正多面体が5種類あることは石器時代の人も知っていた
「正多面体」で検索すると「プラトンの立体」って言葉が出てきますが、プラトンさんが正多面体を見つけたわけでも、5種類しかないことを証明したわけでもありません。証明が出ている文献はユークリッドの原論らしい。
プラトンは「ティマイオス」という著書の中で、四元素(地水火風)と正多面体を関連付けて論じたらしい。
地…正6面体
水…正20面体
火…正4面体
風…正8面体
(正12面体はどうした~!?)
これで「プラトンの立体」って言われてるの~。プラトンの名前を冠するほどのことか~?
(個人的には納得できんな~ だから正多面体を「プラトンの立体」とは呼ばない私(^^;)
そんなことより、「正多面体」で検索していて見つけたこのページ↓
Neolithic Carved Stone Polyhedra(新石器時代の多面体の石玉)
お~すごい!新石器時代に5種類の正多面体に相当する石の玉を作っていたんですよ~!!
5種類しかないことを証明はしてないでしょうが、5種類あることは知っていたんですよ~
あ、上で紹介したページは英語のページで、「正多面体」で検索して出てくるわけないですね。
「正多面体」で検索して見つけたページはこちら→「新石器時代の多面体」
このページから引用させていただきます…『古代人には,「多くの方向から見て同じ形になる」ような形を求める意識がかなりはっきりあったことはまちがいないだろう。・・・ その意識の結果が, 正多面体型の石玉も生みだすことになったのだろう。「多くの方向から見て同じ形になる」とは, 数学でいう「対称性」の一種である。スコットランドの石玉は, 立体の対称性のラフな段階での発見過程といえよう。』
石器時代にこの正多面体の石玉を作った人も、正多面体の「対称性」の魔力にハマってしまったんですね~ 仲間だ~(^o^)
『スコットランドでの「手作業による発見」が, ギリシャでの「数学的研究」をはるかに先行しているが, 似たようなことはたくさん見つかると思う。』
ん、ん、私も「手作業による発見」してま~す(^o^)/
例えば「ストロー正多面体」「ビーズ正多面体ストラップ」など。
これらを作った後で、正多面体について数学的にも理解しておきたくなったので、正多面体の定番の書…一松信著『正多面体を解く』も読んでみたんですが、シュレーフリの記号(p,q)が出て来たあたりで、なんでこんな記号を使って説明する必要があるのよ?と投げ出す(^^;
でもその後「ストロー正多面体」の作り方の規則をまとめていたら…「あ~!ここでシュレーフリの記号(p,q)を使うと簡潔に整理できるゾ!」とシュレーフリの記号(p,q)の意味・利点を理解しまして…
だから私は、「数学的理解」より「手作業による発見」が先行した人なんです~(^_^)
←数学好きにはこちら
数学が苦手な人は「はしがき」だけでも→「正多面体を解く」はしがきより…
※シュレーフリ記号 - Wikipediaによりますと…『なお日本語ではシュレーフリの記号とも言うが、Schläfli's symbolとはあまり言わない。』 あ、そうなんですか。「正多面体を解く」で「シュレーフリの記号」だったので、そっちで覚えてしまった私…
※2016/02/20追記
正多面体が5種類だけであることを証明したのはテアイテトス
プラトンが著した『テアイテトス』ではなく、数学者のテアイテトスです。
↑この本、『世界で二番目に美しい数式』によりますと…『テアイテトスは他の古代ギリシャの数学者ほどには有名ではないが、彼がこの物語のヒーローであることは疑いようがない。正多面体が5つ存在し、5つしか存在しないことを証明したのは、ほぼ確実にテアイテトスである。』
そして、(正12面体はどうした~!?)の答えも出ていました…
『最後に残った正多面体である正十二面体は、元素の1つにはなれなかった。
ティマイオスは「神はこれを宇宙全体のために使い、その上に形を刺繍している」と主張している。』←かなり苦しい(^o^;
※関連記事:世界で二番目に美しい数式 V-E+F=2
※2017/11/03追記
※2022/11/12 この追記の元になったPDFがリンク切れになっていたので、改訂
「石器時代 正多面体」で検索していたら、非常に参考になるページを見つけました。
⇒紀元前数千年の正多面体の謎 - ジャパン・ゾム・クラブ[PDF] ←リンク切れ
著者は宮崎興二 京都大学名誉教授 (ジャパン・ゾム・クラブ会長)
これによりますと…
●古代ギリシャのヘロンが言いだして以後、「プラトンの立体」と言われてきた。
へ~!ヘロンが言いだしたんですか。
ところで、ヘロンと聞くと、私は「ヘロンの噴水」を想起するのですが、「ヘロン」で検索すると、ヘロン本人より「ヘロンの公式」と「ヘロン (山下達郎の曲)」ばかりが出てくる(^^;
山下達郎の「ヘロン」は… Helonはサギの英名なんだ~
どんな曲だっけ?⇒山下達郎 サンデーソングブックより(ヘロン)|YouTube これか~!
そして、ヘロン本人は…⇒アレクサンドリアのヘロン - Wikipedia
●宇宙のすべては極小の地水火風の四大元素とそれを入れる極大の宇宙の器で構成されているとし、そのうち四大元素は、地水火風の順に、それぞれ立方体、正二十面体、正四面体、正八面体のかたちをし、宇宙の器は残る正二十面体のかたちをしている、という。
正12面体は「宇宙の器」に当てはめた(こじつけた)んですか~(^^;
そして…
●図1 プラトンによる宇宙の正多面体的構造。ケプラー「世界の調和」(1691)より。
お~!ここにケプラーさんが絡んでくるのか~⇒ヨハネス・ケプラー - Wikipedia
ケプラーさん「ケプラーの法則」という成果を残してますが、「多面体太陽系モデル」は思い込みによるものでダメでしたね。でも、このモデル、現在でも人を惹きつける魅力があるようです(^^;
(以下、抜粋・要約・感想です)
●イギリスの著名な多面体建築家で幾何学的哲学者でもあるキース・クリッチロー(Keith Critchlow, 1933-2020)が「Time Stands Still」という書物(2007)を出版し、新石器時代後期に作られたと思われる五つの正多面体状の石細工を、オックスフォードのアシュモリアン博物館(Ashmolean Museum)で発見した、と実物写真入りで発表したのである。
…このニュースはあっというまに世界中に広まり、正多面体の起源に関する常識が覆されて、世界の各地で、正多面体はピタゴラスやプラトンどころか、紀元前数千年の新石器時代にすでに知られていたとされることになった。
…2012年8月中ごろ、突如、紀元前1000年の正多面体発見のニュースはちょっとおかしい、という疑惑が持ち上がった。
詳しいことは…⇒ The Scottish solids hoax – neverendingbooks
"hoax"って何?→「でっちあげ」 そうですか(^^;
英語のページなので、私のように英語はちょっと…な人は、⇒このページを訳す
でも、The Scottish solids hoaxの指摘のポイントは「正20面体がないじゃないか!」ということらしいが、それが hoax(でっちあげ)になるの? それに5つの画像の中に正20面体ありましたよね? Google先生の翻訳『スコットランドの立体デマ』によりますと、その主張は次ですね…
『しかし、それでは…正二十面体はどこにあるのでしょうか? 4 番目のボールは確かに 1 つのように見えますが、これは誰かがリボンを追加して、異なるノブの中心を接続したためです。このリボン図が 20 面体である場合、ボール自体は別の 12 面体である必要があり、リボンは 20 面体と 12 面体が双対多面体であるという事実を示しています。最後のボールについても同様に、リボン フィギュアが八面体の場合、ボール自体はちょうど 6 つのノブを持つ別の立方体でなければなりません。』あ~なるほど! 👇こういうことですね。
3番目のボールのノブは12個で12面体。4番目のボールのノブも12個だから20面体ではない。誰かがノブの中心をリボンで結び20面体に見えるようにしただけ。5番目のボールもリボンが無くてノブの数だけ数えれば6面体(立方体)
なんか面白くなってきましたね😅 正多面体の「双対」の面白さは、こちらの記事をどうぞ…
2014/09/03 丸ビーズで正多面体を作ると「双対(そうつい)」が面白い
『しかし、それでは…正二十面体はどこにあるのでしょうか?』と問いかけていますが、「正八面体はどこになるのでしょうか?」とは問いかけていません。それは、1番目のボールがノブの数が8個で、立方体の様にも見えるけど、8面体でもあるからですね💧
The Scottish solids hoax 『スコットランドの立体デマ』 によりますと、スコットランドでは400個以上の石のボールが記録・保存されているそうです。その中に12のノブを持つもの(12面体)は8個だけ。20のノブを持つもの(20面体)は2個しかないそうです。
なので…『明らかにこれは、新石器時代のスコットが偶然に正多面体を発見できなかったことを意味するものではありません。彼らはこれらの石球を大量に作りました。ノブは 3 個から 135 個もありました。私が主張するのは、このボールカービングは数学的なものではなく、芸術的な試みだったということだけです。』ん~ なるほどね。
球面に規則的な模様を施そうとすると、そこに正多面体が出てきます。日本の伝統工芸の「手鞠」にも正多面体の模様のものが多数あります。
例えば… 正多面体てまりコレクション2020
手鞠(てまり)を作っている人たちが「これは正〇面体だ」と正多面体(数学)を意識して作っているってことあまりないでしょうからね💧
でも「美」を求める心と「数学」には通じるところがあると思います。
※「Time Stands Still」の著者の Keith Critchlowさんは、The Scottish solids hoax 『スコットランドの立体デマ』 によりますと『ローラーとクリッチローは神秘主義に傾倒しているため、彼らの主張を当然のことと考えるべきではありません。』そうなんですか💧
でも、ピタゴラスの定理でおなじみの数学者? ピタゴラスさんなんて、めいっぱい神秘主義者で教祖様でしたからね😅
私は、「新石器時代の多面体」に書いてあった…『古代人には,「多くの方向から見て同じ形になる」ような形を求める意識がかなりはっきりあったことはまちがいないだろう。・・・
その意識の結果が, 正多面体型の石玉も生みだすことになったのだろう。「多くの方向から見て同じ形になる」とは, 数学でいう「対称性」の一種である。スコットランドの石玉は, 立体の対称性のラフな段階での発見過程といえよう。』←ここが一番重要だと思います。
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