「鏡の中のサッカーボール」の準備作業
東芝科学館の夏のイベントで、7/24「ふしぎ発見!正多面体工作」をやります。
工作アイテムは次の3つ
・鏡の中のサッカーボール
・ストロー正多面体
・ビーズ正多面体ストラップ
で、只今、材料準備中~
30人×3回やるので、材料は予備を含めて100人分用意。
「鏡の中のサッカーボール」はこれまでに9回やっている。※科学体験クラブ府中での10年間の出展報告書をまとめておいたので、いつ何をやったのかが分かる。まとめといてよかった(^^)v
前回「鏡の中のサッカーボール」をやったのは、2008青少年のための科学の祭典 東京大会 in 小金井
もう4年も前だ。過去9回、準備作業をしているが、4年も経つと記憶が薄れてくる部分もある。これを機会に、準備作業を記録に留めておこう!
▼材料
100人分の材料は…
・ポリカーボネイトミラー 450×300mm 厚0.5mm ×9枚 (東急ハンズ \1,354×9)
・塩ビ版 蛍光ピンク/蛍光グリーン 200×300mm 厚0.5mm 各1枚 (東急ハンズ \210×2)
・ビー玉 花昭O-2 オーロラアソート 5色 45粒 ×3袋 (東急ハンズ \367×3)
・スチレンペーパー B4 厚2mm 7枚セット (東急ハンズ \1,050 1枚でいいのだが、7枚セットしかなかった)
・チャック付ビニール袋 8cm×12cm 50枚入 ×2袋 (ダイソー \105×2)
・ビニールテープ(10m) ×3巻 (ダイソー \105)
▼ポリカーボネイトミラーカット用台紙
ポリカーボネイトミラー 450×300mmを二等辺三角形(底辺90mm,高さ72mm)36枚(12人分)に切るための厚紙の台紙です。B3サイズ(364×515mm)の厚紙(厚3mmぐらい)です。厚紙にカット線をミラー板よりはみ出すように罫書き、コーナーにはミラー板の位置合わせをするためのミラーの切れ端を貼り付けてあります。
▼ミラーカット用台紙にミラーを置いてミラーをカット
ミラーは表の保護シートが張られた面を上にしてカットします(裏の青い面が上ではありません)。
カットするといっても、一回カッターで切り込みを入れるだけです。切り離してはいけません(カッターを2,3回引かないと切り離せませんが)。切れ込みを入れておいて、後で折り曲げれば切り離せます。
カッターはOLFAの万能L型を使っています。0.5mm厚のポリカーボネイト板を切るにはコレです。文具用のカッターではダメです。
定規は「アル助」450mmを使っています。すべり止付きです。0.5mm厚程度の物をカットするときは力が入りますから、定規が滑って、ありゃ(^^;とならないように、すべり止付きの「アル助」がお勧めです。
▼三角形にカットするときの精度
三角形にカットするには、3本のカット線が1点で交わらなければなりません。
↓ピッタリ!
↓ずれた~(^^;
※個人的に目指す精度は、0.5mm以下の誤差です。この写真のズレはなんとか許容範囲内。
※昔は、裏の青い面に直接罫書きしてカットしてました。それだと、1枚1枚罫書きしなければならず、それだけでも大変。さらに罫書きの誤差、定規を当ててカットしたときの誤差が積み重なり、2mm程度の誤差が頻発(^^;
※(ずいぶん昔)このミラーカット用台紙を作ったおかげで、ミラーカット作業が格段に効率的かつ高精度になりました(^_^)v
100人分の材料を準備する(量産する)には、こういう「治具」の開発が必要なんだな~と思います。
▼三角形に割る
カッターで切れ込みを入れたら、裏の青い面から(表の切れ込みを広げるように)折り曲げれば、簡単に切り離せます。
三角形に切り離したミラー(324枚)を積み重ねてみました↓
※昔はズレが大きすぎたり、色々あ~!失敗ってことがあって、何枚かロスしていたのですが、今回はロスなしです。歩留まり高いです(^^)v
▼二等辺の頂点に印を付ける
この三角形は正三角形ではなく二等辺三角形で、三枚貼り合せるときには二等辺の頂点を合わせる必要があるので、二等辺の頂点に油性マジックで印を付けておきます。100人分⇒300枚 一つ一つ印を付ける地道な作業です。
▼三角形の頂点を角取りする
三角形の頂点が尖っていて、ミラーを触っているとチクッと痛いことがあるので、三角形の頂点を角取りしておきます。(昔はやってなかったんですけどね)
爪切りで三角形の頂点を0.5mmほど角取りします。300枚×3回=900回…地道な作業が続きます(^^;
↓角取り前(手前)、角取り後(後ろ)
▼蛍光塩ビ版を1辺30mmの正三角形にカットする
蛍光塩ビ版は透き通っているので、蛍光塩ビ版の下に1辺30mmの正三角形を(CADで)描いた紙を用意し、カッティングマットの上に紙と蛍光塩ビ版を置いて、セロテープで止めます。1辺30mmの正三角形 ←このPDFを開いて印刷
カッターで切れ込みを入れます。切り離してはいけません。蛍光塩ビ版0.5mm厚は力を入れすぎるとカッター1回で切り離れてしまうことがあるので、ほどほどの力で…
蛍光塩ビ版に切れ込みを入れると、そこが光ります。下の黒い線が見えていないので、ピッタリ カットできています。
後は、これを折り曲げて切り離します。ゆっくり折り曲げてください。塩ビ版は勢いよく折り曲げると、切れ込み線以外の箇所で割れることがあります。
▼スチレンペーパーを1辺30mmの正三角形にカットする
スチレンペーパーは不透明なので蛍光塩ビ版の様な手が使えません。また、切込みを入れて、後で折り曲げて切り離すということもできません。2mm厚のスチレンペーパーは、端から端までカッターを引けば切り離れてしまいます。短冊状になったスチレンペーパーを正三角形に一つ一つ切るのは大変です。そこで、スチレンペーパーが切り離れてバラバラにならないように、回りに30mmほどの額縁を残して、中だけ切ります↓
定規を移動するとき、静電気でカットしたスチレンペーパーが定規にくっついてくることもあるので、ゆっくり、静かに…
▼ビニールテープをカットして、チャック付ビニール袋に貼り付ける
3枚のミラーを貼り合せるのに、ビニールテープ 7cm×3 をカットして、材料一式を入れるチャック付ビニール袋に貼り付けておきます。
※マンツーマンで指導ができるイベントでは、その場で子ともに切らせていますが、30人一括の教室となると、ビニールテープ30巻を用意するのは無駄ですし、数巻を複数人で回して切っていると時間がかかるし~
※ビニールテープを一枚一枚ハサミで900回切るのは(もうそんな気力は残っていないので)やりたくない。効率的に正確に切るには…
カッティングマットにビニールテープを貼り付け、カッティングマットの目盛りを使って、カッターで切ります。7cmの長さに切られたビニールテープをチャック付ビニール袋に3枚ずつ貼り付けます。
※ビニールテープは伸縮性があるので、カッティングマットに貼るときに(真っ直ぐに貼ろうとして)引っ張ってはいけません。暫くすると、引き伸ばされていたテープが縮んできます。ですから、ビニールテープはカッティングマットの上に「置く」ようにします。
※このカッティングマット一面で28人分ですから、100人分は、これを4回。地道に…
▼材料一式を袋詰め
ミラー:3枚,ビー玉:1個,蛍光塩ビ版:2枚(いつもは1枚だけど、おまけ),スチレンペーパー:2枚(いつもは1枚だけど、おまけ)を、ビニールテープ3枚を貼ったチャック付ビール袋に入れます。
100セット…地道な作業もまもなく終わりです。
100セット袋詰めしました~(^o^)/~
※別に100セット並べる必要は無いのですが、自分で「やったゾ~!」という達成感を得るために、並べてみました。
※これまで、この地道な作業を黙々と(誰にも知られること無く)やってきたのですが、ブログという手段があるので、そこで公開しておこ~ というのは二番目の理由で、一番の理由は、将来またこの準備作業をする自分のためです。
※所要時間は… 丸一日です。肩こります。
※私、このカット作業では「職人」の域に達しているんじゃないかと自分で思います。やっぱり一人前の職人になるには10年はかかるのか~って、平均年1回しかやってませんけどね(^^;
※「将来またこの準備作業をする自分のため」に準備作業を記録しておいたのが役に立ちました~(^^)v
→2014/03/15 東芝未来科学館:開館記念特別イベント『鏡の中のサッカーボール』の準備作業
※博物ふぇすてぃばる!に出展するときは説明書をつけてパッケージングもするので👇その記録
2015/08/06 鏡の中のサッカーボール…博物ふぇすてぃばる!2015
2022/09/21 鏡の中のサッカーボール…博物ふぇすてぃばる!8 に向けて準備中~
2023/06/29 『鏡の中のサッカーボール』…博物ふぇすてぃばる!9 準備中~
※真っ白な正三角形のスチレンペーパーを2枚入れ、「鏡の中に入れる模様を色々考えてみよう~」とは言っているのですが、そうは言われてもなかなか幾何学的に面白いパターンは思いつきませんよね。そこで、博物ふぇすてぃばる!8(2022年出展)より、予め色々なパターンをキットの中に入れておくことにしました。
2024年のイベント準備で、あれ👆このパターンデータをどこに置いたっけ? と、JW-CADのデータを探し、印刷するのに手間取ったので(次回の準備作業のために)PDFにしてアップしておきます。 切頂20面体(サッカーボール)のパターン
三つ鱗(20・12面体)のパターン
菱形30面体のパターン
五芒星のパターン
三菱(菱形90面体)のパターン
👆これを A4ノーカットのラベルシールに印刷し、スチレンペーパーに貼りつけて、カッターでカットします。
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