(飛ぶ種)フタバガキの種子の模型…こう説明するんだった~
第31回戸田少年少女サマーフェスティバルで「飛ぶ種」フタバガキとアルソミトラの種子の模型作りを指導してきました。
作り方はこちら…
(飛ぶ種)フタバガキの種子の模型
(飛ぶ種)アルソミトラの種子の模型
私は子供たちに飛ばし方の説明をしてまして、今期新開発のアルソミトラの種子の模型は、まだ改良の余地がありまして、うまく「す~」と滑空しません。うまく飛ばないので「こっちに本物があるので見てください」と… アルソミトラについてはどんな植物かを説明したのですが、フタバガキは投げ上げるだけで「くるくる」回るので「飛ばし方は~ ただ投げ上げるだけ。」という説明。
それじゃ「フタバガキ」という植物の説明をぜんぜんしてないじゃないか~!
あ~こういう説明をするんだったな~と、終わってから反省している私(^^;
え~どんな説明をしたかったか(次回のために)書いておきます。
※フタバガキの説明をするには、フタバガキの種子(本物)以外に、木の写真が必要ですので、ネットで検索して見つけた写真のサムネイルとリンクを張っておきます。※この記事2013年に書いたのですが、2020年現在リンク切れになってしまっていたので、類似の画像検索結果のリンクを⇒で示しておきます。
シンガポールの植物
フタバガキは高さ50mにもなる熱帯雨林の木です。
※50mだと、だいたい15階建てのビルぐらいの高さです。
⇒「フタバガキ 木」の画像検索結果
熱帯雨林のフタバガキの森にはフタバガキの木がいっぱい! 早朝のボルネオのフタバガキ林|化学同人
⇒「フタバガキ 熱帯雨林」の画像検索結果
フタバガキの森を下から見上げると~ クラウンシャイネスと木漏れ日
フタバガキの枝と葉が隙間なく(お互いの枝が重なることなく)上空を覆っています。
この現象を『クラウンシャイネス Crown shyness』といいます。
Crown は「王冠」ですが、この場合は「樹冠」
shyness は「はにかみ、内気」
木々が我先に枝葉を伸ばして光を独占するのでなく、互いに譲り合う「シャイな性格」だったので、みんなが大きく育つことができたんですね~w(*゚o゚*)w
⇒「クラウンシャイネス」の画像検索結果
ここにフタバガキの種が落ちたらどうなるでしょう?
種から芽が出て~
フタバガキの芽が大きな木に育つためには何が必要かな?
「水」「光」「栄養」「二酸化炭素」などの答えが返ってくることを期待…
そうだね。植物が育つためには光が必要です。
でも親の木の下に落ちた種は、大きく育つために十分な光を受けることができるかな?
「できな~い」
ん、フタバガキの種が芽を出して大きく育つためには、他の木が生えていない空き地に種が落ちないとダメなんです。
フタバガキの種に羽根が付いてなかったら、種はストンと真下に落ちてしまいます。
フタバガキの種には2枚の羽根が付いていて、くるくる回りながゆっくり落ちてくるから、落ちる間に風が吹けば、種は遠くに飛ばされて行くんです。
…と、まぁ、こんな説明をしたかったんです(^_^)
子供たちはくるくる回るものが好き~
「飛ぶ種」の出展では、フタバガキとアルソミトラの種子の模型を作らせるだけでなく、身近にある飛ぶ種(ヒマラヤスギ,ニワウルシ,トウカエデ)のサンプルを配布し、実際に飛ばして見せました。これらの種は小さいので、非常に良くくるくる回ります。それを見た子供たちは皆「わ~!」と感嘆の声をあげます。
フタバガキの種子の実物は、大・中・小 取りそろえ、飛ばしてみたいという子には、実物のフタバガキの種子を渡して投げ上げさせます。すると、小さいフタバガキの種子は子供が投げ上げる高さで簡単にくるくると回ります。で、小さいのより、大きいのでやってみたい子供が多いのですが、大きなフタバガキの種子は簡単には回りません。
物理的に言いますと、大きいフタバガキの種子が回転するには大きな角運動量が必要で、それはフタバガキの種子が落下する位置エネルギーが角運動量に変換されます。で、大きなフタバガキの種子はある程度の高さを落下しないと回転しはじめないのです。つまり、大きなフタバガキの種子を回転させるには、思いっきり高く種子を投げ上げる必要があります。子どもの力ではちょっと難しいので、大きなフタバガキの種子は私が投げ上げて実演してました。
これで分かったこと:子どもの力で投げ上げるのだから、フタバガキの種子の模型は小さい方が良い。
(飛ぶ種)フタバガキの種子の模型 には小型と中型の2種類の型紙を載せていますが、今回はアルソミトラの種子の模型も作らせるので、フタバガキは中型だけとしました(小型、中型どちらかを作るなら、大きい方が良かろうと考えた…)
でも、子どもが投げ上げて簡単に回転するのは小型の方だったのですね~
次回やることがあったら、小型の方を作らせようと思います。
あ~それから、子供たちが作ったフタバガキの種子の模型が良く回らないとき、私が「ちょっと見せて~」と羽根の曲がり具合を調整してしまったのですが、これも科学工作の指導としてはダメ。
本物がくるくる良く回るのを見せ「本物と君が作ったのを比べてみてみよう」
「本物と同じように羽根を曲げれば、くるくる良く回るはずだよ」と、本物を観察する機会にするべきだった。
いや~大勢の子供たちが来ると、それをしている余裕がなくて…(^^;
この日の「飛ぶ種」の参加者は170人でした。
※2014/07/27(日) 東芝未来科学館の
【リカタンず】 飛ぶタネの模型を作ろう~タネはどこからきたか?考えてみよう~ で、この反省を踏まえて実施してきました~
→東芝未来科学館『飛ぶタネの模型を作ろう』で小学生と『バイオミメティクス』
※2013/09/11追記
フタバガキの樹高50mはスゴイ!「地面から地上50mの高さまで水を吸い上げている」という事実がスゴイ!」ってことを
「10mのストローでジュースが飲めるか?実験」をして伝えたいのだが…無理だろな(^^;
こちらの記事もどうぞ→ 「驚異の植物たち」Newton2013年10月号は面白かった~
※2020/07/17のNHK チコちゃんに叱られる!で
10mのストローでジュースを飲めるか?(大)実験!やってくれました~(^o^)
« オクトーバーフェスト…なぜ8月なの? | トップページ | ロザリンド・フランクリン⇒生物と無生物のあいだ:福岡伸一 »
「科学体験クラブ府中」カテゴリの記事
- 多摩第一小学校実験教室(飛ぶ種)フタバガキとアルソミトラの種子の模型(2014.09.12)
- 正多面体とボール…意外と身近にある正多面体(2014.09.02)
- 2014青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井「ストローとゴムひもで作る正多面体」(2014.08.31)
- 2014青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井「ストローとゴムひもで作る正多面体」準備中~(2014.08.27)
- 2009青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井「ビーズ正多面体ストラップ」(2009.09.13)
« オクトーバーフェスト…なぜ8月なの? | トップページ | ロザリンド・フランクリン⇒生物と無生物のあいだ:福岡伸一 »
コメント