スチロール・ブロックの発泡粒は小さく密で、通常のは発泡粒が大きいですね。アルソミトラの翼果の模型用には密度が低くて軽いほど良いのですが、白いやつだと「飛ぶおもちゃ」になっちゃうし、0.4mm厚にスライスすると「へな~」となってしまいます。
発泡スチロール・ブロックを0.4mm厚にスライスしたものは密度が高いゆえ「ピン」としてます(^_^)
本物のアルソミトラの翼果は0.1mm厚でも「ピン」としていて、スゴい!
※2018/03/03
ウォークアロンググライダー(エアーサーフグライダー)に、この発泡スチロール・スライサーが使えた!とのメールをいただきました。…『ペーパーの厚さの調節が本当に正確にできてとてもテンションが上がりました。』とのこと。(^o^)
併せてこちらのページ/サイトもご紹介いただきました。
⇒Welcome to Air Surfing!(AKA Walkalong Gliding)|SciencetoyMaker
こちらのページにのっているウォークアロンググライダーの動画が↓こちらです。
お~!
3:00~3:40 ハンドパワーで浮いてる~!
4:59 「おでこ」パワーで浮いてる~! もしや、Forceか(^o^?
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