オウムガイの浮力調節は「浸透圧」による
[貝類学 佐々木猛智 2010 東京大学出版会]
を読んだら、面白かった~(^o^)
特にオウムガイの浮力調節の仕組みが、へ~!そうだったのか~!だったので、自分のオウムガイの殻コレクションの写真を添えて、引用させていただきますm(_ _)m
『アンモナイト類、オウムガイ類の殻は、気房と住房で構成される。気房の内部は隔壁によって多数の気室に仕切られている。隔壁の内部は連室細菅によって貫かれ、その内部には体管索とよばれる組織が詰まっており、浮力調節器官として機能している。
現生のオウムガイの研究では、隔壁の形成は下記のよな手順を経て形成されるものと考えられている(Ward, 1987; 棚部, 1998)。
①隔壁を分泌すると軟体部が前方に移動する。
②移動した軟体部の後側に隙間ができ、外套膜外液で満たされる。
③隔壁の石灰化が始まる。
④隔壁が十分な厚さになると、気室内に閉じ込められた外套膜外液(カメラル液)が連室細菅の上皮を通じて排出される。
連室細管は浮力を調節するうえで重要な器官。オウムガイは、気室中のガスの体積を直接変化させるのではなく、カメラル液を出し入れすることにより全体の密度を調節すると考えられている。
浮力を増加させるには、能動輸送によって上皮細胞内に濃度勾配をつくりだし、浸透圧によってカメラル液を排出する。気室内の圧力が下がるとカメラル液に溶けていた分子が気化してガスが発生する。一方、浮力を低下させる場合は逆である。つまり浸透圧のポンプによって液体を出し入れして浮力調節をおこなう。(Denton and Gilpin-Brown, 1973; Ward et al., 1980; Greenwald et al., 1982)アンモナイト類もオウムガイ類と同様の連室細菅の構造をもっており、同様の機構で浮力を調節していたものと考えられる(Tanadpbe et al., 2000)』
なるほど~!!
(特に太字にしたとこが「なるほど~!!」でした。)
Wikipedia「オウムガイ」には…
『ガスと液体の容積の調整は弁のような機構的な構造によるものではなく液体の塩分濃度を変化させることによる浸透圧の変化によって水分を隔壁内外へ移動させる事で行う。』と書かれているのですが、私はこれがいまいちイメージできずにいたのですが、「貝類学」の説明でイメージがかなりクリアになりました。
あ、「浸透圧」についてはWikipediaで復習しました(^^;
⇒浸透圧 - Wikipedia
「貝類学」でのアンモナイトとオウムガイの違いについての記述…
『アンモナイト類とオウムガイ類の殻は外見上非常によく似ている。両者の違いとしては、
①縫合線の複雑さ
②隔壁の湾曲の向き
③連室細菅の位置
④初期殻の違い。の4点があげられることが多いが、すべての種に確実に当てはまるのは④のみである。(重田. 2001)』
あ~これらは以前調べたから、読んでいて「ふむふむ、私の理解は正しかったね~」でした。
・アンモナイトの縫合線
・アンモナイトの螺旋
・アンモナイトの隔壁は凸で、オウムガイの隔壁は凹、なぜ?
・アンモナイト/オウムガイ…球状の初期室をもつ/もたない

浸透圧 - Wikipedia を読んでいて…
『極端に糖分や塩分が高い食品が腐敗しにくいのも浸透圧によるものである。細菌が取り付いて繁殖しようとしても、自身の細胞から水分が吸い出され、死滅してしまったり非常に遅い速度でしか繁殖できないためである。』
なるほど! そうだったのか~
へ~ こちらの記事も面白かったです。
⇒ノーベル賞でつづる化学史 > [1901] ファントホッフ (浸透圧の発見)
↑この記事の中に『漬け物,青菜に塩,ナメクジに塩(爆),梅酒』という身近な「浸透」の現象が紹介されてます。こういう身近な現象を例に出してくれると、一見無難しそうなお話も身近に感じられるんですよね。
梅酒作りでは「浸透圧」が2段階に働くのか~!それで氷砂糖なのか~ なるほど。
※関連記事:銀の匙8…チーズ作りで「浸透圧」
※2020/07/08追記
『貝類学』から引用した中に「カメラル液」があるのですが、実はこの記事を書いたとき(2013年)には「カラメル液」と書いていて、その間違いに7年たって気づいた💧ので、修正しました。さらに、それをネタに記事書きました😅
→オウムガイの気房の中には「カメラル液」があって、カメラの意味は「小さな部屋」
※2020/12/05 大和市 冬のおもしろ科学館『アンモナイトの化石のレプリカ作り』のスライドに
↓この画像(当初この記事に載せていたもの)を使おうとしたんですが、
あれ? この殻の向きは生きてるときの向きと違うよね💧 と気づいたので、
↓こっち向きに修正しました😅
で、ブログに載せたアンモナイトやオウムガイの画像を見ると… 向きがいいかげんだな~💧と気づいたのですが、それらも修正するのは大変なので、これだけ修正😅
2026/02/14『食の貝』東京大学総合研究博物館スクール・モバイルミュージアムで
『貝から進化したイカとタコ』講師:佐々木猛智(ささき たけのり:東京大学総合研究博物館・准教授)のお話で
オウムガイがワシントン条約の対象になったことを知りました。
「オウムガイ ワシントン条約」で🔍すると…
『オウムガイ(全種)は、2017年からワシントン条約(CITES)の附属書IIに掲載されており、国際取引が規制されています。
生体だけでなく、殻や加工品も対象に含まれます。』
※私が持っているオウムガイの殻は、2000年ごろに科学館のお土産コーナーで購入したものです。
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