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2013年11月 9日 (土)

サイエンスアゴラ2013『楽しかったです』その一言が一番のご褒美です

サイエンスアゴラ2013 11月9日(土)国際交流館1Fで
正多面体って以外と面白い…作ってみよう』で出展してきました~。
で、正多面体についていっぱい語っちゃいましたよ~(^o^)
サイエンスアゴラぐらいのイベントになると、来場者の科学レベルもちょっと高い。私が正多面体について色々語ると、それに対して「質問」してくるんです。←ここが大事
「イイ質問ですねぇ~」が度々(^^) するとこちらは(その質問待ってましたとばかりに)またさらに語ってしまう(^o^)
10:00開場~17:00修了まで7時間。ずっと正多面体について語ってました。昼食も食べず(あ、そういえばトイレにも行ってない(^^;)
え~来場者は次から次へと入れ替わりますから、5分程度のお話を何度も繰り返しているのですが。度々「イイ質問ですねぇ~」が来ると、お話が膨らんでしまいます(^^)

お話の流れ~
まずは、「正多面体展示用ボード」を使って、正多面体のご紹介
Rpolyhedradisplayboard
正20面体を映し出す錐体鏡で、正三角形を1枚入れると正20面体が映し出され、「ほら、これと、これ(その上にある正20面体モデル)、同じでしょ。」
『あ、ほんとだ!』
同じ形の錐体鏡でビー玉が1個入っているのを指さして「ここからビー玉を取り出して、確かにビー玉が1個だと確認したら、またビー玉を入れてください。」
「ほら、ビー玉がいっぱい。そして、そこに映っている形と、その下にあるビー玉オブジェが同じでしょ。」
「では、このビー玉オブジェと、正12面体モデルを比べて見てください。」
「ビー玉が五角形になっていて、正12面体と同じだって納得していただけたでしょうか?」
(『ビー玉を頂点と見なせばいいんですね』というような受け答えをしてくれる人は完璧)
「では、(正三角形の面を入れた)この鏡と、(ビー玉を入れた)この鏡が同じだってことに注目してください。同じ鏡なのに、面を入れると正20面体、頂点を入れると正12面体になるんです!」
『へ~不思議ですね』
「同じことが、正五角形の面を入れると正12面体を映し出し錐体鏡でも起こってます。同じ鏡にビー玉(頂点)を入れると正20面体が映し出されます。
このように、面と頂点を入れ替えると、正20面体と正12面体が入れ替わるんです!この関係を双対(そうつい)と言います。」
『あ、双対ってそういうことなんですか~』(←正多面体展示用ボードに「双対」と書いてあるので、説明を聞いている人は「双対」という文字はもう見ていて、「双対って何?」状態だったわけですね。)
「同じことが、正8面体と正6面体でも起きてます。
正4面体は面と頂点を入れ替えても正4面体なので「自己双対」です。
正多面体の一番の面白さ不思議さはこの双対だと思います。」

「さて、この正8面体を映し出す錐体鏡は3枚の鏡を直角に組んだ物でコーナーキューブと言います。
このコーナーキューブを覗き込んで、コーナーキューブの方を色んな角度に動かしても、あなたの顔は常に真ん中に映ってますね?」
『あ~はいはい。』
「コーナーキューブは入ってきた光を元来た方向に戻す再帰性反射(さいきせいはんしゃ)という性質があります。
そして、こちらはコーナーキューブをいっぱい並べたコーナーキューブリフレクターです。」
Corner_cube_reflector_1a
「これ、何だか分かりますね」
Corner_cube_reflector_7
『自転車の反射板』
「それを裏返して見てください。」
『あ!これ(コーナーキューブリフレクター)と同じだ~』
「コーナーキューブリフレクターは再帰性反射するので、自転車やガードレールの反射板として取り付けておくと、自らは光らなくても、自動車のヘッドライトの光を受けるとそれを元の方向に戻す…つまりドライバーに見える。という優れものだったのです。」
『なるほど~そうだったのか~』
「このコーナーキューブリフレクターが月にも置いてあります。」
『え?月?』
「そう、月です。アポロが月に置いてきたんです。何のために置いてきたかと言うと、月のコーナーキューブリフレクターに向けて地球からレーザーバルスをピンと打ちます。それが反射して戻ってくるまでの時間を計るんです。すると月までの距離を正確に計ることができます。
その結果、月は年間1cmずつ地球から遠ざかっているということが分かったんです。」
↑あ~!うろ覚えの数字をしゃべっていたら間違えてた~(汗;汗;)
年間1cmじゃなくて、年間3.8cmずつ地球から遠ざかっているんでした。しまった~(´Д`)
今この文を書いていて、自分の間違いに気がついた。
来年もサイエンスアゴラに出展できたら、この間違いを訂正しなければ(^^;

え~気を取り直しまして…
「地球と月との距離は約38万kmです。でも38万kmというのを知識として知っていても、どのくらい遠いのかは感覚として分かってませんよね。そこで、地球と月がどのくらい遠いのかを体感してもらうのがこちら、1億分の1の地球と月です。」
Earth_moon←クリックすると[PDF]が開きます。
「では月の方を持ってゆっくりと後ろに下がってくれるかな~。もっともっと。まだまだ~ もう少し。はい、そこです。」 1億分の1の地球と月の間に張った3.8mのひもがピンと張りました。
『わ~!月ってそんなに遠いんだ~w(*゚o゚*)w』
※しまった、この様子を写真に撮ってくるのを忘れた(^^; 今回の出展で一番の見せ場だったのに…

地球と月の間に張った3.8メートルのひもの途中に3箇所ビーズを取り付けておきました。
『このビーズは何ですか?』←イイ質問ですね~
「若田さんが国際宇宙ステーションに行きましたが、国際宇宙ステーションの軌道高度は約400km。この(1億分の1の)地球の周りに白い余白がありますが、その縁を国際宇宙ステーションが飛んでます。」
『え!意外と低い』
「そうなんです。月までの距離と、国際宇宙ステーションまでの距離って月とすっぽん(^^;」
「さて、その上にあるこのビーズ、これは気象衛星やBS/CS放送の静止衛星の軌道高度、約36,000kmです。」
『へ~そんなに高いんだ~』
「静止衛星は地上から見ると止まって見えますから、この静止衛星からロープを垂らしたらどうなるでしょう? どんどん、どんどんロープを延ばしてやがて地上に着きます。そしたらどうします?」(ここで『ロープをよじ登る』という答えはあまり無かったのです。 多くの人が???状態)
「ロープをよじ登れば宇宙に行けますよね!まぁ実際よじ登るのは無理でしょうから、そこにエレベータの箱をつけたら…と考えられたのが宇宙エレベータ構想なんです!」
『あ~!それが宇宙エレベータなんですか~』
「でも静止軌道から36,000kmのケーブルを垂らすのは色々と問題があります。
36,000kmのケーブルはさすがに重いですから、ケーブルを垂らした長さが長くなると、だんだん衛星の重心が下に下がってしまいます。すると衛星は落ちちゃう(^^;
だから衛星の上側にもケーブルを延ばします。上下でバランスがとれていれば衛星は落ちませんから。上に延ばすケーブルはケーブルがピンと張るように端にアンカーという重りをつけておきます。そして、宇宙エレベータができたときのケーブルの全長は約10万km!
これが宇宙エレベータのスケールなんです。」

この話を聞いていた二人の女子高生。「宇宙エレベータ」という言葉が出てきたときに、「さっき宇宙エレベータの展示を見てきました」と言って頷いてましたが、宇宙エレベータのスケールを理解したら…「あ~、こっちの話をきいてから、あっちを見に行けば良かった~」って言ってました。
そうなんですよ~。宇宙や原子/素粒子や地質時代など、日常感覚とはスケールが桁違いのものを理解するには、そのスケール感を自分の感覚で理解しておくってことが重要だと思います。

今回の出展でこのようなお話をしていて、一番楽しかったのは高校生の反応。上の二人の女子高生もそうですが、午前中に来ていた二人の男子高校生の反応もよかったな~
新しい知識を得たときの反応がイイよ。話しているこちらも楽しくなる(^_^)
科学イベントでは子供連れの親子(子供は小学生以下)が多く、私が語る内容は小学生にはまだちょっと・・・な部分もありますので。でも高校生は、私が語る内容を吸収してくれます。この二人の男子高校生は最後に『楽しかったです』と言って去って行きました。
あ~その言葉が私への一番のご褒美でした(^o^)

※関連記事
サイエンスアゴラ2013『正多面体って以外と面白い…作ってみよう』の出展内容
地球と月の距離と大きさのスケール感
十五夜なので… アポロが月に置いてきた物に想いを馳せる
コーナーキューブ⇒正8面体⇒天空の城ラピュタの飛行石 ←あ~この話はあまりしなかった(^^;
サイエンスアゴラ2010「ネオジム磁石はすごいゾ!」


※2014/04/07 サイエンスアゴラの動画があるって教えてもらいました~。今日まで知らなかった~(^^;

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