(飛ぶ種)アルソミトラの種子の模型でバイオミメティクス
(飛ぶ種)アルソミトラの種子の模型 を「飛ぶおもちゃ」ではなく、実物に似せた「種子の模型」にしました。しかし、これ、無風の室内では「スー」っと滑空するのですが、ちょっと微風のあるイベント会場ではうまく滑空しませんでした_| ̄|○
「まだまだ改良の余地あり」ってことで「今後の課題」だったのですが…
Newton2013年10月号の特集(Newton Special)『知られざる植物の世界 驚異の植物たち』にアルソミトラが出ており、そこに改良のヒントがありました~(^o^)!
引用させていただきます。
『翼の表面にある凸凹
翼の表面は、飛行機の翼のようになめらかではなく、しわのような凸凹がある。この種子のような小さな飛行体では、この凸凹により小さな空気の渦ができ、これが"ころ"の役割を果して空気抵抗を減らすことで、滑空性能が向上する。』
お~、これは!...
バイオミメティクス 生物が秘める超絶能力をいかせ! - サイエンスZERO で見た「トンボの翼断面のギザギザと同じことだね~!!
紙のアルソミトラの翼はなめらかだけど、これをしわしわ凸凹にしたらどうなる?
やってみました~ 普通紙に印刷したアルソミトラの翼果をその形に切って、一度くしゃくしゃに丸めて、また広げて延ばす。←作り方の改良点はこれだけ。
翼の前縁にスチレンペーパーのリブを貼って、もう少し大きい画像で見ると、こんな感じ↓
さて、翼をしわしわ凸凹にしたアルソミトラの種子の模型を飛ばして/落としてみます。
どうなるか? ワクワク・・・
お~!!
ふわ~~と滑空しました! 今までの飛び方と全然違います。
今までは「すー」だったんですが、今度は「ふわ~」ですw(*゚o゚*)w
バイオミメティクス(biomimetics 生体模倣)の効果は絶大です。ハイテクです。←と言っても、やってることは紙をくしゃくしゃに丸めてしわしわ凸凹を作っただけのローテクですが(^^;
これほどの効果があるとは、ビックリ!
小さな翼の場合は、翼の表面に小さな渦をいくつも作るといいよという話はこちらにも…
⇒飛行機の形を読んでみませんか? その6 飛行機の形、生物の形|三菱重工 交通・輸送ドメイン 航空機事業
あ~このページの図を見ていて思った・・・
飛行機の翼断面は「流線型」です。この形により「揚力」が発生するんですよね。
で、トンボの羽根やアルソミトラの翼果は「ペラペラ」の一枚板で断面は流線型ではありません。
でも、翼の表面に凸凹があって小さな渦が発生すると、その上下を流れる気流は~「流線型」になるんですね。それで揚力が発生するのか~!
いえね、Newtonの説明では『この凸凹により小さな空気の渦ができ、これが"ころ"の役割を果して空気抵抗を減らすことで、滑空性能が向上する。』と書いてあるんですが、実際にアルソミトラの模型を飛ばしてみると…
凸凹なし:「すーー」と滑空し早い
凸凹あり:「ふわ~」と滑空し、ゆっくり
…だから『空気抵抗を減らすことで、滑空性能が向上する。』という説明がしっくりこなかった。空気抵抗が減ったら速度は上がりますよね? 凸凹にしたんだから空気抵抗は増えてますよね? 実際に遅くなってるし~
『この凸凹により小さな空気の渦ができ、翼の上下を流れる気流が流線型になるので揚力が増す』という説明だと、私の実験結果をうまく説明できるのですが~・・・
アルソミトラの翼果の表面って、そんなに凸凹あったっけ~?
ん~、この写真では翼の薄さは分かるけど凸凹は見てとれないので、
↓こちらの写真
しわしわ凸凹がありますね。
これらのアルソミトラの翼果は「左右対称」からはだいぶズレてるんですが、飛ばしてみる/落としてみると、「ふわ~」と滑空しました。
あ~それと、しわしわ凸凹にした模型は、室内の無風状態なら「ふわ~」と滑空したのですが、屋外の微風のある環境ではうまく滑空しませんでした。
まだまだ本物には及びません(^^;
あ、もう一つ改良ポイントがあるんだ。
Newtonよりもう一点引用させていただきます。
『翼の両端の反り上がり
飛行中は、翼の両端が反り上がっている。このことで、翼が横に傾いてしまう横揺運動(ローリング)がおきた際に、両翼に、揚力の差ができ、傾きが立て直されて安定する。』
上の模型の写真では翼の前縁リブの幅が翼の幅よりやや短い程度。前縁リブの幅を短くして、翼端が反り上がるようにすると飛行が安定するかも? まだ実験してませんけど。
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