2014春イベント~東芝未来科学館 初めての春休み~ 鏡の中のサッカーボール 満員御礼(30人×5回)盛況のうちに修了しました~
いや~楽しかった~(^o^) って、今回私はアシスタントじゃなくて講師なんですが、サイエンスコミュニケーションしてきたぞ~! 子供たちは笑顔いっぱいだし、若いお母さんたちの反応もイイし、講師も楽しいイベントでした。あ、アシスタントのみなさんも楽しかったと思います。
準備作業の苦労が報われました。
→東芝未来科学館:開館記念特別イベント『鏡の中のサッカーボール』の準備作業
どんな風に進めたか(将来またやるときの自分のために)メモしておきます。
「みなさん、こんにちは」
『こんにちは~!』←元気いっぱいな挨拶か返ってきます。
今日のアシスタント、
理科の探検→略してRikaTan→そのメンバーが「リカタンず」
科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」のみなさんです~。
東芝未来科学館に初めて来た人~? →半分ぐらい
二回以上来たことある人~? →お、かなりいる。
一昨年「鏡の中のサッカーボール」をやったことある人~? →0
ん、さすがにそういう子はいません。
じゃ、みなさん今日はラッキーです。楽しい「鏡の中のサッカーボール」を初めて作れるんですから。
まず作り方を一通り説明します。説明が終わったら材料を配りますから、まずは説明を聞いて下さいね。
手元カメラで正面ディスプレイに投影し、作り方を実演…
(以下の画像は、その場で写真を撮っている余裕などないので、かつて撮影した画像を流用してます。)
・正三角形のスチレンペーパーの三隅を三角形に油性マジックで塗る。

(真ん中に白く残った形は… 正6角形)
・3枚の鏡を取り出し、青い面(裏)を上にして、二等辺の頂点のマークを合わせて並べる。

・キットのビニール袋に張ってあるビニールテープを2枚剥がし、3枚の鏡の境界に貼る。

・鏡をひっくり返し(銀色の面を上にして)、貼り合わせた鏡の境界を折り曲げる(ビニールテープが引き伸ばされ、折癖がつく)。

・鏡の保護シートを剥がす

・3枚の鏡を折り曲げて三角錐の形にし、ビニールテープで貼り合せる。

最初に三角形の三隅を塗ったスチレンペーパーを鏡の中に水平に入れるには、ちょっとコツが要ります。
三角形の端をつまんで、三角形の底辺を鏡の一面に滑らせるようにして~
止まったところで向こう側にパタンと倒す。

↑ほら
ここで「お~!」「サッカーボールだ!」と子供たち&参観席のお母さん/お父さんから歓声が上がる。
(つかみはバッチリです。盛り上がってるところで…)
はい、では作ってみましょう!
(あとは、アシスタントの皆さんよろしく。あ、6テーブルあってアシスタント5人だったので、私も1つのテーブルに付いて作り方指導)
簡単な工作ですから、みな比較的スムーズに錐体鏡の組み立てまで進みます。
鏡を組み立てたら、まずはビー玉を入れて見ましょう。

わ!ビー玉がいっぱい!
鏡の中に映ったビー玉とこのビー玉を比べて見てください。

同じだって分かるかな?
あ、同じだ~!
このビー玉は全部で20個あります。
この鏡は、中に入れた1個のビー玉を含めて、20個のビー玉を映し出す鏡なんです。
ぱっと見て数えると前半分の10個ぐらいしか見えないけど、その向こう側にもビー玉があるんです。
あ、ほんとだ!ちょっと斜めから見るとビー玉の隙間の向こうにビー玉が見える~ ←お、よく観察してるね。
次はプラスチックの正三角形の板を入れて見ましょう。

正三角形が20枚つながった立体が見えますね。これは正20面体です。
最後にスチレンペーパーの角を三角形に塗ったものを入れて見ましょう。
あ!サッカーボールだ!サッカーボールが見えた~(^o^)
え~上記のような順に進めようと思っていたのですが、子供たちは自分でどんどん進めて、あちこちで「わ!」「お~!」「すげー!」「キレイ~」って歓声があがって、子供たちの笑顔でいっぱいでした(^o^)(^O^)(^o^)/
1回30分なんですが、イントロ・作り方説明で5分、作って観察するのに10分。だいたい15分で出来上がってしまうので、盛り上がってるところで、「鏡の中を見ながらでいいから、ちょっとお話を聞いて下さい。
(以下、A4の厚紙に印刷したボードを掲示しながらお話。※いつもの出展では(東芝未来科学館のようにプロジェクターが使える恵まれた環境ではないので)紙に印刷したボードを掲示しながらお話してます。)

正多面体は、正4,6,8,12,20面体の5種類あります。5種類しかありません。

正多面体は非常に「対称性」に富んだ形なので、昔から人々の心を惹きつけてきました。
例えば~

正多面体が5種類あることは石器時代の人も知っていた

手鞠(てまり)の「地割り」は正多面体です。
こういう手鞠は江戸時代から作られてました。手鞠を作っている人は、それが正多面体の球への投影であるとは意識していないと思いますが、知らないうちに幾何学してたんですね~
→正多面体てまりコレクション
→スーパープレゼンテーション「サンゴから学ぶ美しい数学」のここに共感
最後にちょっと「理科の探検」の宣伝…

2014春号は『特集 ニセ科学を斬る!』です。ニセ科学に騙されないようになるには「リテラシー」を身につける必要があると思います。

江戸時代に必要とされたリテラシーは「読み書き算盤(そろばん)」ですが、現代では算盤(そろばん)ではなく、コンピュータを使いこなす能力「コンピューター・リテラシー」が求められています。
でも、誰もがスマホを持ち歩く時代になり、スマホってコンピュータですから、誰もがコンピュータは使ってるんですね。なので、コンピュータが使えるかどうかということより、インターネット上に溢れる情報の中から正しい情報を選択し、誤った情報は捨てる「情報リテラシー」が求められる様になってきました。情報リテラシーは情報の受け手に求められるリテラシーですが、ブログやTwitterで誰もが情報発信できる時代ですので情報発信者としての「メディア・リテラシー」も求められるようになってきています。情報を正しく取捨選択する/判断するには、これらのリテラシーを含む「サイエンス・リテラシー」が求められる時代になってきています。
東芝未来科学館のような科学館に来て「サイエンス・リテラシー」を養って下さいね。
今日「楽しかった~」と思ったら、また科学館に遊びに来て下さい。
はい、これでおしまい。
あ~こちらに正多面体工作の色々な展示がありますから興味のある人は見ていってください。
その展示内容は… それを書くと長くなるので、関連記事へのリンクです。
・正多面体展示用ボード for サイエンスアゴラ2013
・コーナーキューブ(再帰性反射)
・地球と月の距離と大きさのスケール感 ←これ子供にも大人にも受けます。みんな、へ~!地球と月ってそんなに離れてるの~!ビックリw(*゚o゚*)wってなります。
「地球と月の距離と大きさのスケール感」説明ツールでは、地球と月の間に3つのビーズを付けてます。

宇宙エレベータの話の中で「静止軌道」と「アンカー質量」のビーズは説明したけど、「ラグランジュ点 L1」のビーズはノータッチ。すると「このビーズは何?」と質問する男の子がいた。
「お~イイ質問ですね~!」 そういう質問してくれる子を待ってたよ~(^_^)
これは月の静止軌道。地球と月の重力がちょうどつり合うところでもあるので、ここに「スペースコロニー」を置こうという候補地です。と話したら…
「スペースコロニーいうたら、ガンダムやん」←お~!そう、そう!ガンダムです!俄然面白くなってきました(^o^)
「スペースコロニーを作る材料はスペースシャトルで運んだらええんとちがう」
スペースコロニーは巨大な建造物だから、その建設資材ををシャトルで運ぶのは大変なの。宇宙エレベータを使っても大変かな。スペースコロニーを作る材料は小惑星から…という構想があるの。地球から宇宙へ物を運ぶより、小惑星を地球と月の近くまで引っ張ってきた方が楽なの。←って話をしましたが、ほんとにそうか~?←この辺ちょっとあやしい。ちゃんと裏付けを取っておかなくては(^^;
この少年とこういう話ができて楽しかったよ~ サイエンスコミュニケーションしたね~(^o^)
「コーナーキューブ(再帰性反射)」の説明をしたときの(若い)お母さん達の反応もよかったな~
自転車の反射板(リフレクター)の裏側と、コーナーキューブリフレクターのモデルの凸凹を見比べていて…「あ~~!」「これ~」「ん!ん!分かりました」と、アハッ!体験をしたときの表情。←これで科学って楽しい!って思ってくれたかも(^^)
はい、以上でお話は終わりです。と言った後、私のお話を聞いていた皆さんが拍手してくれたんです。
嬉しかった~(^o^)
※私の話を聞いて「拍手してくれた~」記事…
2010/10/10 東京国際科学フェスティバル2010クロージングイベント「ネオジム磁石はすごいゾ!」「万華鏡の仕組み・万華鏡の不思議」
2010/11/20 サイエンスアゴラ2010「ネオジム磁石はすごいゾ!」
※今回のアシスタントに「リカタンず」の原さんの知り合いで、高専生の廣瀬くんが参加してくれました。
で、出展内容の説明をしていて「地球と月の距離と大きさのスケール感」で「地球と月の距離って知ってる?」て聞いたら、「38万キロメートル」とさらっと答えが返ってきて、お~!(すげー)よく知ってるね~
それと、終了後に「あ~コーナーキューブで「アレ」をやるの忘れた~」と、正8面体のペーパークラフトをくるくる回しながら「これの青いの、どこかで見たことない?」とアシスタントの皆さんに問いかけると…
廣瀬くんが 「ラピュタ!」
そう!ラピュタの飛行石なんだよ~ 分かってくれて嬉しい(^o^)
やり忘れたのは↓コレです。
コーナーキューブ⇒正8面体⇒天空の城ラピュタの飛行石
なぜコレをやりたいかというと、私の趣味だからではなくて~
↓こういう理由です。
化石のレプリカ「アンモナイト」を記憶に留めるための科学的?お話
※今回のアシスタントの一人の原さんから次のコメントを頂きました。
> 色つき△を鏡にはめる時、最初に鏡の面に水平に入れて失敗(?)してから
> 入れ方を教えて成功した子の方が、感動が大きいようでした。
> ボールに見えなかったのに、ボールになった~と。
あ~!失敗から学ぶってのも重要ですね。
しまった、私いつの間にか「教えて」ましたね。
科学教室では「教える」のではなく「発見」するお手伝いをしようと思っていたのに~
(いつの間にか失念していた)
※参考までに… 「教わる」からの卒業
『地球から宇宙へ物を運ぶより、小惑星を地球と月の近くまで引っ張ってきた方が楽なの。』の裏付け記事
→はやぶさ2の目標天体 1999 JU3 は炭素質コンドライト⇒宇宙エレベーター建設の下調べ?
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