化石のレプリカ「アンモナイト」を記憶に留めるための科学的?お話
「化石のレプリカ」を作った子供たちが、今作ったものを「カタツムリ」だと思わず、
「アンモナイト」であることを記憶に留めてもらうために
「化石のレプリカ」 アンモナイトのお話をしました。
ここで「アンモナイト」を記憶に留めるために、科学に基づいたお話の工夫をしてます。
●視覚・聴覚・触覚…複数の感覚刺激を同時に与える
化石(アンモナイト)のレプリカを作った子に「これはアンモナイトっていう化石だよ」と言うだけでは、そんなことすぐに忘れてます(^^;
声を出して本を読む。漢字や英単語を書きながら声を出して覚える。これらは複数の感覚刺激を同時に与えて記憶を強固にする方法です。
今回のアンモナイトのお話の中で、意識して加えたのが触覚刺激。
「ここにあるのがアンモナイトの化石です。本物です。」
「え、本物!」
「本物だから触ってみましょう~」
「え、触っていいの?」
「ん、触って、触って」
「硬い~、凸凹してる~」
化石を見る(視覚)、「アンモナイト」という言葉を聴く(聴覚)、化石を触る(触覚)という3つの刺激を同時に与えているわけです。
本物の化石を触るのは初めてという子も多いと思います。
初めて化石を触った!という感動も記憶を強固にします。
●既に知っている知識と関連付ける
「アンモナイトは古生代の中頃 4億年前から、中生代の末期 6500万年前まで、海に生息していた頭足類です。」なんて説明をしたら、それは聞いた直後に忘れ去られているでしょう。知らない言葉ばかりが出てくる説明だからです。何かを記憶に残すには、既に知っている知識と関連付ける必要があります。頭の中に知識のネットワークを作るんです。
そこで、
「アンモナイトは恐竜が生きていた時代に、海の中に生きていた生物です。」
という説明をしました。「恐竜」はほとんどの人が知っていると思いますから。
アンモナイトとオウムガイが仲間であることも話しましたが、オウムガイ(写真と殻の実物)を見るのは初めての人も多いため、知識のネットワークに結びつきません。
そこで、オーム(王蟲)とか、ディズニーシーのノーチラス号とか、既に知っている知識とオウムガイ(Nautilus)を結びつけるためのお話もしました。一見関係ないような話で、私の個人的趣味が色濃く出ていますが(^^; ちゃんと科学的な意図のある(頭の中に知識のネットワークを作るための)お話だったのです(^^)v
※あ~そうだ、アンモナイトのお話を何度も何度も繰り返していると、「アンモナイト」を「これ」と省略してしまうことがあった。手にアンモナイトを持っているから何を指しているかは分かるが、「これ」と省略してはダメ。
「アンモナイト」「アンモナイト」「アンモナイト」…と繰り返し刺激を与えることも記憶を強固にする一手段です。
※関連記事
2014/07/12 化石のレプリカ 『アンモナイトのお話』
2014/08/22 化石(アンモナイト)のレプリカ…府中第二小学校・夏のお楽しみ会(科学体験)
2020/12/05 大和市 冬のおもしろ科学館『アンモナイトの化石のレプリカ作り』のスライド
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