脳 vs. コンピュータ 消費エネルギー効率で脳が圧勝
グーグルがNASAと共同で、量子コンピューターラボを開設
へ~量子コンピュータを「機械学習」に使うのか~
『われわれは量子コンピューティングが、特に機械学習など計算機科学のもっとも困難な課題の解決に役立つ可能性があると考えています』とのことです。
「機械学習」といえば、人間のクイズ王を破ったIBMの「ワトソン」が有名ですが、
⇒人工知能がクイズ王に挑戦! 前編「ワトソン」誕生 - サイエンスZERO
『ワトソンは、冷蔵庫10台分のスペースにパソコン6000台分の演算装置を搭載。2億ページ分のデータを瞬時に検索する能力を持っている。』←ん~これではASIMOくんの中には収まらない(*_*)
私、アシモフSFファンで、ロボットが人間と共に暮らす世界を夢見てるんですが、そのためにはロボットには人と会話する(自然言語理解)能力が必須ですよね。だから「ワトソン」以上の自然言語理解能力をASIMOくんの中に収められるようにならないといけないのですが…
冷蔵庫10台分のスペースを「握りこぶし2個分≒人間の脳の大きさ」にまで小さくするのは、まだまだ・・・
サイズの問題もありますが、消費エネルギーの問題もあります。
▼人間の脳の消費カロリーはどれくらい?
⇒脳のエネルギー消費量は凄いと聞きました、だとすれば脳を使えばダイエットできるのですか?|Yahoo!知恵袋
(いい質問ですね~(^o^)
ベストアンサーに選ばれた回答の中に『基礎代謝が2500kcalの人であれば、脳は一日に450kcalものカロリーを消費することになります。』とのデータがありました。←これだけ読んで、ダイエットできると誤解されては困るので、ベストアンサーの回答より…『決して痩せることはありません。血糖値が下がって単にお腹がすくだけです。』
▼ワトソンの消費電力は?
⇒IBM、ワトソンのモバイル化を狙う
『質問に答える際のワトソンの消費電力は8万ワット時と膨大だ。』
1日に16時間稼働(8時間はスリープ)として、8万Wh×16時間⇒128万Wh
▼kcal→Wh換算はどう計算するの?
⇒1カロリーは何ワットになりますか?|Yahoo!知恵袋
『ワットでは表せません。カロリーは「ワット時」に変換は可能です。
1kcalは1.163ワット時です。500kcalの食事なら、500×1.163=581.5ワット時ですね。』
すると、脳は1日に450kcal消費するとして…450×1.163≒523Wh
人間の脳 523Wh vs. ワトソン 128万Wh
ワトソンは人間の脳の約2447倍ものエネルギーを消費しているのです。
エネルギー効率では現在のコンピュータに対し脳が圧勝です。
一昔前のコンピュータは、高性能→高性能→もっと高性能…というトレンドでしたが、
モバイル/クラウドの時代になって、省電力→省電力→もっと省電力というトレンドになってきました。
しかし、コンピュータが脳のエネルギー効率を達成するのはいつの日でしょうか?
いや~「進化」ってすごいもの(脳)を生み出したんですね~
※あ、「脳のエネルギー消費は凄いと聞きましたが…」というのは「大脳が消費する割合は、基礎代謝の18%」だからで、「脳の重さは体重の2%」と比較すると、脳のエネルギー消費は体の他の部分と比べると凄いですよね。脳以外の体のエネルギー効率も非常に高いってことですね。
ちなみに、ASIMOくんは1回の充電で活動できるのは30分程度だそうです。
え~それじゃ、ASIMOくんと楽しく遊んでいても、30分ほどで「ごめん、僕ご飯食べなきゃ(充電しなくちゃ)。またね~」ってなっちゃうんですね(^^;
ロビーと遊べる日はまだ遠い・・・
『われはロボット』 アイザック・アシモフ/小尾/芙佐訳 ハヤカワ文庫SF535
カバー:空山基
※ロボット工学三原則が記載されている「ロボット工学ハンドブック」は、2058年には第56版になっていたのに・・・
※関連記事
・天才脳の秘密|日経サイエンス ⇒ ヴァーチャル・ガール
・「もう1つの量子コンピューター登場」日経サイエンス2013/11…(D-Waveの量子コンピューター)
・囲碁≫将棋≫チェス…天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る
・『ヒト指向型人工知能の複製等に関する法律』…AIの遺電子
※2013/09/15追記
GIGAZINにこんな記事がありました。
⇒人間の脳の活動でわずか1秒間はなんとスーパーコンピュータ「京」の40分に匹敵することが判明
もう一つ、
⇒写真で見る世界最速のスーパーコンピュータートップ10
これによると「京」は消費電力は12.7MWです。
人間の脳活動1秒のシミュレーションに40分で、消費電力は12.7MWだと、脳の消費エネルギー効率に遠く及びません。でもたぶん、そのうち追いつくんですよね。そして追い越すと・・・
※2019/07/30追記
ロビーと遊べる日は近い?
⇒不揮発性メモリが切り拓く超低消費のAIハードウェア|PC Watch
⇒インテルがニューロモーフィックチップ「Loihi」を開発した理由|ZDNet Japan
『この非同期な動作によりニューロモーフィックチップは、「常に動作状態にある」CPUやGPUよりも格段に優れたエネルギー効率を達成できる。』←こういうアイディア昔(30年ぐらい前)コンピュータサイエンス誌 bit で読んで、ん!それだよ!と思ったので覚えているのだが、ようやくそれが実現される時代になってきたのね。ワクワク(^o^)
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