「すっとびボール」の作り方
「すっとびボール」別名「多段式垂直衝突球」とはどんなものかというと~
こんなものです⇒「すっとびボール」で画像検索
スーパーボールを3個~4個、穴を開けて棒を通して積み重ねたものが一般的です。でもこれを作るには…スーパーボールに穴を開ける(穴を貫通させる)必要があるため、電動ドリル等を使うことになります。ん~それでは小学生に作らせることができません。ではどうするか?
以下、小学生にも作ることができる「すっとびボール」の作り方を説明します。
←こういう「すっとびボール」を作ります。
下のボールはスーパーボール(φ32mm)
上のボールはピンポン球(φ40mm)
棒は竹串(φ2mm)です。
「すっとびボール」は下のボールより上のボールの方が軽ければ、上のボールがよくすっ飛びますから、上のボールを軽いピンポン球にしました。またピンポン球ですから、穴を開けるのに電動ドリルを使う必要はありません。
▼用意するもの…
・丸ヤスリ
・クジリ目打ち(千枚通しでも可)
・ドリル刃φ2mm(手で回します)
・スーパーボールφ32mm(このくらいの大きさのもの)
・ピンポン球(φ40mm←規格でこのサイズです)
・竹串(太めのものφ2mmぐらい:1本)
▼ピンポン球に穴を開ける…
クジリ目打ち(千枚通し)でピンポン球に穴を開けます。
まだ竹串(φ2mm)が立ってしまうほど穴が小さいです。千枚通しですとこれくらいの穴しか開けられませんし・・・
クジリ目打ちで穴を大きくすると、ピンポン球のセルロイドが破れたような穴になってしまい、竹串がスムーズに通りません。竹串(φ2mm)をスムーズに通すには、φ4mmぐらいの穴にする必要があります。
そこで、丸ヤスリで穴を削ってφ4mmぐらいの穴にします。丸ヤスリをグリグリよく回して、ピンポン球のセルロイドの削り粉が出るように削ります。
このようなキレイな穴になります。
反対側にも同じように穴を開けます。←と、簡単に書いてますが、正確に「反対側」に穴を開けるのは難しい(^^;
例えば、このように親指と人差し指の爪を、一方は穴を開けた側、もう一方は反対側(と思うところ)に立て、指の爪を定規代わりにしてボールペンで線を引きます。そのまま、ピンポン球を90度回転させてもう一度、反対側(と思うところ)に線を引きます。これら2本の線が交叉する点が反対側です(たぶん)。 卓球ボールをさらに45度回転させ3本目の線を引くと、3本の線がピタッと1点で交叉するなんてことはなく、たいてい小さな三角形になっているでしょう。その三角形の中のどこかに正確な反対側があるかも?なので、まぁ三角形の中の適当なところに穴を開けてください。
▼スーパーボールに竹串を刺す…
クジリ目打ち(千枚通し)をスーパーボールに突き刺します(1cmくらい)。
重要:クジリ目打ち(千枚通し)はスーパーボールに真っ直ぐ垂直に突き刺すように気をつけてください。この穴が斜めになると、竹串も斜めになり、すっとびボールがうまく飛びません。
この穴に竹串を刺すこともできますが、まだ穴が小さくて竹串が十分な深さに刺せません。
ドリルの刃(φ2mm)で穴を大きく深くします。深さはスーパーボールの半分ぐらい。ドリルの刃は手で回します。スーパーボールのゴムの削りかすが出てくるように、グリグリよく回してください。
スーパーボールに竹串を刺します。
竹串に穴を開けたピンポン球を通して、できあがり~(^o^)/
▼「すっとびボール」の飛ばし方…
固い平らな床に立ち、すっとびボールの竹串の端を親指と人差し指でつまんで持ち、その手を上に上げて~ 親指と人差し指を離す。それだけです。
ほら、ピンポン球がすっ飛んだ~!っていう動画を載せようと思うのですが… そのうち(^^;
こちらに動画を載せました→「すっとびボール」はなぜ高く跳ね上がるのか?
ピンポン球穴開け治具
上で説明しましたように、ピンポン球の「反対側に正確に穴を開ける」のはなかなか難しいのです。科学教室/イベントなどで大勢の子供たちに「すっとびボール」を作らせるには、ここを何とかしないと時間がかかるし、正確に反対側に穴が開いていないとうまくすっ飛びません。そこで…
「ピンポン球穴開け治具(じぐ)」を開発しました~(^o^)v
内径40mmの紙管を20mmの幅にカットし、木の板(45mm角、厚3mm、中心にφ4mmの穴を開け)ボンドで接着したものです。
これにピンポン球を入れ…
上からもかぶせ…
治具の穴にクジリ目打ち(千枚通し)を突き刺してピンポン球に穴を開けます。治具をひっくり返して反対側からも穴を開けると、誰でも正確に簡単にピンポン球に穴を開けることができます(^^)v
※この治具を使って実施したイベント
・2011/07/26 第29回戸田競艇場少年少女サマーフェスティバル「すっとびボール」
・2012/02/18 府中市青少年の科学体験フェスティバル「すっとびボール」
・2013/07/24 渋谷ハチラボ夏休みワークショップ「すっとびボール」
※スーパーボールに竹串を刺す穴を開けるとき、クジリ目打ち(千枚通し)を突き刺すだけでなく、ドリル刃で穴を広げていますが、こうしているのは~
↑スーパーボールが裂けてしまうことがあるからです。その場でスーパーボールが裂けることはなくても、1ヶ月ほど放置しておいたらスーパーボールが裂けていた~ってこともあります。ですから、竹串を刺す穴は竹串よりやや細い程度で、スーパーボールに無理な力がかからないように、竹串の太さと同程度のドリルの刃で穴を広げています。
※すっとびボールはなぜ高く跳ね上がるのか? 定量的に考察してみた。
2013/07/19「すっとびボール」の原理…最適質量比についての考察
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