« 霊岸島水位観測所は菱形12面体 | トップページ | ジーンを伝え、ミームを伝えよう »

2012年9月13日 (木)

マイクロバイオーム…日経サイエンス2012/10

日経サイエンス 2012年10月号 特集:マイクロバイオーム は面白かったし、いろいろ考えさせられた。
ちょっと引用させていただきます。
『人体にはおよそ1015個(1000兆個)の常在菌が生息し、この数はヒト細胞数(約60兆個)の10倍以上になる。』
『人体にあるヒト以外の遺伝子
ヒトの体内や皮膚に住み着いている善玉菌の遺伝子の総合計は、私たちが両親から受け継いだ遺伝子の数をはるかに上回る。
ヒト:2万~2万5000遺伝子
マイクロバイオーム:330万遺伝子』

人の細胞(約60兆個)は全部同じ遺伝子だけど、常在菌の種類は多種多様だから、その遺伝子も多種多様になり、細胞数では10倍以上だけど、遺伝子数では100倍以上になるんだね~

考えさせられたこと…
母親が健康であれば、そのマイクロバイオームも健全だよね。ならば、そのマイクロバイオームを生まれてくる子供に伝えたいよね。でも、帝王切開で生まれてくる子供たちが最初に受け取るマイクロバイオームは母親のものではない。。。
子供が母乳を飲んでも、母親のマイクロバイオームの一部は伝えられる。でもミルクで育てるとそれはない。。。
私も、息子たちも、母親の産道をくぐり抜け、その時、母親のマイクロバイオームをもらい。母乳で育ったので、そこでも母親のマイクロバイオームをもらっている。良かった(^^)

『幼児が抗生物質による治療を受けることが増えてきたため、子供たちの腸内細菌叢の構成が変化してきており・・・』
「抗菌」がはやる風潮に違和感を感じるんですが、子供はいろんな細菌に接して(自然の中で遊ぼうってことね)免疫力を高めた方がいいと思う。

スキンシップでも皮膚の常在細菌(マイクロバイオーム)は伝わる。母親からだけじゃなく、父親、祖父母、兄弟や友達からも。
幼児の皮膚って、ほんとにスベスベ・ふくふくで触ると気持ちいいですよね~
私は息子に「ホッペすりすり~」とかやってたから(^^; 私のマイクロバイオームも息子には伝わってる(^o^)


※2018/03/10追記
ロブ・ナイト: 微生物がどのようにして私達を作っているのか | TED Talk at 2014
私が日経サイエンスの記事を読んで考えさせられたことについて… 7分あたりからをご覧ください。お~やっぱり、そうだよね!

『初期のヒトの微生物叢は出産で大きく差が出るという事も分かっています。普通分娩で産まれた赤ちゃんは基本的に母親の膣内微生物叢を持ち、一方 帝王切開で産まれた赤ちゃんの微生物は全て皮膚常在菌となります。帝王切開で産まれた人は微生物との関わりがある 嘆息 アレルギーそして肥満さえも 普通分娩の人より罹り易く 出産と健康との関係が考えられています。思えば ごく最近まで ほ乳類は全て自然分娩でした。我々と共進化して来た保護的微生物がないという事は、微生物が関わる健康問題には本当に重大な事かもしれません。

そして、11:30あたり~
『また過去ほんの数年で 微生物があらゆる病気 炎症性腸疾患、心臓病、結腸がん又は肥満にも関連しているという事が分かって来たのです。肥満には大きく影響し、今では腸内微生物を見て90%の正確さで肥満かどうかわかるのです。… 全ゲノムの配列を解読しヒトDNAから判断すると、肥満だと決定できるのは60%の正確さだからです。驚きますね。ということは我々が抱えている約1.5キロの微生物はゲノムの遺伝子より健康には大切なのかもしれません。

↑こういうことが分かってくると、系外惑星に人類を送り込むとき、卵子と精子を冷凍保存して、目標惑星に到達したら人工授精させる(育児するのはロボット)というSFのアイディアは破綻することが分かりますね。
卵子と精子(ヒトのゲノム)だけじゃダメなんです。バイオームを持って行かなくちゃ!

« 霊岸島水位観測所は菱形12面体 | トップページ | ジーンを伝え、ミームを伝えよう »

サイエンス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 霊岸島水位観測所は菱形12面体 | トップページ | ジーンを伝え、ミームを伝えよう »

フォト
2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

Google AdSense


無料ブログはココログ

blog parts

  • ココログカレンダーPlus HTTPS対応