核図表(Chart of Nuclides)クリアファイル…理研(和光)一般公開
理化学研究所 和光地区 一般公開に行って、タツノオトシゴの平面充填で喜んでいた私ですが、理研の一般公開でもらってきた資料を整理していたら…
核図表(Chart of Nuclides)クリアファイルがあった~!これはイイ(^o^)
「核図表」は全ての原子核を示したマップで、縦軸が陽子数、横軸が中性子数
●黒は安定核といい、天然に存在する原子核です。
●ピンクはこれまでに発見・合成された原子核です。
で、このクリアファイルに白い紙が1枚挟まっている。取り出して見ると、何も印刷されていないただの白い紙。あれ?
と思ったら、クリアファイルの方が↓こうなっていた~!
●緑●青はRIビームファクトリーで発見した原子核
●紫は理論上あるとされているが、まだ発見に至っていない原子核です。
ん~RIビームファクトリーが目指すのは、この「●理論上あるとされているが、まだ発見に至っていない原子核」を発見し、原子がどのように作られてきたかを解明することなんだ~!
…ということが、この核図表(Chart of Nuclides)クリアファイルを見て分かりました~(←分かるのが遅いよ。すみません、どうも他のところに気が行っていて(^^;)
ところで、理研で核図表といえば~ サイエンスアゴラ2010のレゴで作った核図表/ハイゼンベルクの谷ですね~!「こ、これは!…」と感動して 写真を撮っていたんですが、その写真が見つからない(^^;
「理研 ハイゼンベルクの谷 レゴ」の画像検索結果をご覧ください。
核図表(Chart of Nuclides)クリアファイルもなかなかイイんですが、核図表/ハイゼンベルクの谷は3Dで見てこそ、その意味が理解しやすいですよね~
核図表/ハイゼンベルクの谷 鑑賞のポイント①
水素(H)の頂きからヘリウム(He)への急峻な落込みを鑑賞する。
太陽(恒星)の中での核融合反応は、この谷を落ちる滝に例えることができるんです。
核図表/ハイゼンベルクの谷 鑑賞のポイント②
鉄(Fe)の淵を覗き込む。ここがハイゼンベルクの谷の最深部です。
恒星の中での核融合反はここまでしか進みません。そして太陽質量のおよそ4倍以上の恒星は核融合反応が進まなくなると、自らの重力で崩壊し超新星爆発を起こすんです。
核図表/ハイゼンベルクの谷 鑑賞のポイント③
ウラン(U)を探してみましょう。鉄(Fe)からはとっても離れたところにありますね。
恒星の中での核融合反応は鉄(Fe)までしか進まないのに、どうやってウラン(U)はできたのでしょう?
ハイゼンベルクの谷でのウラン(U)の高さも見てみましょう。
なだらかな斜面になっていますね。
ウラン(U)は核分裂反応によりエネルギーを放出しますが、ウランの回りの谷はなだらかな斜面なので、水素(H)→ヘリウム(He)の急峻な落差(核融合反応)で出てくるエネルギーとは格段の違いがあります。
人類の未来のエネルギーを考えるとき、原子力発電(ウランの核分裂)より、核融合発電… 資源的にもウランには限りがあるけど、核融合発電に使う重水素と三重水素は海水の中にいっぱいあるそうですから… 昔は原子力発電の次は核融合発電という感じがありましたが、核融合発電はいつまで経っても実用化の目処はつかないし…
福島原発事故で原発は皆さんご存じの状況ですし…
人類はまだ、原子力発電や核融合発電を安全に環境に負荷をかけずに運用するには未熟なんじゃない?と思う私。
エネルギーは再生可能エネルギーにシフトしなけりゃね。
こちらの記事もどうぞ→ 宇宙人に会いたければ脱原発!(ドレイクの方程式より)
※2013/5/17追記
「核図表」は一般の人にはあまりなじみがないと思いますが、「周期表」ならなじみがありますよね。高校の化学で「覚えさせられた」から(^^; この「覚えさせられた」っていう記憶を持つ人が多いんじゃないかと思うのですが、これが科学を身近に感じる上での障害になってると思います。周期表の規則性を知り、さらに原子構造も知ると、「へ~面白い!」ってなるんですけど…
で、周期表に興味を持たせるための、この試みが面白かったです。
→元素のサンプル付周期表
こっちは単なるネタですけど→周期表メジャー The Chemometer
※サイエンスアゴラ3013で理研のレゴで作った核図表/ハイゼンベルクの谷の写真を撮ってきました~
→サイエンスアゴラ2013で面白かったもの
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