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2012年10月 6日 (土)

ウイルスにも正20面体

昔、健保組合から配布されたウイルスについての冊子に、エイズウイルスとかアデノウイルスとかのイラストがあって、それが正20面体だったんですよ~!
興味をもたれた方は↓画像検索結果をご覧くださいな。
エイズウイルス
アデノウイルス」 ←病状の画像も出てくるので、人によっては見ない方がいいかも。
ウイルス カプシド
ウイルス 正20面体

で、この正20面体の構造がどうしてできるんだろう?と不思議だったんですが、ジュンク堂書店をふらぶらしていて、ふと手に取った『構造生物学』(科学同人)という本。ぺらぺらめくっていたら、「第15章 ウイルスの構造と機能」に「タンパク殻の対称性」「準等価性理論」というのが出ていました。お~!ウィルスのカプシドが、どういう仕組みで正20面体になるのかを研究している人がいたんだね~

こりゃ面白い!でも、この本『構造生物学』(科学同人)は 1万円 500ページ。私の専門分野でもないし、カプシドの正20面体が構成される仕組みを知るために 1万円とそれを読む時間を投資する余裕もないから… 「準等価性理論」というキーワードだけメモってきました(^o^)

準等価性理論」で検索 … でてきました。そのものズバリのページが
[PDF] ウイルスキャプシド模型 (東京工業大学 有坂文雄) ←リンク切れです。
4ページの資料なんですが、2ページ目の「T数とは」のところで… 今はこれをじっくり読んで理解する頭じゃないから、後ほど… ということで、それを忘れないように、プログに書いてる私(^^;
※2024/01/20 「準等価性理論」で検索したトップに ↓ こちらの記事が出てきました。とっても分りやすいです。
正二十面体型ウイルスの準対称性|PDBj入門
※「対称性の破れ」と聞くと、宇宙創成をイメージするのですが、ウイルス生物にも対称性の破れがあるんですね~

「ウイルス 正20面体」で画像検索して出てきた、こっちのページも面白い
初出時にリンクしていたページがリンク切れなので、2024/01/20に検索し直して、面白い(興味深い)ページ
Science 誌の表紙を飾る正二十面体タンパク質複合体を設計・作製・構造決定|crisp_bio

自己組織化」っていうのも今後注目のキーワードだと思います。


こちらもどうぞ→ ウイルス正20面体カプシド模型
Icsahedron_capsid


Virus101a
【ウイルス図鑑101】ウイルスを見る目が変わる!


※2013/10/02追記
9月29日から突然「ウイルス」「正20面体」「カプシド」での検索が急増している。なぜ?
「ウイルスのカプシドが正20面体である理由を考察しレポート提出」みたいな課題が出されたのだろうか?
検索キーワードには「理由」「なぜ」も混じってる。
このページにウイルスのカプシドが正20面体である理由は書いてませんが(知りませんが)これだけアクセスがあると私も気になって…
想像するに~ カプシドはウイルスの遺伝子DNAまたはRNAの入れ物です。入れ物を最小のコストで作るには、入れ物の体積に対して表面積が最小になる形がよい。それは球だが…『ここから先は自分で考えよう これからはみんなが考えるカラス』

ついでに昨日書いた「ウイルス」が出てくる記事…
レトロリフレクター と レトロウイルス の レトロ


※2013/10/15追記
昨日「ウイルス 72 多面体」で検索されてきた。でも「72」ってなに?
72成分からひとりでに組み上がる精密な球状物質 - ウイルス殻生成のしくみを実験的に検証 お~!SPring-8 大型放射光施設のニューズリリースなのか~(2010年4月30日)←そして、この中には「自己組織化」が出てきます。

ビーズボール(正多面体のボール)を作ると、それが非常に簡単なたった2つのルールで作れることが分かります。ウイルスが自己組織化により正20面体のカプシドを作るのは、正多面体の対称性ゆえ、それを作るルールが非常に単純だからでしょうか?


※2016/09/25追記
「カプシド 正20面体」で検索されて、このページにアクセスがあった。そして、自分の書いたこのページを読み直していて
「ウイルス カプシド」の画像検索リンクをポチッとしてみたら…
お~!この画像は、正20面体でもあるけど、正12面体じゃありませんか!
002: バクテリオファージφX174PDBj(Protein Data Bank Japan)
このページの上の図で12個のスパイクタンパク質を頂点とみなしてつないで見ると正20面体なのですが、
下の図のようにスパイクタンパク質を中心とした五角形のユニットとして見ると正12面体です!

正20面体なのに正12面体でもあるのは、双対(そうつい)だからです。
丸ビーズで正多面体を作ると「双対(そうつい)」が面白い


…気をとりなおして、ならば、より新しい情報を探そうじゃないか…
ありました~(^^)/
ウィルス様粒子に自己組み立てするヒト乳頭腫ウイルス | 沖縄科学技術大学院大学←リンク切れ
お~!これは素晴らしい動画だ!! YouTubeにその動画がありました。

タンパク質が5個組み合わさって正五角形のユニットができ、それが次々と自己組織化?で組み合わさって、ウイルスカプシドが組み立てられる動画です。感動!(^o^)
ところで、この動画で正五角形のユニットが2色に色分けされているんですが、この違いはなに? 色がついた方が正20面体の頂点のスパイクタンパク質なのかな?
この色付きユニットは正20面体の頂点=正12面体の面の中心なので、12個あります。
そして、このウイルスカプシド全体で正五角形ユニットの数は、6×12=72個です。(たぶん)
お、この72という数字⇒72成分からひとりでに組み上がる精密な球状物質 - ウイルス殻生成のしくみを実験的に検証 ←この「72」と一致しましたよ~!

※この動画で沖縄科学技術大学院大学(OIST)を知ったのですが、先日(2020/03/16) ITmediaNEWSに
↓この記事がありました。
創立8年で“東大超え”のワケ 世界中から人材が集まる沖縄・OISTのユニークな研究環境



※2017/11/05追記
「ウイルス カプシド」で画像検索していて出てきた…
PDBj 200: 正二十面体型ウイルスの準対称性(Quasisymmetry in Icosahedral Viruses)
Mom200_02m
CC 表示 4.0 国際 著作権者「日本蛋白質構造データバンク (PDBj)」

お~!!この画像は素晴らしい~w(*゚o゚*)w
久々に感動した。
私がBB弾で作った正20面体ウイルスカプシド模型みたいなイラストの時代(20年ぐらい前)から、研究は格段に進んでいるんですね~。
あ、このページに「準対称性」の説明がある。それから「三角形分割数」の説明も。
「T数」って、三角形分割数(triangulation number)のことだったんですね。

T=7 バクテリオファージ HK97 はまさに正20面体ですね~!
でも、赤色の5量体のサブユニットを面の中心と見ると、その周りの6量体のサブユニット5つとで正五角形の面をなし、正12面体と見ることもできます。頂点と面を入れ替えると、正20面体⇔正12面体が互いに入れ替わるのは双対(そうつい)という関係です。

T=1 タバコ壊死サテライトウイルス は5量体のサブユニットが12で、正12面体ですね。
この「サテライト」ウイルス面白いですね~
『このカプシドは1本鎖RNAを収めるだけの大きさしかない。そしてこのRNAにはたった1つのタンパク質〜カプシドのサブユニット〜だけがコードされている。』のだそうです。
え!? それじゃ、おまえ何のために生きてるの?というか、ウイルスが生物か否か?ってこと考えされられますね~ T=1なんて、カプシド製造「機械」じゃん。

※ところで、「T4ファージ」で画像検索すると、縦に長い20面体のカプシドの画像ばかりが出てくるのですが、なんで正20面体じゃなくて、縦に長いの? どう見ても「20面体」には見えないんですけど、多くのページで「正20面体」と書いてる(´Д`)
縦長の20面体カプシドを自己組織化で構成するのは難しいだろ~!と思うのですが。。。
調べてみた ↓ 2020/05/08
T4ファージのカプシドはどう見ても「正20面体」には見えないが、多くのページで「正20面体」と書いてる謎

「ウイルス カプシド 正20面体」で検索して、
なぜウイルスのカプシドが正20面体になるのか? ←この疑問に対するとっても納得できる説明を見つけた~!
ウイルスの構造には正二十面体が多いそうですが、ある体積を最も効率的に作り出すには球体が適しており、球体の方が効率的に思えます。そんな中でなぜ正二十面体になるのでしょうか?|教えて!goo
はるほど~ ↑このレゴでの説明はとっても分かりやすかった!拍手~(^o^)

※2020/04/11追記
上記 T=1 タバコ壊死サテライトウイルスは何で「サテライト」なの?
サテライト - Wikipedia によりますと…『英語のsatellite(衛星)の音訳。「本体から離れて存在するもの」の比喩としてよく使われる。 』
そして…『他のウイルスと共存することで感染・増殖する(つまり"ウイルスに寄生する")性質を持つウイルス(サテライトウイルス)、または核酸(サテライト核酸)のこと。「サテライトウイルス」を参照。』
え~! ウイルスに寄生するウイルスなんてものがいるのか~w(*゚o゚*)w

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コメント

大学のリンクの下側のほうですが、
削除されたんでなくて、サーバーの移動ですね

タイトルがちょっと変わっていますけど、
現在は、apchem から chembio に移動して、
http://simulo.chembio.nagoya-u.ac.jp/research01.html
が正しいはずです

> 削除されたんでなくて、サーバーの移動ですね
あ、そうだったんですか。お知らせ頂きありがとうございます。
リンク張り直しておきます。
リンク先のページを読んで、京コンピュータを使ってこういう研究成果が出せるんだ~
日本にはもっと大学研究室で使えるスパコンが必要だよね~ と思いました。

頂点の出っ張りを面だと考えると正12面体になるのかなるほどー
6*12=72個のタンパク質で形成されると.

3(角形), 5(角形), 6(個), 12(面体), 20(面体), 72(個)はウイルス?ペプチド?のマジックナンバーぽいですね.
わかりやすいまとめありがとうございます.

cartさん
> わかりやすいまとめありがとうございます.
いえいえ、追記、追記…で、自分ではまとまりがないな~ と思ってるんですが、
少しでもお役に立てたならうれしいです(^o^)

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