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2012年7月12日 (木)

割り箸30本テンセグリティ

2012/6/17の科学体験クラブ府中の研修の中で「テンセグリティ」が取り上げられましたが・・・
研修の時間内では作れず。「みなさん、おうちに持って帰って頑張ってください。」
実際に作った人はいるのだろうか? 私もまだ作ってない(^^;
これ、私の予想では初めて作る人は2時間くらいかかるな~
(画鋲をヒートンに変えてるから、ヒートンを60個ねじ込むだけでも60分ぐらいかかりそうです。)
これ絶対作りた~い!!」っていうモチベーションの高い子供は作れそうですが、そんなモチベーションのないおじさん/おばさんにはむりっぽ(^^;

2012/7/8の研修会で聞いてみた。「テンセグリティを作った人~?」「・・・」 0人
やっぱり(^^;
せめて私だけでも…と思い作ってみました。
ますは、完成写真↓
Waribashi_tensegrity20
なんとか完成させることはできましたが、「私の予想では初めて作る人は2時間くらいかかるな~」という予想を大幅に超え、5時間くらいかかりました!
あ~疲れた。ヤッタ~完成!っていう達成感ナシ(^^;

なぜ、そんなに時間がかかったのか?
最大の要因は、ヒートンを使ったことです。
工学院大学 理科教室バージョンのテンセグリティは割り箸の両端に画鋲を刺してますが、「画鋲だと、画鋲が外れて踏んづけた(* *) なんてことがあるかもしれないので、画鋲の代わりにヒートンを使ってます。」←コレ、改良になってません。改悪です(^^;

以下、孤軍奮闘の記録・・・
まずは、割り箸15膳を30本に割る。↓こういう風に割れるやつがある。
Waribashi_tensegrity01
割り箸20膳ぐらいもらってきたのだが、こういうやつを除くと30本に足りない。
不揃いに割れた幅広の方を、カッターで削って30本揃える。(ここでロスタイム)

割り箸の端に画鋲を刺して、抜いて、その穴にヒートンをねじ込むのだが、
↓こういう風に割れるやつがある。
Waribashi_tensegrity02
また、不揃いに割れた幅広の方を、カッターで削って不足分を揃える。
それでも足りないので、幅が狭い方をしかたなく使う。(ここでもロスタイム)
安物の割り箸を使うとロスタイムが大きくなります。
工学院大学・理科教室の作り方には「アスペン利休箸」という高級そうなのを使っています。
あれ?利休箸って両端が細くなってる箸ですよね。両端が細いと画鋲を刺したとき割れ易くない?

ふ~やっと30本の割り箸の両端にヒートン60個をねじ込みました。(ここまで1時間半)
Waribashi_tensegrity03
輪ゴム(「モビロンバンド」という特殊な輪ゴムを使っています)を2本繋いで、割り箸の両端のヒートンにひっかけます。
あれ?ひっかけられない!
私はシッカリ・キッチリ作る派なので「割り箸の両端にヒートンをねじ込む」は、
↓この写真の×の様に、シッカリ・キッチリ根元までねじ込みました。
Waribashi_tensegrity04
でも、輪ゴムをひっかけるには、これではダメだったのです。
の様に、ヒートンの輪の下の軸の部分を出しておかなければなりません。
60個のヒートンを全部緩めて、軸の部分を出す。(ここでまたロスタイム)
※輪ゴムは組み立てるときに、もう一回ひっかけるので、上の写真程度の軸の出では足りず、もっと出しておく必要があったのだが、この時点では知る由も無く…(そこでもまたロスタイム)

ふ~やっと30本の割り箸に輪ゴムをひっかけました。(ここまでで、2時間経過)
Waribashi_tensegrity05
さて、いよいよ組み立てです。
割り箸5本を五角形に組むのですが…
Waribashi_tensegrity06
「1本の割り箸を輪ゴムの3等分した所にひっかけよう」
「3等分」って目分量?やりにくい~
キッチリ派の私は割り箸3等分のところに印をつける。(ここでもロスタイム)

「いまひっかけた割り箸に、もう1本の割り箸をひっかけよう」
「この調子で、割り箸を5本使って、五角形を作ろう」
…「この調子で」と言われても~ 私の場合、もう1本の割り箸をひっかけると、前にひっかけた方が外れちゃうんですけど~

何度やってもダメ。五角形が作れない~
1時間以上奮闘し、もうヤダ!断念しちゃおかな~
その前に、前回の研修のときに撮った完成品の写真を見る。
あ~!輪ゴムは「ひっかける」じゃなくて、ヒートンの穴の中を通ってますよ~!
え?どうやって?
わ!ヒートンの輪の僅かな隙間から、輪ゴムを通しているのか~!ビックリ
Waribashi_tensegrity07
この技は普通の輪ゴムではできません。モビロンバンドという厚さ0.3mmの輪ゴムだからなせる技です。

※割り箸30本テンセグリティ(ヒートン使用バージョン)、マンツーマンで指導者がついていなくちゃ絶対完成しないな!

五角形の周りに5つの三角形を作る。(写真撮り忘れた)
ここまでで、すでに4時間経過。疲れた~ 続きは明日…

…明日でなく、二三日後でしたが、続きをやる。
Waribashi_tensegrity08
中心の五角形の周りに三角形が5個。
その周りに、さらに五角形を5個と、三角形を5個。
ここまでで25本の割り箸を使用。残りは5本。
上の写真の、外側の五角形の周りには三角形がまた3つしかない。
外側の五角形の周りに三角形を5個作ると、丸くなってくる↓


※2014/09/13追記
『途中経過の展開された写真から球体にする過程が分からず…』との質問コメントがありましたので、上の割り箸25本の展開された状態から、球体にする方法を載せておきます。
Waribashi_tensegrity08b
正多面体工作するときのキーワードは「対称性」です。正多面体は色々な方向から見ても「同じ形」をしています。上の写真で中心の五角形を見てください。その周りに三角形が5個ありますね。その三角形の一つで周りの形を見てください。五角形・三角形・五角形・三角形・五角形・まだつながってない部分…となっていますね。
形の並びは、5・3・5・3・5・…です。だから「まだつながってない部分」は三角形にします。その三角形を作るために、上の写真で示したようにつなぎます。

※「正多面体」と書きましたが、割り箸30本のテンセグリティは「正多面体」の「20・12面体」です。正三角形20個と正五角形12個で構成される立体です。


Waribashi_tensegrity09
残りの5本を加え、さらに五角形を5個、三角形を5個作ると、最後の五角形1個もでき、完成~!
Waribashi_tensegrity12_2
完成した大きさは、直径約30cm
Waribashi_tensegrity21
完成までスムーズに行ったわけではありません(^^;
途中、輪ゴムが割り箸に巻き付いてしまったのが数箇所↓
Waribashi_tensegrity11
なぜ、こうなったのかは不明。
一旦、外してひっかけ直すのだが、ヒートンの輪の中に輪ゴムを通している(さらにもう一回くるっと巻き付けている)ので、外してやり直すのは面倒(ここでもロスタイム)

感想:疲れた~
まとめ:このままでは科学教室などでこれを実施することはできません。
画鋲をヒートンに代えたのは、改良になっていません。
ロスタイムの原因を全て対策して、1時間で作れるようにしなければ、科学教室で実施することは無理でしょう。
また、科学教室で実施する場合、マンツーマンで指導しなければ完成に至らないと思います。マンツーマンで指導するって事は、このテンセグリティを何も見ないで1時間程度で作ることができる指導者を数人~十人ぐらいは養成しなくてはなりません。←これが一番ハードルが高いな(^^;



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ジオメトリック・アート“Geometric Art”by Caspar Schwabe +Atsuhiko Ishiguro edited by Kouhei Sugiura 神戸芸術工科大学レクチャーシリーズ』
※この本は幾何学工作好きな人にとっては「自分でも作ってみた~い!」と、とってもワクワクさせられる本です。
6本テンセグリティの作り方も解説されていますし、120本のアルミチューブによる「4フレクェンシィ20面体テンセグリティ」直径3.5mを作ってる写真もあります。神戸芸術工科大学大学院プロジェクトにおけるワークショップ(2002)での(テンセグリティ構造ではありませんが)竹でできた巨大バッキーボールもスゴ~イ!(長さ2m・360本の竹を使い、1320本のゴムバンドで結合。完成したボールは直径5m、重量70Kg)

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