NHK 美の壺・選「貝殻」で「オウムガイの螺旋に黄金比」←それ間違ってるてば~
3/3放送の 美の壺・選「貝殻」を(録画で)見ていたら、オウムガイが出てきた。
あ~!この展開はもしかして…あの黄金比のガセネタを放送しちゃうの?
海を浮遊しながら暮らすオウムガイ
その螺旋はさらに精密なメカニズムを秘めています。
小さな部屋に気体が入り、それを調節することで自在に泳ぐことができます。
そして、この螺旋は意外な法則を持っているのです。
1:1.618の長方形
その長い辺を元に正方形をいくつも作っていくと、オウムガイと同じ螺旋が生まれます。
この比率はミロのビーナスやギリシャのパルテノン神殿など、多くの美が持つもので
黄金比と呼ばれるものなのです。
やっちゃいましたよ。「オウムガイの螺旋に黄金比がある」ってNHKが放送しちゃいましたよ~
ご丁寧に、ミロのビーナスやギリシャのパルテノン神殿にも言及ししてますよ~
まぁ、数年前までは「美しさの秘密は黄金比にあり!」っていう蘊蓄(うんちく)が通用したでしょうが、現在は「オウムガイ 黄金比」で検索すれば、すぐにそれは違うって分かるのに~。監修は誰だ?
美の壺は、美の蘊蓄を語る番組ですから、お約束の黄金比を持ち出しちゃったんですね~。検証せずに…
これでまた「オウムガイの螺旋に黄金比」のガセネタ蘊蓄が広まってしまったから、「それは違うよ!」っていう情報をネットに増やさねば… と、ブログに書いてる次第です(^^;
※3013/03/08追記
上の、黄金比の螺旋を見ていると…なんか、ぎこちない曲線です。違和感あるな~ と見ていたら…
あ~!右下端の曲線の接線方向が垂直方向になってませんよ~!
なんだこりゃ!?
正しい黄金矩形に沿った螺旋は↓「オウムガイに黄金比?」より引用させていただきます m(_ _)m
(TV画面の図と対比しやすいように、元の図を左右反転しています。)
美の壺に出てきた「オウムガイの螺旋に黄金比」はお約束だから(水戸黄門の印籠みたいなもん)と思っていたんですが・・・
この図は~ 黄金比の螺旋とオウムガイの螺旋を比べると、実は違ってるから、もっとオウムガイっぽく見えるように黄金比の螺旋の端に手を加えちゃってますね~ 螺旋の内側と外側でバックの濃淡を変えてオウムガイらしきシルエットを強調してるし… とっても作為的な図ですね~ これも「オウムガイに黄金比?」に書いてあった「自然という王様は黄金の服を着ていてほしい」という願望の投影なんですかね~
この記事のタイトルは最初「NHK 美の壺・選「貝殻」で、オウムガイ…螺旋…黄金比…(^^;;」としていましたが、変更しました(^^;;
※オウムガイの関連記事
2012/07/07 オウムガイの螺旋に黄金比… はなかった~!
2012/12/15 アンモナイトの隔壁は凸で、オウムガイの隔壁は凹、なぜ?
2012/12/16 アンモナイト/オウムガイ…球状の初期室をもつ/もたない
2012/12/19 アンモナイトとオウムガイの食性
2013/05/10 オウムガイの浮力調節は「浸透圧」による
※「オウム貝」で検索されることが時々あるので…(2013/12/29追記)
「オウムガイ」は貝ではありません。頭足類(イカやタコの仲間)です。
Wikipediaよりオウムガイの分類は…軟体動物門→頭足綱
巻貝の分類は…軟体動物門→腹足綱
二枚貝の分類は…軟体動物門→二枚貝綱
※ついでに…
『小さな部屋に気体が入り、それを調節することで自在に泳ぐことができます。』
「自在に」という言葉のイメージのようには泳げません。
オウムガイの浮力調節は「浸透圧」によるものなので、『そのために海水中での深度調整の速度は他の海洋生物に比べると遅い。』 Wikipedia「オウムガイ」より
また『俊敏に移動できないので、イカやタコのように生きた魚介類を捕まえて食べることができない。』
なので『主な餌は死んだ魚介類や脱皮した殻などである。』
→アンモナイトとオウムガイの食性
硬い殻を持つことは捕食者に食われるリスクを下げますが、一方で俊敏な動きができないので餌を捕まえるチャンスも減ります。イカやタコの先祖は殻を持っていたのですが、殻を持つことのメリット/デメリットを進化という秤にかけ、殻を捨てるという選択肢を選んで成功した(現在でも生き残っている)のですね。オウムガイも生き残ってますが「生きている化石」ですから(^^;
あ~アオイガイは殻を持つタコです。
⇒珍魚採集報告第64号 アオイガイ|東京都島しょ農林水産総合センター
「アオイガイ 殻」で画像検索すると… スゴ~い!w(*゚o゚*)w
美の壺・選「貝殻」でも、オウムガイじゃなくて、アオイガイを取り上げれば良かったのに…
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